2024/3/30 モモ20周年ライブ「MUSIC DINNER」ライブレポート(三沢市公会堂)
青森県三沢市在住のシンガーソングライター・モモさんのデビュー20周年アニバーサリーライブ
■モモさんのブログ
モモさんご本人のライブ振り返り。この日のステージについてとても詳細に、たっぷりの写真とともに記載されています。
■三沢市在住のシンガーソングライター・モモさんのライブを坂本サトルさんがプロデュース
青森県三沢市生まれ。そして現在、三沢市に住みながら音楽活動を行うシンガーソングライター、モモさん。
坂本サトルファンにとっては、ラジオ番組「坂本サトル ミリオンレディオ」(エフエム青森)のレギュラーメンバーとしてもおなじみです。
2003年4月2日に3人組バンド「Pigeon's Milk」(以下、ピジョンズミルクと表記)のヴォーカルとして徳間ジャパンよりメジャーデビュー。2009年よりソロ活動を開始し、2012年に地元に移住。ミュージシャン活動を継続しながら、2019年にはワイン居酒屋「Momo's Izakaya 福」をオープンして、オーナーシェフとして自ら厨房に立ち腕を振るっています。
そんな、多才に活躍するモモさんのデビュー20周年を記念したホールコンサートが、三沢市公会堂小ホールで行われました。
モモさん本人が考案したライブタイトル「MUSIC DINNER(ミュージックディナー)」は、「音楽」と「飲食」という、まさに現在のモモさんの活動を表現するのにぴったりのコンセプトです。
そして今回のライブは、坂本サトルさんが代表を務めるOFFICE mode keyが制作を担当。
サトルさんがプロデューサーとしてライブの運営を全て担当するほか、本人もサポートバンドメンバーとして出演。さらに、モモさんのアニバーサリーをお祝いするため、キーボード佐藤達哉さん、ヴァイオリン鹿嶋静さん、JIGGER'S SONのベース坂本昌人さん(マットさん)、同じくJIGGER'S SONのドラム鈴木慎也さん、エレキギター山口克彦さんと、総勢6名の豪華なサポートメンバーが集結し、周年ライブにふさわしい、華やかなステージとなりました。
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私がモモさんの歌う姿を初めて生で見たのは、昨年6月に青森市で開催された音楽イベント「HOMETOWN MUSIC LIFE」のとき。
ラジオやCDでは歌声を聞いていましたが、ステージに立ち歌うモモさんの生の歌声は本当に圧巻で別格。観客全体がモモさんの歌に吸い込まれるように集中していくのがわかり、鳥肌がたつほど心が震えたのを覚えています。
ときにキュートに、ときにソウルフルに、ときに妖艶に。色とりどりの歌声と多彩な表現力に、あっという間にモモさんの歌の虜になりました。
そんなモモさんのヴォーカルをたっぷりと楽しむことができるワンマンライブとあって、この日のステージをとても楽しみにしていました。
■ライブレポート
※以下、セットリストを含むネタバレありのレポートです。
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250枚の前売りチケットがSOLD OUTし、満員の観客席。
入場時、ロビーにて観客にピンクのペンライト(サイリウム)がプレゼントとして配られました。
ステージは背景、床面ともに黒張りになっており、サポートメンバーの楽器がずらり。そんな中、客席から向かって右側のステージ一角には、スタンドライトや植木鉢、さらにワイングラスとボトルが置かれたテーブルとイスが配置され、さながら飲食店のような素敵な空間が用意されていました。
「MUSIC DINNER」を体現するようなセット演出に、期待感が高まります。
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客電が消え、予定より10分ほど経過した17:10に開演。
影アナは元エフエム青森アナウンサーの鈴木耕治さん(おベルさん)。
「ピンクのペンライト(サイリウム)は合図があるまで光らせないでください」のアナウンスで、すでにサイリウムを発光させてしまったオーディエンスが多数おり、会場からどよめきと笑い声が。(その後すぐに「光らせてください」の合図がありました)
ブルーのライトがぼんやりと照らすステージに、まずは、黒のシャツで揃えたバンドメンバーが登場。
そしてモモさん登場…と思いきや、スポットライトを浴びて現れたのは、ギャルソン姿に身を包んだ元ピジョンズミルクのメンバー、宗一郎さん!
ステージを進み、テーブルに吊り下げられていた看板を「closed」から「open」にひっくり返し、「MUSIC DINNER、始まります!」と高らかに宣言。
海の波音のSEが会場を包み、いよいよモモさんが登場!
モモさんの衣装はラメがきらめく濃紺のイブニングドレス。アニバーサリーにふさわしくシックで華やかな装いで、ディーヴァのような貫禄です。
オープニングナンバーは「ももいろの海」。海を思わせるブルーから、サビではピンク色の照明に変わり、モモさんの明るく伸びやかな歌声が会場を包みます。そして歌い終わった後のモモさんのにこやかな笑顔!
続く「名前のない花」も、力強く歌い上げ、オーディエンスを引き付けていきます。
「ようこそ!今日は来てよかったと思ってもらえるように、音楽でおなかいっぱいになってもらえるように頑張ります」と挨拶。
ここからヴァイオリン静さんも加わり、3曲目はミニー・リパートンのカバー「Lovin' You」。今日の衣装やステージの雰囲気が、英語詞の歌とよく合っており、キュートな歌声と超高音のホイッスルボイスで魅了します。サトルさんも「♪ラララララ…」とコーラスで参加。
温かい家族愛を歌った「スーパーマン」では、モモさんの体の揺れに合わせてオーディエンスのペンライトも揺れていました。ローズピアノに重なるストリングスの優しいフレーズ、サトルさんの鳴らすウィンドチャイムのきらやかな音色も素敵です。
あたたかな雰囲気から一転、ブルーのライトに包まれて歌いだした「オオカミの唄」では、迫力あるヴォーカルでオーディエンスを圧倒。山口さんのエモーショナルなエレキギターが感情を掻き立てます。歌い終わったあと、モモさんの呆然と立ち尽くすような姿が印象的でした。
メンバー紹介。
キーボード「たつやさん!」3月27日還暦を迎えられた達哉さん。リハーサル合宿中に、モモさんの料理とサトルさんの焼いたステーキでみんなでお祝いをしたそうです。
ここでサトルさんから「(フルネームで)佐藤達哉さんでしょ」と突っ込みが入ったものの、「静かにして!」とサトルさんを制する女ボス、モモさん。
「ベース、マットさん!」「ヴァイオリン、しずかちゃん!」「ドラム、しんやさん!」(ここで観客より野太い「しんやー!」の掛け声)、「エレキギター、山口さん!」
「そしていろいろ、サトルさん!」サトルさんはステージ前方に出てきて一礼。
続いて登場したのは、元ピジョンズミルクの宗一郎さん。オープニングのギャルソン店長姿から少しラフな衣装に着替え、アコギを持ってステージに立ちました。
サトルさんから「緊張してる?」と聞かれ、素直に「はい」と答える宗一郎さんでしたが、宗一郎さんの奏でるギターのイントロにモモさんの歌声が重なり始まった「北風」では、一気にピジョンズミルクの世界観に。サトルさんはシェイカー&サビのコーラスで彩りを添えます。
モモさんと宗一郎さんは、デビュー直前の20年前、そしてモモさんのデビュー10周年の際も三沢市公会堂のステージでライブを行っているとのこと。
「今日は後ろのメンバーが豪華で…サトルさんの前で演奏できるなんて緊張する。でも気にしないようにやります」と宗一郎さん。
続いて披露したのは、ピジョンズミルクのデビュー曲でありモモさんの代表曲でもある「りんご」。「北風」同様、宗一郎さんが作曲、モモさんが作詞した作品です。このときのモモさんの表情が、キラキラの笑顔で、本当にうれしそうで、見ているこちらも胸が熱くなりました。
モモ「宗一郎でしたー!」
宗一郎「また店長に戻ります」
達哉さんを除くバンドメンバーが退場。ピアノ伴奏のみで歌われたのは、遠距離恋愛の切ないシーンを描いた「同じ空の下」。「♪24枚撮りの使い捨てのカメラで二人の永遠の世界を撮りきった…」のフレーズのところでは、モモさんがピースサイン。歌の世界に入り込み演じているかのような表現力。最後の叫びのような「♪ねぇ行かないで」のフレーズと、泣き声のようなフェイクが胸を締め付けます。
サトルさんと慎也さんがステージに戻り、セッティング中にモモさんのMC。「店長、お水!」の声に、再びギャルソン姿に着替えた宗一郎さんが現れ、ステージ上のサイドテーブルに置かれたワイングラスに水を注ぎます。サトルさんいわく「雇われ店長的な」ポジション。
次の曲に行きたいものの、サトルさんのチューニングに時間がかかり、もう少し長くお話をとのことで、「遠くからきた人?」「県外から来た人?」とオーディエンスにお尋ね。県外からも多くの方がいらっしゃっていました。さらに会場には三沢市長もいらっしゃり(チケットを購入して観客としていらっしゃったそう)最前列で観ておられました。
用意が整い、達哉さん、慎也さん、サトルさんの演奏で披露された「あの日の空」。慎也さんはシェイカー、サトルさんはギター、ブルースハープなど、シンプルなアコースティックアレンジで演奏され、その分モモさんの伸びやかな歌声とサトルさんのコーラスが際立ちました。
バンドメンバーがステージに戻り、「突然ですがこのコーナー行きます!」とモモさんが宣言。聴こえてきたのは、「♪あ~あ~木曜の夜 ミリオンレディオ~」という、モモさんも出演しているラジオ番組「坂本サトル ミリオンレディオ」(エフエム青森)のジングル!
モモさんが「ミリオンレディオ聞いたことある人?」と尋ねると、ほとんどの観客が挙手。しかし「聞いたことない人?」もちらほら。
サトル「聞いたことない人、よく手を挙げられたな」
モモ「そういう人たちに番組を知ってもらうコーナーだからいいの!」という2人の掛け合いも、ミリオンレディオの雰囲気そのまま。
このコーナーだけはサトルさんが進行するということで、ご挨拶から。
サトル「本日は年度末の一番お忙しい中、全国からたくさん来ていただいて、ありがとうございました」
サトルさんからの「一番遠くから来たと思う人?」というお尋ねに、なぜか観客シーン…。
モモ「サトルさんこわいから。もっと声高くして喋ったら?」
言われた通りワントーン高い声でお話するサトルさん(笑)。
改めて「ミリオンレディオ」の名物コーナー、サトルさんが即興で書いたおもしろ歌詞にリスナーが曲をつけて投稿するという「音声投稿シリーズ」について説明。26回を重ねるこのコーナーでは、毎回、サトルさんとモモさんも一緒に曲を作っており、本日はその中から選りすぐりの3曲の音源を披露。バンドメンバーもステージで一緒に聞きます。静さんと山口さんは、ステージ上のセットのイスに腰をかけノンアルコールワインを傾けながら優雅にご視聴。
1曲目「♪ポンポンポーン、ポンポンポーン、フルーツポンチ~」
2曲目「♪大型連休、大盛チャーシュー、爆盛牛丼、休みボケ…」(サトルさんはオタマトーンで参加した回)
頭を抱えてステージにしゃがみこむモモさん(笑)。
「今日は2枚目モモでいこうと思っていたのに…」
「どうなんですか?このコーナー。こういう私、歌う私、お料理する私…みんなどう思っているんだろ」
3曲目「♪ヤシガニ 食べごろ お年頃!」
この曲が観客の手拍子とともに予想以上に盛り上がり、もう一度再生することに。「♪エイリアン…エイリアン」観客「ヘイ!」とコール&レスポンスで楽しみました。
サトル「どっちもモモちゃんだもんね!」
モモ「こんな感じでミリオンレディオやってます」
そして、このコーナーから生まれた名曲「2月 feat.坂本サトル」を披露。
優しいムードにキュートな歌声。素敵なベース。2番からはサトルさんがユニゾンで歌声を重ね、ちょっと大人の雰囲気に。
サトル「以上、音声投稿のコーナーでした!」
ジングル「♪ミ~リオンレディオ~」
スペシャルゲストのライスボールが登場!
ライスボール=おにぎりということで、まさに「MUSIC DINNER」にふさわしいゲスト。「ライスボールの3人が大好き」というモモさんに、「Me tooです~♡」と答える実土里さん。
シンガポールから帰国して3人揃ってのステージは初という本日。
サトルさんがこの日のために用意してくれたというコーラスラインで、4人で歌ったのは、モモさんの「小さな光」。
アクア「ワン!」モモ「ツー!」ミドリ「スリー!」ヒカリ「フォー!」と4人のカウントでジャーン!とスタート。CD音源ではアコースティックアレンジですが、この日バンドアレンジで披露された「小さな光」は、とても明るくて楽しくて、女性4人のヴォーカルが華やかで素敵でした。
間奏で、ライスの3人より「モモさん20周年おめでとうございます!」とサプライズの掛け声。サトル大先生の提案とのこと(ライス談)。
続いてはライスボールの曲「掌(たなごころ)」。この曲も、「おにぎり」が歌詞に出てきて、「MUSIC DINNER」にぴったりの曲。4人で楽しそうに歌い上げました。
あらためてライスボールのメンバーからモモさんへお祝いの言葉。
ヒカリ「モモさんの歌を、昨年6月のHOMETOWN MUSIC LIFEで初めて聞いて、大好きになりました」
ミドリ「モモさんひとりなのに、(曲ごとに雰囲気が違うので)モモさんが50人くらいいるみたい、モモさん劇団みたい。モモさんからしか得られないエキスをもらえてます」
アクア「モモさんかわいいのに、歌うごとに雰囲気が変わって、そんなモモさんに沼ってます」
と、ライスならではの表現でモモさんにお祝いの言葉を贈っていました。
ライスボールが退場し、バンドに静さんが加わり、フルメンバーで演奏された「運命論者」。照明はカラフルで不穏。サトルさんはシェイカー、トライアングル、タンバリンと様々に楽器を変えて。間奏では静さんがステージ前方に繰り出しダイナミックなソロ演奏。ドラムは1番はパーカッションとバスドラム、2番からフルドラムで勢いを増します。その中央に堂々と立ち、バックバンドを率いてオーディエンスを異世界へ導く女神のような貫禄のモモさん、かっこいい!
歌い終わった後のオーディエンスの拍手もひときわ大きい。
会場の熱気そのままに続いた「bat」。蝙蝠の浮遊を表現したような左手の動きも雄弁に歌の世界を語っているよう。「♪孤独の中に生まれた光」のときの泣きそうな顔。歌の世界に入り込んだ鬼気迫る表情が圧巻。全身全霊で歌を表現する圧倒的迫力。モモさんの真骨頂を見ました。
「今日はこんなにたくさん集まってくれて本当にありがとうございました」
と改めてオーディエンスにお礼を述べたモモさん。
10周年のときとは活動もファン層もがらりと変わり、どんなお客さんが集まってくれるのか少し不安もあったそう。
ずっと歌うことが大好きでいままで続けてきた。
飲食店をやることになるとは思っていなかった。
ラジオもやらせてもらって、世界が広がって、すごくいい経験をさせてもらっている。
今日も、こんなステージで歌って、なんて恵まれているんだろうと思う。
そして、今年新曲を出すことが決まった!
そう言って披露されたのは、坂本サトルさんが作詞、多田慎也さんが作曲した、この日のための新曲「MUSIC DINNER」。
ローズピアノのイントロで始まる優しくメロウなバラード。
「温かなスープ」「やわらかなメロディ」「新しいオーブン」「ビンテージのギター」…
歌詞の中には、モモさんのお店を想像させるようなフレーズと、音楽のワードが散りばめられ、まさにいまのモモさん自身のことを歌っているよう。
1番を歌い終わって、オーディエンスから大きな拍手が沸き起こりました。
「♪きっとあの人も空から見ている」
「♪MUSIC DINNER 私には歌が流れていて MUSIC DINNER 誰にも止めることできない」
「♪今の私にできることようやく見つけられた」
ひとつひとつのフレーズすべてがモモさんの今と重なるようで、そしてモモさんもまたこの歌を愛しているのが伝わり、観客の心を大きく揺さぶりました。とても素晴らしい曲でした。
本編最後の曲は「ゆり」。モモさんが大好きな曲なのだそう。
美しい物語のような歌詞世界を、バンドメンバーとともに、繊細に、そしてダイナミックに歌い上げたモモさん。
ステージからメンバーが退場。
オーディエンスからはアンコールを求める鳴りやまない拍手が続きます。
メンバーがライブTシャツ姿で登場。
アンコールで披露されたのは「Reborn」。
ステージも観客席も明るく照らされ、新しいスタートの決意表明をするかのように、こぶしを天に振り上げ、のびのび歌い上げるモモさん。
「♪光を掴んだから」のフレーズでピースサイン。
静さんも登場し、オーラスは、「もう一度新曲を歌いたい!」と
「MUSIC DINNER」をリプライズ。
「音楽と飲食、どちらも大切」
「歌っていると自分自身が浮かんでくる。等身大の私を歌っている歌」
「これからの自分を自己紹介するような大切な歌」
そう述べて、心を込めて歌い上げました。
会場は温かく大きな拍手でいっぱいに。
最後に、店長・宗一郎さん、ライスボールもステージに登場し、メンバー全員で記念撮影。会場の撮影OKタイムもありました。
「皆さん今日はありがとうございました。これからもよろしくお願いします!」
まっすぐで飾り気のない、しかし心からの喜びが伝わるモモさんの挨拶で、ステージは幕を閉じました。
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歌を心から愛しているモモさん。感動的な素晴らしい歌声、表現でした。
そしてモモさんを支えるサポートメンバーのプレイも愛にあふれていて、本当に素晴らしいライブでした。
サトルさんのバンドアレンジがとっても素敵でした。
三沢に行って良かった!!
また、モモさんのホールコンサートが見られますように。
そして、「MUSIC DINNER」の音源リリースを楽しみに待ちたいと思います。
そしてモモさん、本日で21周年おめでとうございます!
■セットリスト
■MUSIC DINNER特設サイト
■「MUSIC DINNER」終演後インタビュー
「MUSIC DINNER」終演後の、モモさんとサトルさんのインタビューが掲載されています。