2024年1月28日 伊東洋平 Sendai Music Live!! 2023『響け!ハーモニー!』ライブレポート(セットリスト・ネタバレあり)
※この記事は伊東洋平さんのライブのネタばれ、セットリストありのレポートです。
仙台在住のシンガーソングライター・伊東洋平さんの2023年の集大成ライブ
2021年は仙台サンプラザホール、2022年は電力ホールと、1年間の集大成ライブを大きな会場で開催してきた伊東洋平さん。
2023年は年内をちょっとはみ出して、2024年1月28日、仙台のライブハウス「仙台PIT」で開催されました。
座席収容人数は最大536名というライブハウスですが、チケットはSold out。超満員の中での熱いライブとなりました。
タイトルは「Sendai Music Live2023『響け!ハーモニー!』」。
サポートメンバーは、ギター・芳賀義彦さん(ヨティさん)、 キーボード・マエバヨシアキさん、キーボード・はらかなこさん、ヴァイオリン・鹿嶋静さん、パーカッション&コーラス・安部優莉奈さん、ベース・瑞生さん、ドラム・マシータさんの総勢7人。
洋平さんと合わせて8人編成という豪華な布陣で、タイトル通り8人の織り成すハーモニーも見どころのひとつ。
洋平さんの楽曲を本格的なバンドサウンドで、ライブハウスのラウドな音で楽しめたのが、とても良かったです。
PAを担当したのは昨年に引き続き青森の音響スタッフ・長根さん。グルーヴィでありながらとてもクリアな、気持ちの良い最高の音質で堪能できました。
この日、私は後方の席で観覧しましたが、改めて驚き、感動したのは、客層の幅広さ。
洋平さんのコアなファンや音楽好きの方はもちろん、ライブハウスにはめったに足を運ばないんじゃないかと思われる年配のおじさま、おばさま、未就学児~小学生の親子連れ、学生など、文字通り「老若男女」のオーディエンスが、洋平さんの歌に手拍子し、体を揺らし、盛り上げ、「かっこいいー!」とステージに歓声を届けている。
様々な世代のオーディエンスに愛されている洋平さんの姿に、これぞ洋平さんの「人間力」と1年の活動の「集大成」を感じ、グッとくるものがありました。
ここまで多様なオーディエンスを、自分の楽曲で一つにできるミュージシャンは仙台にはほかにいないんじゃないかと、洋平さんのがんばりを感じることができた気がします。
会場全体が大きな愛に包まれていて、とても幸せな空間を届けてくれた『響け!ハーモニー!』。
洋平さん曰く、「伊東洋平 第2章」はここからが第一歩、とのこと(後述の「『坂本サトルひとりの時間』より」に記載)。
新たな目標を持ち、しっかりと地に足をつけ、大切な一歩を踏み出した洋平さんのライブ。素晴らしい時間を一緒に体感することができて、足を運んで本当に良かったと思いました。
ライブレポート
※以下の文章にはセットリスト、ネタバレが含まれます。
洋平マークが記されたブルーの特大フラッグか掲げられたステージ。
8名編成だけあり、ところ狭しと楽器が並ぶステージの様子も圧巻です。
会場が真っ暗に暗転し、いよいよオープニング!
始まりの期待感を煽る、荘厳でクールなサウンドが会場に響き渡り、ブルーの光がステージを淡く照らします。
そして時折刻まれる、鼓動のようなKnockのような3拍のビート。
メンバーはそれぞれの楽器の位置に。それから「♪開けるんだ…開けるんだ…」と「Door」のサビのサンプリングが聴こえてきます。
流れるように洋平さんが「♪想像を超えるような笑顔が待ってるから行こう」と歌いだし、1曲目「Door」がスタート!
プロローグの作曲およびサウンドメイク、演出は、坂本サトルさんが手がけられたとのこと。短い時間でしたがきちんと作り込まれたオープニングになっていて、海外アーティストのライブのようで、とてもかっこよかったです。
8人編成の迫力あるバンドサウンドで、1曲目から熱く盛り上がるオーディエンス。スタンディングで、頭上でハンドクラップ!勢いそのままま「Let set jump」そして「Sunny」と、アップテンポなナンバーが続きます。
4曲目、しっとりとしたピアノのイントロから始まったのは、バラードアレンジの「雪とキミ、芽吹く莟」。’22年にケーブルテレビの東日本大震災特別番組復興応援ソングとして作られたこの曲の歌詞が、バラードにのって、より胸に届くようでした。
続く「リボン」では、マエバさんは鍵盤ハーモニカを演奏、ヴァイオリン静さんはモニタースピーカーに片足をかけ楽しくプレイ。後ほどのMCで、「5曲目にしてもう足をかけて演奏している!」と洋平さんに突っ込まれる静さん。
6曲目「TKDB」はパーカッションゆりなさん、キーボードはらかなこさん、ヴァイオリン静さんと洋平さんの4人のアコースティック編成で。洋平さんがステージを楽しそうに動き回ったり、メンバーそれぞれのソロパートもあり、会場は和やかなムードに。
サポートメンバーが入れ替わり、ギター・ヨティさん、ベース・瑞生さん、ドラム・マシータさん、キーボード・マエバさん、洋平さんの5人で「ミルクキャンディ」。洋平さんがエレキギターを弾いていたのも珍しかった!個人的に大好きな曲で、本格的なバンドサウンドで聴けてとてもうれしかった。どこかノスタルジックで少し悲しい、キュートなラブソング。名曲です。
サポートメンバーが捌け、ステージは洋平さんひとりに。
ここまでスタンディングで盛り上がってきたオーディエンスも着席。
33歳くらいからソロをスタートし、今年でソロ10年を迎える洋平さん。
ソロを始めたばかりのころは不安もあったものの「歩めば歩むほど、確かなものを感じ取れるようになっていった」。
そして「今日、皆さんがここに聞きに来てくれたから僕が歌えている。僕にとって皆さんがヒーロー。そして皆さんも絶対に、誰かにとってのヒーロー」というMCのあとに、ギター弾き語りで「HERO」。1番はつま弾くような優しいギターにのびやかな歌声をのせて、2番は力強く。洋平さんのクセのような、アクセントをつけて手首をスナップさせるギターの弾き方に目が行きました。
歌のあと、観客のキッズたちから「かっこいいー!」の歓声が。
「いまの声で思い出した。4歳くらいのときディズニーランドに行って、竜と戦う勇者に選ばれた(筆者注:昔シンデレラ城でやっていたアトラクション?)。その時自分はギャン泣きだったけど、勇気を出して声を出す、勇気って大事だね!」
そんなMCをしている間に、ステージにはゲストミュージシャン、パーカッション・菊地英樹さんとピアノ・くどうあかりさんが登場。仙台在住のミュージシャンたちと3人で「HOME」。「今日のこの日があるのは、ここにいる2人のたくさんのサポートのおかげです」と、地元でずっと支えてくれているミュージシャンへの感謝を述べました。
続いて、NHK仙台少年少女合唱隊の子どもたちと、サインボーカリストの穀田千賀子さんがスタンバイ。披露されたのは「優しさの色の歌」。伴奏は洋平さんのギターのみで、その分、子どもたちの合唱、穀田さんのサインボーカル、洋平さんのボーカルと三者三様のハーモニーの重なりが際立つ演奏でした。夕日のようなオレンジ色から、ラストは「♪虹色の架け橋を」という歌詞に合わせて虹色の照明になり、会場は大きな拍手に包まれました。
洋平さんの活動の中には、小・中学校に行って、音楽の楽しさや地元で音楽活動を続けることについて子どもたちに伝えることも。昨年、台原中学校の生徒たちと一緒にやった「TSUBASA」の合唱がとてもうれしかったそう。今日は夜の公演ということで、台原中学校の生徒たちはこれないため、引き続きNHK仙台少年少女合唱隊、穀田さんと「TSUBASA」合唱ヴァージョンを披露。洋平さんのリードボーカルに合唱団のハーモニーが重なり、優しくあたたかく響く「TSUBASA」が新鮮でした。
ステージには再びサポートメンバがー登場。
「初めてこの話が舞い込んだ時、どうしたらいいのか?と戸惑いがなかったと言えばウソになる」「このアレンジは本邦初公開。すごくいいですよ」と言って始まったのは…シティ・ポップのような素敵な曲。聞いたことのない新曲?と思ってしばらく聞いていると、「牡蠣(かき)くけコーラ」※のテーマ!(歌のタイトル・表記不明 ※2024/02/11追記 ファンの方に教えていただきました。タイトル「あの夏のコーラ」)。オーディエンスも総立ちでハンドクラップ。とっても素敵なアレンジでした。
ダンサーが登場し、続いても新曲「笑顔を運ぶよ カレーパン!」。黄色い衣装のダンサーたちが明るく踊り、カレーパンのふりつけが楽しいナンバー。
入れ替わり別のダンサーが登場し「イモ天Sunday♪」。洋平さんはギターを置いてハンドマイクでダンスしながら歌います。オーディエンスも一緒に踊り、会場のみんなが楽しそうな幸せな空間。
ステージが暗転。赤いライトがステージを包み、ひずんだノイズ、胸をざわつかせるエレキギターのストロークから始まった「Hereditary」。会場のムードががらりと変わり、オーディエンスは引き込まれるように聞き入ります。そして情熱的でアップテンポなラブソング「アイノウタ」、洋平さんがハンドマイクで熱く歌い上げる「逃ゲテモ負ケテモ」とホットなナンバーが続きます。ステージでは静さんとヨティさんがじゃれあって楽しそう。オーディエンスと「オーオオ オーオオ!」とコール&レスポンスで、会場の一体感は最高潮に。
ロックなナンバーが続いたので「洋平さん怖いことになってる?(と心配になった?)でも大丈夫!」と会場のキッズたちに声をかけ、続けたのは「ブラシカ」。静さんのヴァイオリンの旋律が優しく美しい。サポートメンバー皆さんが幸せそうな笑顔になっていたのが印象的でした。
歌のあと、洋平さんは「会場の皆さんの瞳、手拍子、声、顔。すごく素敵で、最高のハーモニーが作れて幸せだった」とお話し、メンバーもオーディエンスも、会場全体が笑顔になっていたのが想像できます。
「僕はまだまだ半端だけど、これからもこうやって、みんなと一緒に音楽を作っていきたい。改めてそういう思いを強くした」そういって歌いだした「歩み」。
そして本編最後の曲は「Refrain!」。アウトロ「Oh…」のリフレインを、会場全体でハーモニーを響かせます。
メンバーの笑顔、オーディエンスの笑顔と大きな拍手。会場は多幸感に包まれました。
アンコールでは、メンバーと洋平さんは、洋平Tシャツにユニフォームを羽織って登場。演奏の前に、ダンサーや合唱団、ゲストミュージシャンも含めた本日の出演者全員がステージに並び、記念撮影。
その後、洋平さんのレギュラーラジオ番組「伊東洋平ボクラノウタ」(tbc東北放送)のジングル用に、観客と「ボクラノウタ―!」というコールをRec。
改めて洋平さんのMC。
「仙台サンプラザホールでのライブが大きな夢だった。仙台の音楽を次に繋いでいきたいという思いで走ってきた。そしてその夢が実現して、次はどうしよう? 次はもっと大きな会場で…と、大きなところを目指していくのも、何か違うんじゃないかと思った。
悩みながら過ごしていく間に、学校にもたくさん行ったりして、多くの出会いがあった。地元の素晴らしい音楽シーンをつないでいきたい、その音楽シーンがちょっとでもよくなったらそれでいいと思えた。
全国に向けた、世界に向けた音楽もちろんいいけど、この街のミュージックもなかなか良いもんだよって。武道館クラスもいいけど、ローカルクラスもいいよねって。
そう思ってもらえるようにチャレンジした今日の『響けハーモニー』。自分では186万点だと思ってる!」
「音楽だからこそ、小さな場所からでも、世界の悲しみや、身近な悲しみにも思いをはせて、音楽が響いていきますように」そう言って歌われた「One」。
「♪僕の夢がキミの夢に繋がってほしい それが僕の夢と言えるよ」
バンドの音が重なり、幸せのハーモニーを響かせていました。
ダンサーが登場し、オーラスは「TSUBASA」(バンドver.)。照明がオーディエンスも明るく照らし、会場みんなが「TSUBASA」を大合唱。
メンバー全員で手をつなぎ、「ありがとう!」と万歳しながら、大団円で幕を閉じました。
幅広い世代のオーディエンスが、洋平さんの音楽でひとつになった空間。
洋平さんの思いがしっかりとオーディエンスに伝わった、キラキラと明るい光に満ちた時間となりました。
洋平さんの第2章、応援してます!
※「牡蠣(かき)くけコーラ」とは…
宮城県石巻市の道の駅「上品の郷(じょうほんのさと)」で発売したオリジナルコーラ。
9月11日㈰ あいうえおいしい『牡蠣くけコーラ』新発売!! - 道の駅 上品の郷 (joubon.com)
セットリスト
※ライブを見ながらメモしたセットリストのため誤りがあるかもしれません。ご了承ください
2024/01/22放送坂本サトル『ひとりの時間。』より
2024年1月22日に放送された、坂本サトルさんのラジオ番組『ひとりの時間。』(tbc東北放送)で、洋平さんがライブにかける思いをお話していましたので、書き起こしました。
この日の放送の終盤で、洋平さんより「プロローグの相談をしたい!」とオープニングの演出を依頼され、「サトルマジックをふんだんに入れていただきたい。サトルフリークの皆さんもお楽しみに!」とハードルを上げられたサトルさんなのでした。
※読みやすいようにリライトしています。
■写真
■2022年12月 仙台電力ホールでの集大成ライブのレポートです。
■2023年10月に静岡で行われた洋平さんのライブレポート
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