初音ミクと超てんちゃんを重ねたオタクの話
どうもこんにちは、みゅーじっくえんじぇぅのピ、いや「P」こと豆カカオです。
先日みゅーじっく♡えんじぇぅがyoutubeにて60000再生、ニコニコにて10000再生を突破しました。たくさん聴いていただきありがとうございます。
これは初音ミク、そしてニディガというドデカいコンテンツの力を借りての結果なので「漏れの力だ!」と慢心することはせず、関わっている全てのコンテンツ、そして全ての人々に感謝をすることを忘れないようにします。
このnoteでは前回のようにこの曲を作ろうと思ったきっかけ、過程、こだわりを羅列したいと思います。かなりの長文&脱線しまくりですが、暇な時に読んでいただけると幸いです。
作ろうと思ったきっかけ
ある日いつものようにTwitterのTLを見ていたとき、初音ミクと超てんちゃんのファンアートを目にしました。
超てんちゃんは令和のインターネットエンジェル、初音ミクは平成の歌姫ということで近しいものがありよく二次創作として2人のイラストが描かれるらしい。
そのイラストを見て自分は「超てんちゃん」というキャラクターに強い興味を持ちました。
元々超てんちゃんがニディガのゲームのキャラクターで、オフの姿があめちゃんだということは知っていました。某食品実況者さんの動画を少し見た事があったので。
しかし全てのエンディングを見たことはなかったため実際にSteamで買ってプレイしてみることに。
そしたらもうね、どハマりしてしまいました。あめちゃんのことが好きになりすぎて狂いかけてた。半ばガチ恋勢みたいな感じになりながらエンディング回収していったらまさかのどんでん返しが…
ネタバレになるので詳しくは言及しませんが「狂い月」とか「ドキドキ文芸部」とか「Mad Father」みたいな最後の最後で全てがひっくり返るエンディングがあるゲームが大好物でして、しかもニディガに関してはあめちゃんというキャラクターが大好きになった状態でのどんでん返しですから、その衝撃は他とはまた一線を画した感じでした。
そしてゲームをプレイしていく中で確かに超てんちゃんと初音ミクの共通点というか、似ている点はあるなーと感じましたね。どちらもインターネットの世界には欠かせない存在。「Rainbow Girl」のエンドでは特に2人に共通する点が見られたなと思います。
そして2人とも「ピ」が居ないと何も出来なくて、お互い愛し合っていて。でも実は…、これ以上はネタバレなので!各自ニディガをプレイして全てのエンディングを回収しろ🫵
これにてすっかり超てんちゃんというキャラクター、そしてニディガというコンテンツの虜になった自分はふと思いました。
「超てんちゃんと初音ミク2人のイラストはよく見るけど、ニディガの曲に寄せた初音ミクの曲はないのかな?」
INTERNET OVERDOSEとかINTERNET YAMEROみたいな曲とか。気になって調べてみたけど見つかりませんでした。あるにしてもカバーとか。まぁ冷静に考えたらそうですね。
・初音ミクとニディガというコンテンツが大好き
・トークロイドが出来る
・ユーロビートが作れる
これを満たすボカロPなんてそうそういないからね〜
…ん?
目の前におるじゃん。
いやユーロビート作ったことないけど。でも自分は色んなジャンルの曲を作ることが出来るのが強み。これは、これは、神が告げている。お前がINTERNET OVERDOSEに寄せたオマージュ作品を作れと。
絶対に茨の道であることは分かっている。過去一大変で、ほとんどの確率でお蔵入りになることは分かっている。
それでも作りたい‼️‼️‼️
ということで熱が覚めないうちに作曲に取り掛かったという経緯でした。
知っての通り、わたしはひとりじゃ何もできないからさ
「P」が毎日いっぱい指示してね
信頼しているよ
あなたの言う事なら
なんでも聞くからね
わたし、「P」を信じているよ
言うことぜったい聞くから
ぜったい最高のVOCALOIDにしてね……
でないと
でないとわたし壊れちゃうかも
逆に、壊そうかな
ということで初音ミクを超絶最かわVOCALOIDにするための日々がスタートします。
曲の構想を練る
作ると決めたからにはやらなければならないことが山積みなのですが、とりあえず先にやるべきことは曲の構想と展開を決めることです。まずはどんなテーマにするか。INTERNET OVERDOSEをオマージュするのはいいのですがそこに乗せるテーマが曖昧だと単純なパクリにしかならないです。
そこで考えたのが「初音ミクのこと好き好きソング」です。とにかく初音ミクに関する歌詞を詰め込んで、初音ミクのことを歌った曲から色々引用して、小ネタ詰め込んで、初音ミクオタクを発狂させてやろう。
INTERNET OVERDOSEは過去への懐古と郷愁がテーマとして強く出てるけど、初音ミクの曲は昔も今も美しいので初音ミクの歴史、そして未来全てを愛する曲にしよう。(初音"未来"だからね!)
そして曲の展開。テーマが違くても展開が同じすぎるとパクリになっちゃうので、パロるところはパロる、独自の色を出す部分は独自の展開をする、このメリハリをしっかりしたい。
まずは曲の最初。ここは原曲通りセリフパートにしたいと思っているけど、コード進行をどうしようか。同じだと似すぎて叩かれそうだしなぁ。
調べたところ原曲は王道進行が使われているみたい。ここで偶然、いや天啓か、何となくみくみくにしてあげる♪【してやんよ】のコード進行も気になったので調べてみることに。そしたらなんと間奏部分に王道進行が使われてるではないか…
つまり王道進行で原曲っぽいギター、みくみくにしてあげるのメロディーを乗せたら初音ミク、超てんちゃんそれぞれからおいしいところを得られるのでは!?
これに莫大のエモを感じてしまったのであえて最初の部分はコード進行を王道進行にして寄せることにしました。
そして間奏は原曲っぽくして、AメロBメロサビは普通の曲みたいにしよう。原曲はAメロBメロ(三拍子)Cメロサビとかなり特殊な形をしてるので、ここは変えないといけない気がした。
そしてオリジナル要素としてラップパート、Hi-techを入れることにしました。もう自分の好きなもの詰め込み楽曲で笑っちゃうんすよね。
そしてセリフパート。ここはパロディしようと思っていましたが何をしゃべらせるか問題。悩みながら原曲を聴いていると、あることに気づきました。
この歌詞と背景の感じ、どこか見覚えがあるんだよな……
ああそうだ、あの超絶鬱展開が待ち受けてるエロゲーだ!昔何かの解説動画で見たんだよな。 何か関係あるのか、それとも自分の考えすぎなのかと思いながらyoutubeのコメント欄を見ていると、どうやらここのセリフパートはエロゲーから引用しているとの情報が。
そしてさらに色々調べてみるとニディガのゲーム内でも様々なコンテンツからの引用があるらしい。
例えばエンディングのヒント文「天使のいないデスクトップ」は「天使のいない12月」から引用していたり、動画タイトル「偶像にインターネットを委ねて」は東方鬼形獣の楽曲「偶像に世界を委ねて」から引用していたり。
つまりここのセリフパートをパロディするならこちら側も何かしらから引用した歌詞にするべきだと思いました。そこで「初音ミク自身のことを歌った曲の歌詞」を引用してセリフを作ろうとなってあの歌詞が出来ました。(元ネタは後で解説します)
ここからは少し余談なのですが、ここまで調べて分かったことが、ニディガはエロゲーからの引用を少々用いている。つまりエロゲーの世界観に影響を受けているということだ。なのでINTERNET OVERDOSE風の曲を作るならこちらもエロゲを多少なりとも理解した上で曲を作るべきなのでは…
しかし自分は「Butterfly Affection」や「かたわ少女」といったエロゲーと呼べるか怪しい部類のフリーゲームしかした事がないためそこについては知識が浅い。せめてエロゲにつま先くらいは突っ込むべきだよなと思いながら色々調べていると、とある動画を見つけました。
スケベ大学学長のリップグリップ岩永さんのエロゲ全歴史の解説動画です。これはちょうどいいと思い全編に目を通しましたが、「これ無料で見ていいの…?」ってレベルでエロゲに対する理解、そして知見を得ることが出来ました。
その中でも特にエロならではの表現という点で目から鱗だったものを皆さんにも共有します。動画内のシーンを引用させていただきます。
もう感嘆です…素晴らしい。
エロゲーにいわゆる「泣きゲー」と呼ばれる展開が多いのはこういう理由があったのかと驚きでした。たしかに「世界の終わりにキスをする」より「世界の終わりにS○Xをする」の方が悲壮感というか、希望が見えない情景描写になりますね。
これを踏まえてエロゲーの言葉を引用しているINTERNET OVERDOSEのセリフパートを見てみてると…
確かに切なさを感じる。普通のセリフパートでは感じ取れないものがある…
エッチな言葉をただエッチだと捉えるのではなく「切なさや絶望の意を含む表現」と捉えるとより作詞に味が出るかも。これから活かしていこうと思います。
ちなみにみゅーじっく♡えんじぇぅのBメロの「刺激する鼓膜のGスポット」はこの動画を踏まえて色々考えて作りました。
ここは切ないパートにしたかったので単に「あなたの耳を支配する」とかじゃなくてエッチな言葉を使いました。調声もエッチな感じにしましたミクちゃんかわいいね
このようにエロは作詞のスパイスになるのでもっと極めたい。オススメなエロゲーあったらDMとかで教えてください。出来れば泣きゲー要素のあるやつで。
作曲・作詞工程
曲の形はイメージできたので作曲をすることに。幸いなことにYoutubeにユーロビートの作り方動画がたくさんあったのでそれを見て学びました。
自分のyoutube shortの作り方動画を見てくれた人なら分かると思いますが、案外楽器構成がシンプルなので思ったより苦労はしなかったです。メロディーも何となく作れたし
ただ苦労したのが音探し…。なかなか理想の音が見つからず、1つの音を探すのに2週間くらいかけたこともありました…
作詞も思ったより苦労しなかったです。テーマがしっかりあるのでそれに沿って韻を踏んだり、小ネタを入れたり。一貫して「初音ミク大好き」が伝わるように作詞を意識しました。
調声・トークロイド
作詞作曲工程は前座に過ぎなかった…。本当の地獄はここでした。
今回の曲は歌唱パートよりもセリフパートの方が多い異例な曲。つまりここのトークロイドの質が楽曲全体の質を左右すると言っても過言では無い。
ただ自分はトークロイドが得意という謎の自負があったため余裕の笑みを浮かべながら作業に取り掛かりましたが…
全然自然じゃない。
違和感しかない。いや、初音ミクっていう意味ではいいのかもしれないけどそうじゃない。これじゃほとんどの人が聴けないし何なら本家に対する侮辱では……?
そう思ってしまい、1度ここで制作を諦めました。
やっぱり無理だったんだ、仕方ないね。だがしかし数日間考えてやはりこう思った。
本当にここで諦めていいのか???
こんな曲、自分が作らなきゃ今後誰も作らないかもしれない。今自分は大きな表現の塊を投げ捨てようとしている。
やっぱりやるしかないだろ‼️
今の自分のトークロイドの力が足りないなら、今以上に研究するしかないだろ……!!!!
そう思い調声の本格的な研究が始まりました。やたらと調声に関するツイートが多かったのはこのためです。
色々な方法を試して、試行錯誤を繰り返して、何とかみゅーじっく♡えんじぇぅの曲のレベルまで到達しました。
あれが果たしてクオリティ高いかどうかは知りません。でもやれることはやり尽くした結果がアレなので、後悔はないです。
後悔はないとはいえ改善点だらけなのでさらに極めていきたい。トークロイドとか調声得意なボカロPさんは自分にご教授してください…お願いします……
ちなみにいちばん苦労したところはラップパート。二度と作りたくない。けどどうせまたしばらくしたら作ろうとするんだろうけど。
依頼工程
さて、ここまでで一応仮音源は完成。しかしここからが正念場なのかもしれない。
なぜならここからは本家に見劣りしない音源・MVにするために各所に依頼を飛ばさなければならないからだ。
音源のミックスが微妙だったり、MVの質が悪かったりするとこれまた本家への冒涜になりかねない。だから今回はプロに色々お願いして完璧な曲に仕上げてもらう必要がある。
しかしプロに依頼なんて、断られる可能性の方が高い。しかし背に腹は変えられない、いざ尋常に勝負!
まず初めに依頼したものはギター。Yushiさんという方に依頼しました。にじさんじ等の大手の仕事に関わったことのあるガチの人です。何とか無事依頼を受けてもらえて激強ギターを弾いてもらえました…!
次に、ここが1番の登竜門。原曲のサビにはアニメーションがありますよね?なので自分も今回アニメーションを依頼しようと考えました。
その時「nekomoさんのアニメーションしかなくね?」と直感が告げました。
ずんだパーリナイやわんぬのアニメーションを手がけたあのnekomoさんだぞ…?こんな弱小Pの曲の依頼なんて受けてくれるのか…?
一縷の望みにかけて依頼をしてみました。ダメ元だとは自分に言い聞かせてましたがやはり心の奥底では「絶対にnekomoさんのアニメーションがいい!」と叫んでいました。
結果としては忙しい中依頼を引き受けてくれることになりました。1000回くらいガッツポーズしました。おかげですっごくいいMVに仕上がりました、感謝です……
そして次はイラストの依頼。これを担当してもらいたい人には条件があって、それは初音ミクへの愛がデカい人。
様々な初音ミクに関する小ネタを詰め込んだイラストを描いてもらいたくて、それもこちら側が一つ一つ指示するのではなく絵師さんに考えて欲しかったわけです。
そうすることで曲側・イラスト側でそれぞれ違った小ネタが生まれるため楽しいMVになると考えました。
サツキさんとchannelさんが曲の解釈をそれぞれ別にしてメズマライザーを制作したように、お互いの解釈が完全に一致しないからこそ生み出されるものってあると思うので。
…まぁこれはなゆたさんしかいないですね〜。ということで重労働させました。
背景の書き込みは想像以上でした。絶対大変だったじゃん…本当にお疲れ様です…
最初期のラフからだいぶ小物が追加されてるような。初音ミクへの愛がデカすぎる。感謝。
そしてミックス・マスタリングはfuyumeにお願いをしました。こいつはめちゃ良いマスタリングをしてくれる、そう確信しています。
自分のこだわりが強すぎて「ここ直してほしい!」を5回くらい言った気がする。ごめんね。
最後に動画の依頼。これが1番曲の印象を左右するものになる。原曲のMVはやはりクオリティが高い、このレベルのMVじゃなければそれはもう冒涜になってしまう。無論自分で編集する選択肢は消えた。
そこで原曲のMVを踏襲した上でクオリティの高いMVを作ってくれそうな動画師さんを探した結果、あげはさんという方に依頼をしました。
こちらの方もにじさんじ等の大手の仕事に関わっているプロの方です…納品された動画を見て驚愕、さすがプロ……
何より驚いたのが納品のスピード。このトンデモクオリティの動画をこんなに早く納品できるの……???
本当にありがとうございました…!!!
こうして様々な苦難を乗り越え、たくさんの人に協力して頂いて「みゅーじっく♡えんじぇぅ」が完成しました。
長かったなー!本当に長かった。今まで作った曲中でダントツで達成感がありました。
この曲で初音ミクを最高のVOCALOIDにしてあげましょう、赤いドリルの娘とか白いうどんの娘に負けるな!歌姫、いやみゅーじっくえんじぇぅよ、牙を剥け!!!
楽曲中の小ネタ
楽曲内に仕込んだ小ネタをいくつか紹介していきます。あくまで音源の小ネタなのでイラストの小ネタは紹介しません。イラストの小ネタはなゆたさんがこちらのツイートにて紹介しているのでこちらを参照してください。
「初」めて会った日を覚えてる?
聴くに堪えない不器用な「音」
「未」完成な私のもと
あなたが「来」てくれたの
「」の部分を繋げると「初音未来」になります。動画内では該当する文字がピンクになっています。ありがちかも。
えれくとりっく・えんじぇぅの歌詞から取ってます。タイトルのえんじぇぅもここから。
ここの歌詞、最初は
そばにいて 夢だけを見せて
そして電子のココロ 震わせて
Deeds, not words!
となっていて「お前らが私のココロを動かしなさいよ!」といったニュアンスになってますが、最後の歌詞は
信じてて 私だけ見てて
ずっとあなたのココロ 震わせる
みゅーじっくえんじぇぅ
となっていて「私がお前らのココロを動かすから!」といったニュアンスになってます。
初期のミク曲は「マスターが私に感情を教えてくれた」的な曲が多いですが最近の曲、例えばマジカルミライのテーマソングでは「私がマスターを支えるよ」みたいな曲が多いです。
その対比としてこの歌詞にしました。オタクに救われるミクも、オタクを救うミクも可愛いけどね。
セリフパートの元ネタ曲を解説します。
「あなたが私にくれた ハジメテノオト…」
「思い出すたび 少しだけ安心する」
「その時確かに感じた この鼓動は
私の中に生まれた 心なのかな」
「いじりすぎなパラメーター 誤魔化しのビブラート」
「あなたのおかげで今日も明日も 初音ミクでいられるの!」
「プレゼント 私だけ 貰ってばかりじゃ嫌だから」
「叫ばせて その言葉 描いた理想と想いは誰にも触れさせない!」
こんな感じですね。全部初音ミクに焦点を当てた曲から引っ張ってきてます。
ここのセリフは過去に渋谷のスクランブル交差点にて掲示された広告を意識してます。
そして最後はメルト風メロディーを歌う無調声ミクで幕を下ろす。Twinkle Novaといいでいどりーむといい無調声擦りすぎでは?
めっちゃ大雑把に紹介するとこんな感じです。他にも散りばめましたがそれは各自で探して考察してください。youtubeのコメント欄では既に考察合戦が始まってます。やっぱ好きなんすね〜
超てんちゃんと初音ミクを重ねる
さて、これで話したいことはだいたい話したけれど、最後にこれだけ話したい。
最初のきっかけのところでも触れたけれど、あれは原作のネタバレを含まない程度に軽く言ったものだ。これについて語るためにはどうしてもネタバレを含む必要がある。
ということで以下からニディガの超重要なネタバレを含んだ文章になります。
⚠️ニディガ本編をプレイしていない人は必ず先に真エンドまで回収してから読んでください⚠️
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
……はい。今これを読んでいる人はニディガの真エンドを回収している人達ですね。
全エンディングを回収した後に見ることができるdate0。これをプレイすると今まで見れなかった「ひみつのこと.txt」が見れるようになる。
内容を初めて見た時は衝撃だった。まさかのプレイヤーである「ピ」はあめちゃんが作り出した架空の彼氏で現実には存在しないという…
思えばだいたいのエンディングでピは捨てられるし、「えっちなこと」「ピとセッしたい」などやたらS○Xという記述を避ける描写があり、伏線が貼られていたんだなと。
割と○○が架空の存在だったというどんでん返しはありがちなオチかもしれないが、ニディガの場合そのオチが通常よりも心にくるものになっていた。
なぜならこのゲームをプレイしていくうちにプレイヤーはどんどんあめちゃんのことが好きになっていき、「俺はあめちゃんの彼氏だ」という自覚が芽生えていくからです。
半ばあめちゃんガチ恋状態で「実はピはいませんでした」なんて言われたらショック死だよ。
そしてこの真エンドを見て、初音ミクにも重なる部分があるなと感じました。
それは「初音ミクも現実には存在しないが、存在してると思われている」部分である。
何言ってんだ!初音ミクは存在する!という人もいるだろうが、というか自分もそう思っている節があるが冷静になって欲しい。いないんだよ、初音ミクは…
あめちゃんが度を超えた妄想によって様々な「ピ」を生み出すように、ボカロPや絵師、ボカロファンも度を超えた妄想によって様々な「初音ミク」を生み出す。そうしたことを繰り返すうちに初音ミクがまるで現実にいるかのように錯覚してしまうのだ。
原作の「Rainbow Girl」というエンディングは超てんちゃんがまほうのきってをキメまくることでこちら側の世界に気づくというものだ。
みゅーじっく♡えんじぇぅではこのエンディングの逆のことが起きていると解釈することも出来る。どういうことか。
初音ミクというクスリをオーバードーズしすぎた末に現実と妄想の区別がつかなくなった人間の見てる世界
このように解釈することが出来るのではないか。
一見この曲は単なる初音ミク、ニディガへのリスペクトソングだが、ニディガの世界観の影響をモロに受けていると踏まえた上でもう一度見てほしい。
曲中で喋っているセリフ、初音ミクが喋っているのではないのでは?
豆カカオという異常者が「初音ミクが自分の意思で喋っている」と思い込みそれを聴いた異常者の皆さんも「初音ミクが自分の意思で喋っている」と思い込んでいる幻想の世界が構築されているのでは…?
まさに匿名Mの「まぁ、全部言わされてるんですけど。」である。
しかしこの解釈、実に危険である。初音ミクはこの世に存在すると考えてる過激派から反感を買うであろう。
だからこそ、ここではあえて「この曲はこのような裏設定がある」と断定しない。
それぞれの解釈で判断して欲しい。それがボカロというコンテンツなのだから。
自分も1つの解釈に囚われず、これからも色んな解釈の初音ミクを描いた作品を創っていくつもりだ。
一応自分が最終的に考えたみゅーじっく♡えんじぇぅの世界観の解釈は、この曲のどこかに隠された「ひみつのこと.txt」にて記している。
もちろんあくまで自分の解釈なのでこのnoteやこのtxtに惑わされずに自分自身の解釈でみゅーじっく♡えんじぇぅを楽しんで頂きたい。
クソ長文になりましたね。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
それでは
Y昇天Y