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クソシェアハウス奮闘記其の七「夢幻」


お疲れ様です。豆鉄砲の佐藤です。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
今日はコモダさんが僕に夢みたいな体験をさせてくれた話をさせていただきます。


【登場人物】

ポテトカレッジ コモダドラゴン
🐉お笑いjackpotの王と言われてたりもする
センチネル トミサット
🐙1日でここまで髪が伸びてしまうので毎日剃らないといけない
豆鉄砲 佐藤
🐴サラダ好きなのを恥ずかしいことだと思っている





🏚️🐉🐙🐴




コモダさんは家の真ん中のリビングをテリトリーとしているので、家の中では基本的になにをするにもコモダさんの部屋を経由することになります。

ある日の夜、僕は映画を観ようと決めていました。
その日はファンタジーかSFの気分。
現実逃避をしたかったのか、はたまた。


ですが時に現実は、あまりにも無常なほど、僕に過酷で残酷な光景を僕に見せつけてきます。


映画の前にトイレに行こうと部屋の扉を開けて僕の目に飛び込んできたのは、あまりにも認めたくない現実でした。



事実は小説よりも、映画よりも、奇なり。

一体これはなんだ。

ここまで寝るのが下手な人を、僕は初めて見ました。
なにが違うのか自分でもわかりませんが、寝相がすごいとかじゃなく"寝るのが下手だ"と思いました。

姿勢自体は綺麗で、どうやってこう移動したのかがよくわかりません。
なんなら初めからこの位置で寝始めたってほうが自然にも見えます。
この体勢のまま滑るようにスライドしたのだろうか。
見れば見るほど妙です。

子クジラが打ち上げられてきちゃったのかな?
と、最初は思いました。

まぁここは家ですから、そりゃそんなわけないです。わかっています。
でもあまりにも打ち上げクジラすぎて僕は、
(いやいや、ここは海じゃないだろう)
など、絶対にいらないはずの思考を経由しないとこの現実を認識するのが難しかったです。

通路を塞ぐように打ち上げられている子クジラをまたぎ、僕はトイレに向かいました。

冷静になっています考えれば、床で痛くないのかなとか、冷たくないのかなとか、普通はそういうことをまず考えそうですが、この時はなぜかそんなことは頭に浮かんできませんでした。
ただただ困惑して、子クジラが脳裏を泳いでいき、それを追い払ってを繰り返していました。

そんなことを考えながら用を足し、部屋に戻ろうとしたとき、僕はまた自分の目を疑うことになりました。



なぜなのか。

「嘘だろ?」
思わずストレートすぎるこの言葉が口をついて出てしまいました。

これは、本当になんなんだ。

この一瞬で?音なんてしてないぞ?サイレントでここまでの変化を?いろいろ言いたいことがありすぎました。

いやさすがにこれは、実は起きていて、笑わせようとしているのかな?いやそうであってほしいという願いも込めて、「コモダさん?」と呼んでみましたが、しっかり熟睡していました。
僕は眉をひそめました。


この顔です。
なぜこんなにも安らかなのか。

波際打ち上げ子クジラが、数秒満たずに、胸部撃ち抜かれ刑事に変わりました。

殉職した刑事以外でこの顔できる人がいるとは。おそらく部下を守るために犠牲になったベテラン刑事。
もう、教えることはない、俺がいなくてもお前は大丈夫。
そう言い切れるほど信頼する相棒の部下のために差し出した命。
部下との別れを悲しみながらも、期待と信頼を込めて未練なく逝く。そのときの安らかさです。
逆にそこまでの積み重ねがないとあり得ないくらい柔和な顔を、コモダさんは床上のパンイチ睡眠一本で成し得ている。末恐ろしい男、いや龍です。

「銃弾の音は聞こえなかったはず」などとまたいらない思考を使ってそんな空想を否定し、無駄な時間と思考を使ったことに自己嫌悪しながら部屋に戻りました。

濃い味のものを食べてあとあっさりした物を食べると味がしないように、そのあと観た映画は、僕になにも感じさせてくれませんでした。




🏚️🐉🐙🐴




今思えば、夢みたいに変な体験ができてよかったと、そう思います。そう思ったら負けなんですけどね。

今回はこちらで締めさせていただきます!
ご精読ありがとうございました!!


#クソシェアハウス


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