さいごにのこるもの
整理収納アドバイザーとして活動しています。もちろんお仕事の内容はお客様のお家のお片付けのお手伝いです。
断捨離ブームや、なんや…あの…ときめきブームなんかもありましたが、私は現実現場主義。お客様宅に訪問してゴリゴリと片付けたり、時には大型の家具も動かしちゃうパワータイプのアドバイザーです。
とはいえ、もちろん捨てたり減らしたりするだけが整理収納ではなくて。
お宅の間取りはもちろん、家族構成やお客様のライフスタイル、性格、などなどもろもろを加味して使いやすくカスタマイズしつつ整理を進めていきます。全く捨てるモノが出ないお宅もありますし、山のように処分しまくるお宅など、作業内容はそれぞれ様々です。
ですが、どの依頼者さんにも共通することがひとつありまして。
それが「捨てられないモノを持ってる」ということです。
たくさん捨てる人も全く捨てない人も、必ず「捨てられないモノ」は持っていて、それが思い出の品だったり、コレクションだったり、貰い物だったり…と人それぞれなのですが、それが今使っているモノよりもその人自身を表している気がして、現場作業に行くたびに私はすごく愛おしい気持ちになります。
なんというか、余分なモノをそぎ落としていって最後に残る核のもののような。一見生活には必要ないもののように思われるけれど、それ自身がその人の心の一部でよりどころとなっているなら、それは紛れもなく必要なモノだし。あと、なんとなくモノを通してその人の人となりが伺い知ることができて、ほっこりするんですよね。
お客さまのなかには「こんなもの取っておくなんてだめですよね」とおっしゃる方もいるのですが、そんなこと全くなくて。
私はむしろ、その捨てられないという気持ちを大事にしてください!とこたえています。
無駄のない人生なんて味気なくてつまんないでしょ。
無駄とか余白にこそ可能性があると思うし。
前にも書きましたが、私のスタンスは「否定しない」整理収納。
お客様がこうしたいというならそれをかなえるべく創意工夫をするのが私の仕事だと思ってやっています。
なので時には今まで学んだ整理収納理論から外れた提案や作業もやっちゃいます。まぁこういうとこは整理収納アドバイザーとしては褒められたことじゃないし、そんなだから協会の講師資格試験落ちたんだよーと言われるだろうけど。でも私が呼ばれて行く意味は、理論に沿った誰かの家の様な整理ではなく、お客様の暮らしにあった整理をして、お客様の暮らしを整えることにあると思っています。
あとは。
捨てられないモノと言えども、その時々で変化するんで。
人の見た目や気持ちが変わるのと同じで、モノに対する気持ちもその時々によって変化します。捨てられなくても、それはずっとかもしれないしずっとじゃないかもしれない。その時その時の判断を大事にしていけば、それでいいと思っています。
モノを大事にすることは、自分自身を大事にすることにもつながってるから。お客様ができない部分は私が補えるように。そんなアドバイザーでありたいと思っています。