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心の距離

※夏に書いたブログ記事の再掲載です


新型コロナウィルスの感染拡大が止まりません。
ここまで広がるともう、ウイルスの回収は自然では不可能なので
私たちがどうにかウイルスと折り合いをつけて暮らしていくかしかないと、
私は思っています。

私ができることといえば、こまめなうがいと手洗いマスクの着用、
それから3密を避けてソーシャルディスタンスを守ること
ぐらいですけれど。
それがすべての基本で一番大事だとも思います。

そういえば。
ソーシャルディスタンスという聞きなれなかった言葉も
もうすっかり定着してきましたが
先日ちょっと考えさせられることがありました。

私がいつものように自転車をこいで買い物に出かけた時のこと。
道端に、おばあさんが座っておられまして。
そのおばあさんが私に向かって、チョイチョイと手招きしてきたのです。

その一瞬で私、色々考えましたね。

何の用事だろう?
もしかして体調が悪いとか?
何か困ってるのかも?
しまった、私チャリ漕いでてマスクつけてない!
マスクカバンの中だ!
ってか、おばあさんもマスクつけてない!
ここはつけるのが常識?
でもなんか目の前でマスクつけるのって感じ悪くない?
バイキン扱いしてるって思われたりしない?
でも知り合いでもない私に声かけるなんてよほどのことにちがいない!
とりあえずちょっと距離とって話聞いてから…

と、少し離れて「どうしました?」と声を掛けました。
ここまでおそらく2,3秒の出来事です。

話を聞くと、どうやらおばあさん、
疲れて道端に座ったのはいいものの、座った場所(石段)が低くて
自力で立ち上がれなくなってしまい、手助けしてほしいと。

「ちょっとだけ手ぇかしてくれへん?」と、すっと手を差し出されました。

私ここでまた考えましたね。

え!私マスクしてない!
このまま手を取って大丈夫なん?
マスクするのでちょっと待ってくださいって言うべき?
でも、話の感じからおそらく、多少の認知症入ってるっぽいから
おばあさんのペースに合わせた方が良さそうな感じだなぁ…と

そしてもう、目の前に手が出されてる状態では
さすがにマスクするのでちょっと待ってくださいねとは言えず…
私、「そうなんですねー」と息吸い気味で会話して、
おばあさんが立ち上がるのを手助けしました。
話を伺うに、おばあさんの家はすぐ近所で、もう家に入ることだったので
私はその場を離れました。

それでもマスクするべきだったとか、軽率だったとか
私の対応について、皆さんなりにいろいろと思うところもあると思いますが
正直、私もどうしたらいいのかわからなかったです。

だって。

今までこんなことなかったですもん。
ちょっと人に手を貸すだけなのに、こんなにも迷うし疲れるなんて。
こんな風に色々と考えてしまう自分にも嫌気がさしたし
こんな風に考えなければいけなくなってしまった現況のウイルスに対しても
本当に、憎くて仕方ないし、モヤモヤしました。

そして、ソーシャルディスタンス、社会的距離といいつつ
心の距離も離れてしまっていることに気が付きました。

距離を保つことと、無関心は違う。

感染拡大予防のために距離ととることは大事だけれど
それはお互いを思いやるためであって、
バイキン扱いするためでも、ましてや非難するためでもない
心だけは常に寄り添うことを忘れてはいけないと思いました。

ほんまに、大変な世の中になったものです…。


いまだ出口は見えませんが
見えないからこそ、日々を大事にしたいですね。


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