感情に訴えてくる音楽が聴きたい
Indie Folk、Indie Pop にカテゴライズされているアーティストの、感情の起伏がストレートに歌詞やメロディへ投影されている音楽を聴きたくなるときがあります。
たとえば、
Rachael Jenkins レイチェル・ジェンキンス
アメリカ、ユタ州在住のシンガーソングライター。
現在の位置に立つまでに紆余曲折があり、なかでも幼少期から自らを縛りつけていた信仰との決別という出来事が、彼女の音楽に色濃く影響している印象を受けました。
そんななか、静かなピアノのイントロではじまる2021年にリリースされた「I Don't Know」。
アコースティックな音の風景に自伝的な歌詞がかさなるやさしい楽曲です。
このような歌詞の思考は、さまざまなしがらみから自らを解放するための助走のように思えます。
Eliza McLamb イライザ・マクラム
アメリカ、ロサンゼルス在住のシンガーソングライター。
友人と社会学・心理学的視点からポップ カルチャーを掘り下げるポッドキャスト『Binchtopia』を運営していて、ポッドキャスターとしての一面も持ち合わせる彼女。
そんななか、昨年リリースされたアルバム『Going Through It』の収録曲「Anything You Want」。
ドリームポップを思わせる甘美な雰囲気のイントロからはじまり淡々と楽曲が進むにつれ、スクリームや不穏な終わり方をするところが混沌としていて聴きごたえあります。
歌詞の一節からは、わたしはあなたの望むような思い通りの女性にはなりません、という決意のようなものを感じます。
Margot Liotta マーゴット・リオッタ
アメリカ、ボストン在住の正直で洞察力に富んだ歌詞を好むシンガーソングライター。
2023年5月にSpotifyで「Planet Song」を発表すると人気を集め、TikTokなどのSNSで注目され高い評価を受けたものの、自分には評価されるに値しないと自己を過小評価してしまうインポスター症候群に苛まれるという苦境もありました。
そんな彼女が2024年2月にリリースした「In My Bones」。
アコースティックギターの弾き語りを中心としたシンプルなアレンジで構成されていて、ジャケットアートワークの夜の風景ように澄み切った空気感が漂っています。
歌詞の一節からは、傷つけないように生きたいけれど、成長するにつれ、嘘をつくことや真実を言うことであなたを傷つけるだろうしわたしも傷つくでしょうという、ジレンマというかモヤモヤが伝わってきます。