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机上の空論は地上の愚鈍と相通ずるのか~森ノ黒百舌鳥怪奇収集録~

狙撃眼鏡の向こうでまたひとつ標的が倒れる。銃という道具は個人的に使用を避けている。長い銃身はボクの強さの象徴である機動力を削ぎ、静かに潜みながら狙いを定める過程は羽根のような身軽さを活かしてくれない。あくまでも地に足を着けた獣の道具で、空中を自在に舞う鳥の武器ではない。要するに好みでないのだが、かといって扱えない訳ではない。師匠でもある先代の朱雀から宙を舞う軽業師の天敵となるのは銃と弓だと口酸っぱく教えられ、天敵を正しく理解するために撃ち方から整備、果ては銃種による癖まで一通り以上に叩きこまれた。
「あと三体」
次なる標的に狙いを定めて引き金を引く。狙撃眼鏡の向こうで人間のような姿をした人影の頭部が吹き飛ぶ。この空虚な手応えもまた、あまり好みでない理由のひとつだ。


話は少し遡る。
いつものように自分の店、森ノ黒百舌鳥で暇を持て余していると、骨董品店には似合わない若い、若いというよりはまだ幼さが残ると表現するべきかもしれない年頃の少年少女たちが訪ねてきたのだ。こんな治安の悪い路地を子供だけで歩くんじゃない、と思わないでもないが、現実には更に幼い子供が物乞いをしていたりもするので注意するだけ無駄だ。強盗に襲撃されるならボクの見えないところでしてくれ、と言いそうになりながら店の前に出てみると、一体この店の何処に喜ぶ要素を見出したのか少年少女たちは目を輝かせながら待ち構え、先頭に立っていた坊主頭の少年、おそらく十五歳程度が口火を切った。
「あの、俺たち杯海第三学校の生徒なんですけど、今度文化祭で研究発表をするんです」
この廃界こと杯海漁港は昼日中から当たり前に殺人が起きるような治安の終わっている場所だが、住民の八割が勝手に住み着いた流民と戸籍登録のない黒子とはいえ五十万人を抱える都市でもある。人が集まれば需要も発生するのか託児所もあれば保育所もあり、せめて時代を担う子供には正しい教育を受けさせようと学校も建てられている。勿論ある程度の蓄えがある家庭でもなければ通うことはできないが、それでも毎年入学する生徒がいて、それなりの割合が卒業しているので、廃界も存外景気が良いのかもしれない。
「それでですね、僕たち犯罪抑止力研究会の発表内容を是非見て戴きたくて」
坊主頭の隣の真ん中分けの少年、おそらく十三歳程度が続く。どうやらこいつらは犯罪抑止力研究会という部活というか研究会というか同好会というか、その類の集団に属しているらしい。
「これ、文化祭の案内です」
さらにその隣の後ろ髪を三つ編みにした少女、多分十五歳程度が手書きの絵の入った可愛らしいんだか頭が悪いんだか微妙な線にある案内状を渡してきた。日時は今日の昼頃からで、格安の屋台が並び、教師による公開講座や無料の体験教室も行われるらしい。学校はここに限らず、普段は生徒の安全と違法薬物などの流入を防ぐの為に高く分厚い塀に囲まれ、入り口も常に分厚い門扉で閉ざされ、外部から完全に隔絶されている。生徒たちも大部分が寮に入り、週末の休校日を除いて学外に出ることは少なく、学校によっては卒業まで一歩も外に出さない徹底ぶりを貫いている。
だからか一部の保護者からは妙な宗教に入らされているとか洗脳されているとか、合法的な人身売買と変わらないとか、色々と苦情が湧いているようで、その秘密組織めいた見当違いな疑惑を払拭するために文化祭や体育祭といった公開の場を設けている。
「それで、なんでボクが行かなきゃならんのだ?」
「だって私たちは犯罪抑止力研究会ですから、犯罪者が出入りしそうな怪しいお店の人に見せないと意味が無いと言いますか」
斜め後ろの前髪を横一文字に揃えた少女、多分この中では最も年長が答える。道理ではある、犯罪抑止力研究会ということは犯罪に対して抑止するような、例えば監視の目を増やす地域ぐるみの防犯活動や護身術的なものを研究しているだろうから、それを黒社会の連中がどう判断するのか見てみたいと思うのも当然だ。所詮子供の発想なのでお遊び程度の内容だと思うが、しっかり見届けてやるのも大人の責務だ。
「わかった、後で見に行ってやろう」
「ありがとうございます! ぎゃふんと言わせてみせます!」
間違っても案内状についていた屋台三品無料券に釣られたわけではない。断じて食い物に魅かれた訳では無い、ということは強く言っておきたい。

杯海第三学校は廃界中心部の、コトリ様と呼ばれる謎の巨大鳥像が佇む公園から徒歩十五分ほどの住宅街の中にある。三階建てくらいの高さの塀に囲まれ、入り口には警備局から派遣された守衛が立ち、全員ではないが抜き打ち的に手荷物検査が行われている。ボクみたいな者からしたら面倒だなと思うが、真っ当に生活してる堅気の連中には安心感を与えているようで、校内は意外と賑わっているし客層も老若男女様々だ。
普段の赤い道士服ではなく年相応のお出掛け用の服装で来たからか、特に手荷物検査なども無く門を潜り、早速屋台を物色する。なんせ無料で食べれるのは三品までだ、考え無しに葱油餅と小籠包と焼き鳥なんて安易な選択はしない。選択に選択を重ねて、選りすぐりの三品を探すべきだ。
「葱油餅と小籠包と焼き鳥をくれ」
だが、無料だからこそ定番を食べる、そういう発想もある。定番は安易と同義ではない、選択に選択を重ねて厳選していった結果が定番となるのだ。
「骨董品屋さん、来てくれたんですね!」
「ボクも暇では無いが大人だからな」
回転する円盤に一定間隔に人間をぶら提げた謎の実験器具を眺めながら小籠包を齧っていると、案内状を持ってきた集団の中に居た前髪横一文字の少女に呼びかけられた。どうやら妙なのが出入りしそうな店は片っ端から声を掛けたのか、昼間は暇で仕方ない種類の悪い奴らを集めましたといった具合の強面の集団が、各々豚串だの焼き鳥だのを握り締めている。もしかしてボクもこいつらと同じように見られているのだろうか、だとしたら少し心外だ。熱帯魚の背びれみたいな色と形の髪型で、両手の豚串と牛串を同時に食べようとしている男を眺めて、流石にこれと同類視はしてないよなと不安が過ぎる。
「皆さん、こっちです」
ボクの不安はさておき、少女に案内されたのは防犯用品体験会場と書かれた看板が立ち、外から見えないように天幕で覆われている。学生のやることだから危険なものは無いだろうと入り口の垂れ幕を捲り上げると、幕の下辺と結びついた糸が引っ張られ、その先に構えられた歯車だの滑車だの水桶だのが連動して複雑な動きを繰り返し、離れた場所に設置された大型の弩砲から熊でも狩れそうな大きさの矢が発射される。咄嗟に横に跳んで矢を避けると、運悪く真後ろに立っていた鶏みたいな髪型の男の胴体を矢が掠め、結構な量の肉片を削り取っていった。
「これは春先に作った防犯用品で、開閉扉式侵入者排除壱號、名付けて情け容赦無用君です!」
防犯って何だろうと早くも防犯の意味を見失いそうになったが、少女は先程の起動に一定の満足感を得たのか、興奮した様子で饒舌に捲し立てる。
「これは天井に吊り下げる防犯用品、設置式侵入者撃退機工参號、名付けて木端微塵君です!」
立体の木枠に吊り下げられたのは先端を金属で加工した巨大な攻城鎚で、先程と同様に滑車と縄を用いて勢いをつけ、計算では象でも倒せる一撃を逃げ場のない廊下で放つのだそうだ。事実、運悪く正面に立っていた坊主頭の刺青男が背中を突かれ、天幕の屋根を突き破って校舎の壁面に衝突したの威力を目にすると、象でも倒せるのは嘘ではないと思われる。
他にも地中に埋めて踏んだ瞬間に火薬が爆発して大量の釘や鉛玉を撒き上がらせる地雷や、天井に偽装した棘だらけの鉄板を落下させる罠、通り魔対策の手持ち式の火炎放射器、暴漢の首と両手足を拘束しながら同時に頭蓋と一緒に全身を締め上げて破壊する器具、その他どれも負けず劣らず殺傷力を限りなく上乗せした防犯用具という名目の殺戮機械を紹介している。
抑止力って何だろうと言葉の意味を完全に見失っていると、少女は大袈裟な仕草で嘆きながら、これらはあくまで防犯用品なので犯罪そのものを防ぐ力は無いのだと力説する。嘆きたいのは先程から大怪我を繰り返す招待された者たちだと思うが、流石に凶悪な機械に怖気づいてしまって誰もが口を閉じている。余計なことを喋ると死を意味すると察しているのだ。
「ということはだ、犯罪そのものを抑止するような発明をしたと考えていいんだろうな」
別に見たいわけではないし、正直もう今すぐにでも帰りたいが、穏便にこの場を切り抜けるために少女が喜びそうな問いを投げ掛けてみる。もちろんボクも黒社会の人間で暗殺組織で鍛えられた身だ、殺傷力のある道具に対する興味も尽きない。
「そうなんです! 私たちは完成させました、完全なる抑止力を持った防犯用品を! ですが、その前に! 犯罪はなぜ起きると思いますか!?」
「そりゃあ治安が悪いからだろ?」
「あと働くよりも金盗んだ方が手っ取り早いからだなあ」
「いや、賄賂が横行して犯罪を取り締まれてないからだろ。俺らとしてはありがてえけど」
一応生真面目に、というより多分余計なことを言って防犯用品という名の殺傷兵器を嗾けられないように、それなりに名の通った悪党共が慎重かつ的確に言葉を選びながら答えている。
「甘い! それはすでに私たちが半年前に通過したところです!」
前髪一文字の背後で、後ろ髪三つ編みが大きめの立て看板に半年前と書き殴る。
「何故か!? 抑止力が足りないからです!」
後ろ髪三つ編みが抑止力と記し、その上に花丸を書き加える。
「まず私たちは法律が弱い点に着目しました! 法律そのものの厳しさは問題ないのですが、法で縛れない程の武力や権力を持った者に対して命を捨ててでも捕まえろ、どんな報復があろうとも意地でも処刑台に乗せろ、という法の執行側を取り締まる法が無いのです!」
坊主頭と真ん中分けが処刑台を模した工作物を組み立てながら、途中で手順が解らなくなったのか金槌で叩き壊す。
「その法の脆弱性を突いて、この町では天道だとか禁門だとかフェイレンだとか、人類の敵みたいな生かしておけない悪党共が今日も我が物顔で跋扈しているのです! 幸いにも皆さんの中には奴らの関係者は居ないと思いますが……」
幸いにも犯罪抑止力研究会の目は、とんでもなく節穴のようだ。フェイレンの龍頭であるボクがこの場に居るし、それと天道の構成員と思しき奴も何人か混じってる。ボクらはお互いに視線で合図を送り、絶対に互いの素性は教えないように牽制し合う。悪は時に庇い合えるから悪なのだ。
「そういった前提の下、私達が導き出した結論は警備局や司法局に変わり、私達が抑止力と成ろうというものです」
「学生が?」
「この町の、いいえ、この国の、否、この大陸の未来を担う学生だからです!」
更に少女たちは饒舌に語る。抑止力というのは突き詰めると先回りなのだ、即ち犯罪が起きるよりも前に、先に犯罪を起こしそうな人間を見つけて排除することが最大の抑止力となる。それは無実の相手でも攻撃出来る危険な名目に成り得るが、廃界の犯罪率の高さを考えると些細な誤射や誤爆には目を瞑るべきだと少女は続けた。とはいえ闇雲に相手を傷つけると犯罪者と同じ、可能な限り犯罪者発見の為の精度は高めるべきだとも。
「ですが人間の目は曇っています! 汚職に塗れた警備局や司法局の豚共を見ればそれは明らか! であるならば人間以外の目で判断して貰えばいいのです! 人間の悪意を敏感に察知し、自動的に排除してくれる最大最強の抑止力、それが自動犯罪撲滅装置、平和君壱號です!」

【平和君壱號】
杯海第三学校犯罪抑止力研究会が組み立てた人型の人形。
用務員の協力の下、学校で不要になった学習机や椅子、壊れた踏み台や掃除用具で組み立てた人型といえなくもない体に、両手足には園芸部から拝借した螺旋状の鉄の杭を取り付け、頭部は長方形の木箱で代用している。木箱の中には純粋無垢で目の曇っていない年齢の子供の墓を掘り返し、牛や豚の血液と共に閉じ込め、七日七晩掛けて呪物へと変質させた。
犯罪抑止力研究会の計算によると人形は拘束を解いた途端に自動的で動き始め、人間の思考を読み取って悪意や邪心があれば容赦なく攻撃し、純心で穢れのない者に対しては愛想良く手を振ったりするのだという。
完成品の壱號以外にも試作品が六体存在する。

「平和君の頭脳は純粋無垢な子供たちそのもの、正しく悪を判断してくれるはずです! 何故なら大人たちは悪を悪と判っていても見逃すじゃないですか! こいつは悪党だけど賄賂を払ってるから見逃そうとか、あいつは報復が怖いから見逃そうとか、あと偉い奴の親戚だからとか! しかし平和君はそんな腐った大人たちとは違います! 純粋善として悪の気配を察知して断罪してくれるのです!」
前髪一文字が掃除道具を収納する箱に閉じ込められた平和君を見せつけながら、何重にも巻き付けている鎖を外し、平和君と試作品たちを妨げる障害を物理的に取り払った。その瞬間、平和君たちは悪の気配を察知したのか前髪一文字の顔面を手の杭で殴打し、さらに犯罪抑止力研究会の面々を次々と杭で横殴りにして、ひとしきり暴行を加え終わるとこちらに頭部の木箱に描かれた幼児の落書きみたいな目と口を向けてくる。まるで凶暴な笑顔を見せるかのように。
そして次の瞬間、飛蝗のように跳躍したかと思うと天幕の屋根を突き破り、悪を求めてなのか単純に暴走しているだけなのか、とにかく学外へと解き放たれたのだ。


そして話は現在に戻る。
あんなもの放置しておけないと判断したボクや悪党共は急いで自分たちの縄張りに戻り、各々それなりの武器を用意して人形狩りへと繰り出したのだ。ボクたちは悪党同士、普段は牽制し合う間柄だが無差別に暴れ回る危険物が居るとならば結託して力も合わせる。悪は時に手を組むから悪なのだ。
まず初めに天道の若い衆が大鎚を振るって対抗しようとしたが、頭部の木箱が強力な呪物と化しているせいか、近づいただけで全身に奇妙な湿疹が拡がり、目や鼻や耳から血を垂れ流し、口から消化しきれていない胃の内容物を滝のように吐き出し、そのまま地面に突っ伏して痙攣しだしたのだ。それを見たボクも含めて全員の判断は、接近戦は危ないというものだった。対騎馬用の長柄の槍を持ち出したり、手斧を放り投げてみたり、色々あれこれと試してみた結果、おおよそ成人男性を真っ直ぐ縦に繋げて四人分程の距離が呪いの範囲だと判明し、そうなるともう弓か弩か銃を用意するしかないと銃砲店に飛び込んで、狙撃用の銃とありったけの弾を準備したのだ。ボクが用意したの狙撃用の銃と貫通力に優れた弾丸で、当たれば頭部の木箱を一撃で粉砕する威力を有した逸品だ。過剰な攻撃力かもしれないが、平和君は頭部を貫いたぐらいでは止まりそうもない、明確に過剰な一撃で黙らせるのが一番安全だ。まさに大は小を兼ねるというものだ。
平和君は動きが機敏な上、人間では考えられない異常な可動域を活かした予測困難な攻撃を繰り出すのだが、材質が所詮学校の不用品だからか、それとも所詮学生の工作の域を出ない出来だからか、何度か飛び跳ねている内に関節が折れたり杭が外れたりして重心が狂い、仕舞いには箱を起点に不細工に鈍重な動きを繰り返す奇妙な物体へと化す。そのため殺傷力自体は問題にもならず、近くに居た際に勝手に壊れて漏れ出すかもしれない呪いの方が脅威となった。そのため仕留めた地点を素早く町中に情報共有し、祈祷師や退魔術師の手で呪いを無力化するまで区画ごと封鎖することになったわけだ。無関係な住民からしたら迷惑な話だが、そもそもボクらも無関係のただの悪党だ。暴走した正義は悪よりずっと厄介というが、本当にその通りだと思う。
「よし、仕留めた。残り一体」
狙撃眼鏡の向こうで箱に残骸が絡みついた物体が弾け、真っ黒な液体を撒き散らしながら沈黙した。
ボクは最後の一体を仕留めるために重たい銃を抱えて屋根の上を走り、眼下で彷徨う平和君を見つけて即座に狙いを定める。その瞬間、平和君とボクの間に顔を包帯で覆った謎の集団が割り込んできたのだ。
「待ってください! 平和君は悪くないんです!」
「そうです! 平和君には改良の余地があります!」
「ここで見逃すことが平和への第一歩になるんです!」
「あなたはまだ遅くない! 悪の道から引き返せます!」
別に謎では無かった。顔の怪我を包帯で覆ったせいで誰か判らなかっただけで、よくよく見れば犯罪抑止力研究会の面々だった。顔中に巻いた包帯の上から前髪横一文字、後ろ髪三つ編み、真ん中分け、後のひとりはきっと坊主頭だろう。
「一応聞いてやるけど、改良って具体的にどうするんだ?」
「まず簡単に壊れないように骨格を強化します。それと今までの戦闘で銃の有用性は私たちの想像以上だったので、両腕に杭ではなく銃火器を取り付けます。それと下半身を車輪付きの大砲にして、それを運ぶ為の随伴用の平和君もとい平穏君を用意します。平和君の敗因は七体という数を活かせず、各々が連携せずに戦った点にありますので、役割を細分化することでより近代的な軍事行動を、あぁっ! なんてことを!」
説明の途中だったが最後まで聞くまでも無いので、平和君の頭部を撃ち抜いた。
「なにが改良だ、余計にたちが悪くなるだけだろうが! そもそもお前ら、抑止だかなんだか知らんが墓荒らして箱詰めしてる時点で正義は無いぞ!」
「ですから! 次からは墓を掘り返さなくても済むように、余命幾許もない老人を使おうと……こぱぁっ!」
最後のは呪いが拡散して血と吐瀉物を吐き出した音だ。自業自得というか墓穴を掘ったというか、自ら仕掛けた罠に丁寧に引っ掛かったというか、学生というのは何がしたいのかよく解らない。勉強も大事だろうが、もっと他に学んでおくべきことがあるような気もするが、碌に学校にも通っていないボクが言えることは無い。せいぜい道を踏み外さないように、すでに人道という道からは全身飛び出して今現在も高速で遠ざかっているが、とにかく頑張ってくれ。

ちなみに平和君騒動、負傷者や病人は続出したものの奇跡的に死者は出ず、件の犯罪抑止力研究会の面々は退学処分の上、死体損壊等罪で懲役刑に処されてしまったが、今度は刑務所内で看守を黙らせる方法を研究しているそうだ。


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