【BL】「さよならのモーメント」⚠️ネタバレ感想⚠️
Twitterの試し読みに惹かれて購入。
濡れ場のあるBLはもちろん大好物だけれども、キスのみのBLもいいなと思えた話。
片想いであった幼馴染みが、交通事故をし、その想いを告げられずに日々を過ごしていた春哉の元に、見知らぬ高校生がその幼馴染みしか呼ばれたことがなかった「ハル」を呼びをしてくることから、この物語は始まっていく。
若干オカルトも混じえながらも、高校生の司を通し、亮輔との交流をしつつも、司も春哉に惹かれつつも、春哉と亮輔も、少しずつ一歩踏み込んでいく描写がとても上手い。
司は霊感があるから、亮輔が視えて、逆に春哉は視えないけれども、司に憑けば難なく話せるという、不思議さもあるけど、オカルト好きなので、その部分も面白く思えた。
司の時と、亮輔の時と目の描き方が違うのも好き。
司の家庭と友人関係が複雑であるから、春哉の優しさに触れて、惹かれるのも自然なことで。亮輔のことに若干妬いているなと思ったのが、亮輔のフリをして、「ハル」と呼んだ時の春哉の嬉しそうな表情。
そのことで、二人は両想いだったことに気づき、さらに自分が入る余地がないと、春哉のいる前では亮輔に代わってもらおうとするけれども、春哉からすると、司と亮輔が仲良くしているように思えている、というのが、ん〜〜!! 亮輔も春哉のことを恋愛的な好きだと知らないからな〜〜!! とじれったく思えた部分。
「司と話したい」と春哉に言われた時、勢いで「好き」と言いかけるの、ムフフとしてしまいましたね。
自殺未遂するきっかけとなった、元友人とのいがみ合いはどうなるかと思ってた。
最初に会った時の頬の跡は、この友人に殴られた跡だったのかと分かったのと同時に、春哉と亮輔のおかげで、強くなれた司が見れて、良かったねぇとどこか親の気分(笑)春哉と亮輔と同い歳なので、つい⋯(笑)
春哉が車に轢かれかけた時がきっかけで、亮輔は自分のことを忘れさせようと、嫌われることをし始める。
二人のあの時の会話を聞いてからの行動であると読者側は知っているので、その行動は、本当良い奴と思えてしまうものだった。
そして、今までの言動から、春哉の誕生日がエイプリルフールであるから、反対の言葉を言うこと、時計の針を少しぐらいなら動かせることをに気づいた二人は、急いで亮輔の元へ。
消えかける亮輔に、言えなかった想いをぶつけ、司に促されて、唇を重ねて終わりを告げた場面はうるうるしてもうた。
その後の、司もようやく想いを告げることが出来て良かったね、と思う。
春哉ももう、ひとりじゃないって思える。
時が過ぎ、墓参りしている場面でおっ?と思ったのが、司の髪型。
まるで、亮輔のようだった。あんなにもうざったく思っていた人のことを、交流していくにつれて、尊敬とも忘れないようにというような感じなのかな。そういうの、いいよね。髪色も同じというのも物語っている。
この方の作品いいな! そういえば、今年の初め辺りに出していた作品も気になっていたものだったね。機会があればそちらも読ませていただきます。