「事故物件怪談 恐い間取り 3」⚠ネタバレ感想⚠️
待ちに待った、3巻目!!!
ここまで続くとは思いませんでした!
松原タニシ氏が去年、恐らくお亡くなりになると告げられていましたしね……。
今回も、ゾゾっとしながらも、考えさせられる物件の数々が載ってました。
その中でも、一読者の私が気になったものをピックアップしていきます。
『事故物件十四軒目内見メモ』
本の最後辺りに、「兄弟間トラブルで、兄が弟を殺害し、兄が自害した物件」だということが分かるが、最初のこのメモというのは、その血痕が生々しく付いたままの、暗い影が落とすこの家の中で、タニシ氏が思ったことを淡々と綴っていたメモ。
メモであるから、箇条書きなのだけど、一瞬そうであることを忘れてしまったためか、怖く感じられた。
淡々とここであったことを綴られていく、非日常に考えられない恐怖を覚えているせいだからかもしれない。
「痕跡はただの痕跡」
『心の間取り』
3巻目にして、家ではないものの話が出てきた。
けれど、かなり興味深い話なので、印象が強かった。
多重人格やら、よくマンガとかの技法で出てくる天使と悪魔が囁いているような、不思議な話だった。
赤、青、黒、透明……の器の前にスポットライトがあり、その器の一つがそれに照らされると、その器の性格が表面化され、自身が自身ではないような状態になるという。
頭の中で、色んな人に話しかけられるという感覚で、けれど、上手くいかない時もあるらしい。そう、人生は上手くいかないってことを改めて思い知らされる。
不思議な話。
『祖母の家』
そこにかつて住んでいた家族が皆声を揃えて、「怖い」というので、タニシ氏が一泊する話。
この話の終わりに、「怖いのは、家族がつながっている証拠じゃないだろうか。怖いから忘れられない」との話に納得。
たしかに、この家であった出来事を話す家族に、仲が悪い様子はなく、むしろ楽しい話ばかりをしていたし、お爺さんの悪戯な面からして、死してもなお、そういったことをしているのではないかと。
恨みを持って、終焉の地であった部屋でも未だに残留思念のような、恐ろしく、その部屋にいた時、ノイローゼとなったらしい、うちの祖父の家とは全く違うなと思った。
4章霊感と事故物件はどれもこれも興味深かった。
『逃げた座敷童子』の虐待されていたからなのか、小さな頃から霊感があった話は、精神的に苦痛から霊感があった点で、私もしばらく、頻繁ではないが、視界の隅に黒い人影のようなものが視えていた時期があった。そういう時が視えた近いうちに、縁のある人らが不幸になるというのもあり、視えるのが恐ろしく感じた。
今思えば、卒業し、バイトであった仕事場を継続する選択は間違っていなかったのか、同時に教習所に通い、その先で腹立たしいことを言われたことがあったから、不安とストレスがあったからなのか、遺伝も要因だったのか。考えを巡らせる。
引っ越した矢先で小さな女の子を見た母が、塩を撒いてから災いが起きた点から、生霊とも思える存在を生み出し、追い払ってしまったから悪いことが起きてしまったのではというタニシ氏の観点も合わせて、興味深い。
ぼんやりと読んでいたものだから、突如としての「虐待」の内容に信じられないものを見たというものだった。全くもっての動機が分からない。
『幽霊ガチャ』
まさかのソシャゲのレア度で紹介される幽霊達。この話は笑ってしまった。
にしても、色んな幽霊達が出てくるな。
読んでいる限り、怖そうだなと思うような幽霊はいないけど、「弁当を盗み食いした人」は至極迷惑。成仏してどうぞ。
また読み返したい本が増えて嬉しい!
続刊されることを期待をして、読み返します。