SSA開催10周年で原点回帰したももいろクリスマス2021(初日)
12月7日と8日の2日間、少し早めのももいろクリスマスが開催されました。
場所はさいたまスーパーアリーナ(以下SSA)。
ももクリは2010年から開催している、ももクロの1年を締めくくる大箱ライブです。初開催、2010年の会場は旧・日本青年館。ももクロにとって初めてのホールコンサートで、ペンライトの光で埋まった客席を見たメンバーは初っ端から大号泣しながら「走れ!」を熱唱したのでした。
翌年春、早見あかりさんが脱退しグループはZを襲名。夏にはよみうりランドオープンシアターEAST(極楽門)公演を成功させ、2回目のももクリはSSAまで一足飛びに駆け上がります。6000人を動員した極楽門から一気に2万人キャパのSSAへ。とてつもなく大きい会場を使いこなすだけでも一苦労で、機材トラブルからリハーサルなしの一発勝負でオープニング演出に臨むという逸話は語り草のひとつです。
そのオープニングはPRIDEオマージュのBGMと特効、レニーハートさんの煽りナレーションで、これからアイドルのライブが始まるとは到底思えないド派手な盛り上がりを見せました。当時のももクロとモノノフの勢いがそのまま凝縮されたようなライブは、粗削りにしてとんでもない熱量に、後追いながら心を鷲掴みにされたものです。
翌2012年もSSAで開催。遂に悲願のNHK紅白歌合戦に出場を果たし、みんなで紅白に送り出すという趣旨に。
2013年は極寒の西武ドーム。立ち見席も追加販売して38000人が見守る中、国立競技場でのライブが発表されました。
2014年は2年ぶりにSSAへ。初のスタジアムモードで最大収容人数をフル稼働したものの、国立と日産スタジアムを経てチケットは大激戦で、自分は1日分のチケットを確保するのがやっとでした。
2015年、舞台は西武ドームを超える極寒の地、軽井沢スノーパークへ。真冬のスキー場でライブを行うという発想がよく分かりません。ユーミンも真冬の苗場でコンサートしてますけどしっかり屋内のホールですから。
2016年は幕張メッセで。極寒にはさすがに懲りたのか、真冬のサンサンサマータイムというコンセプトで暑いクリスマスを演出。わざわざ暖房を回して半袖短パンで観れるという触れ込み。これもいま思えば謎すぎる。
2017年から再度SSAへ戻り、2019年まで3年続けてSSAでの開催となります。
昨年は社会情勢を鑑み開催を見送り。そして今年、2年ぶりにももクリが帰ってきました。
この2年近くの間、タイミングと収容人数の兼ね合いで開催出来たり出来なかったりするイベントの明暗が分かれていますが、ももクロも例外ではなく、ここまで企画してきた大規模コンサートがことごとく延期/中止の憂き目にあっており、次回こその思いは日に日に高まるばかりでした。
今回も「年末には感染者数が増加に転じるのでは」という懸念が早くからありましたが、幸い11月頃からの鎮静化局面が継続し、絶妙のタイミングで開催できることになりました。
12月7日火曜日。
百田夏菜子さんのソロコン以来2か月ぶりのSSAへ。こんな短いスパンでSSAへ行くのは初めてです。
外観から4色のライトアップで盛り上げていました。これは嬉しい。
ホールへ入って最初に目に飛び込んできたのは、見覚えのあるシンプルなステージ。やはりあのSSA初年度、2011年を彷彿とさせる舞台でした。
座席は「グループディスタンス」を採用。連番の座席は隣接するも、グループ間は1席空けるスタイルです。
500LVは封鎖、400LVも最上段の3段ぐらいは空席。
センターステージの真ん中にPOP UPとおぼしき四角い区切りが。あの方があそこから。
開演時刻の19時オンタイム、客入れ曲のSomeday at Christmasからの暗転で早くも気分は最高潮に。Someday at Christmasはももクリ2012でOPビデオのBGMに使われていた印象深い曲です。但しBD/DVDのパッケージ商品には権利の関係で入っていないので、確認できるのは海賊版のYouTube等しかなさそう。
OPビデオは最新のももクロメンバーが、どことなく懐かしい雰囲気を出している不思議な構成でした。撮影場所・・?
そして暗転し、ずっと聴きたかったイントロが流れます。ずっとずっと待ってた、PRIDEのテーマ曲。特効の爆音が鳴り響き、ケイグラントさんとレニーハートさんの煽りから4人の登場です。2011を現代に再構築した、最高にかっこよくて、可愛いくて、美しい4人がそこにいました。
PRIDEからCONTRADICTIONへ。2011そのものです。次いでマホロバケーション。コントラからマホロバとか考えた人天才じゃない?もう最高すぎでは。
DNA狂詩曲、真冬のサンサンサマータイムでセンターステージに移動し最初のMC。やっとみんなに会えた、という心からの安堵が堪らなく響きます。
たまさんがエクステ?して今回メンバーで一番髪が長いとのこと。たしかにこんな展開見たことない。あとあーりんは少し切った?前からあんな長さだったかしら。
話の切っ掛けがよく分からなかったんですが、夏菜子ちゃんの鼻の穴を見せるとか見せないとかの話に。鼻の穴を見せるとギャラが発生するそうです。
センターステージでデモンストレーション、BIONIC CHERRYでエンドへ。
みんなの近くに行きたいので、とのフリから走れ!と全力少女が最初の移動曲。走れ!を盛り上げるキモにしないセトリは最近多いけど、移動曲はどうなんだろうと少し引っかかるものが。全力少女も振付をちゃんと見たかったです。『Z』の誓いで最初のパート終了。
お着替えタイムはビデオでいろんな告知です。ももいろ歌合戦、1月開催の13周年ライブ(延期分)と続き、待ってました、春の一大事の日程発表です。2022年4月23日と24日。場所はそのままJヴィレッジです。嬉しかったのはタイトルが「ももクロ春の一大事2020」だったこと。2020年に行えなかった春一がちゃんと繋がっていることが何よりでした。
この日から始まった新しいコンテンツ「スタコミュ」の告知でビデオは終わり。この後もお楽しみください、という前フリから、サンタさんのイントロに繋がります。
サンタさんといえば高城れにさんのマジックショー。今年はシャボン玉芸から。いつも曲が中断する場所で止まりません。えっ?今年はもしかして、やらないということ・・?
そのまま流れていき、最後にたまさんを特大のシャボン玉に入れるという芸で終了。れにちゃんいわく「家でももクリのDVD観てて、マジックコーナーはライブ中にやることではないと気づいた」とのことです。なので今年からはかくし芸的なパフォーマンスに挑戦し「納得のいく尺でやる」そうです。
サンタさんで使ったヘッドセットを外すためた行の2人が下がり、先に外して出てきたあやかなこがひそひそ話を始めます。
あ「うすうす気がついてたんだけど、あれってしおりんのいいとこ・・・」
か「だめっ。あーりん、それは言っちゃだめ。」
文字にするとちっとも面白くないけど、この2人の間合いがほんとに絶妙だったのです。ふざけて言い合っているというより、完全にコントの間合い。
ハイレベルな茶番が終わって聴かせるコーナー、月色Chainonから白い風へ。白い風を聞くとクリスマスだ!と思うとのこと。わかります。
ここで新曲!桃太郎電鉄とのコラボ企画のお話からの、BUTTOBI!。うーん、これはやっぱりヒャダインしか書けない曲だわ。そしてメンバーが楽しそうなのが何より。
続いて上司とスージーでお馴染みHOLIDAY、今日はがんばらなくていいSweet Wandererと新しめの曲が続きます。この2曲って今のももクロちゃんにちょうどハマる気がしました。
そして大トリを任せても全く異論はない、なんならももクリ終身名誉大トリ曲を襲名していただいても差し支えない、今宵、ライブの下で。とは言っても実際、今宵ちゃんが大トリを務めたももクリってそんなにないはず。
今宵ちゃんの余韻冷めやらないところでの、灰とダイヤモンドです。過去一番の灰ダイが今年も更新されました。
曲順のおさらいで夏菜子ちゃんが今宵を飛ばすなどの小ネタもありつつ、あーりんがBUTTOBI!でキングボンビーを「ピンクボンビー」と言ってしまったことを白状。語呂が合ってるからまあ仕方ないけど、なんかドンピシャにハマってるから何とも。
たまさんがラインストーンでメンバー全員分のイヤモニをデコレーションしてあげた、というほのぼのエピソード。後にAE動画でメンバーに贈呈したときの動画が更新されましたが、本当に仲が良いことを垣間見れました。メンバーのイニシャルをモチーフにしたデザインもカッコよく、さすがのセンスの良さです。
本編終盤、再びトロッコ。The Diamond FourからChai Maxx。どちらも振付をがっつり魅せてほしい曲なので、移動曲にしてしまうのは少し残念。
本編のラストはThe Show。前回の風船の演出が鮮烈に記憶に残っているのですが、今回のスタンダードな振付ももちろん凄く良いのです。本編終了21:11。
拍手のみのアンコールから暗転してoverture。声は出せないけどSSAの客席から眺めるペンライトの海はやっぱり凄い。
アンコール1曲め、あの曲か!?よっしゃやっぱり来た!!猛烈宇宙交響曲第七楽章「無限の愛」。自席からはセンターステージの動きは逐一確認できるのでチラ見していると、やはりPOP UPの穴が。そして完奏、せり上がってきたのはマーティ・フリードマンさん。
10年前の完全再現。めちゃくちゃカッコいい。たぶんやるんだろうと思ってたけど、本当にその期待にお応えしてくれるんだから。
前回は猛烈からの怪盗だったけど今日まだ怪盗やってないんですが。。ギターでのコールアンドレスポンス、めっちゃ痺れる。さあ何が来る?何となく笑顔百景か?と思ってました。来たのは全く予想外の黒い週末。これもまたギターが超絶カッコいいじゃん。
マーティとの共演は実に10年ぶり、あれからここまで演ってないということが本当に意外だったけど、あれからずっとももクロちゃんを応援してくれていたことは知っています。マーティ、本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
れにちゃんがどうしても言いたいことがあるとのこと。「アンコールを止めるリハーサル」というのをやっていて、せわしなくアンコールをしている客席に「みなさん!もっと落ち着いてアンコールしてください!そんなに慌ててアンコールすると出てくる準備してる演者も慌ててしまいます!(意訳)」と言うのだとか。
すかさずたまさんが「アンコールに注文つける人はいないよ!」と痛烈なツッコミ。このやりとり、切れ味抜群で気持ちよかったなあ。
試しにゆっくりアンコールをやってみましょう、ということでゆっくり拍手する練習。瞬時に揃えて決めるモノノフの瞬発力はブランクを全く感じさせない。そしてこのくだりは2日目の伏線に。
れに「アンコールは絶対ください!準備してます!」
そ、それはいろんな概念やら建前やらをぶっ壊す、斬新なお言葉ですね。。
いよいよ本当に最後の曲。ちょっと待って、まだやってないももクリ曲が沢山あるんだけど。ないちっちも一粒もきみゆきも僕センも空カーもやってない。うわあどうする。
大トリは空のカーテンでした。
ここでもまた過去一番を軽々と更新。れにちゃんの最初のパート、少しだけ声が途切れたのは機材の不調かしら。やはりこの曲が生まれたSSAでこの曲を演るのは格別で、毎回どんどん凄くなっていくのをこれからもずっと見続けていきたい。歌詞の内容的に、この曲を10年間歌い続ける未来が最初は正直想像できなかったけど、メンバー全員が20代半ばを過ぎても色褪せず、逆に輝きを増しているのは一体どういうことだろう。表現力に磨きをかけることで、絶対的な歳を超えて楽曲を普遍的にしているのかもしれない。本当にすごいことです。
全て歌い終えて。挨拶は印象に残ったところだけ抜粋。
れに:2年間、みんなそれぞれ大変なことがあったと思うけど、こうして会いに来てくれて、ライブができて、本当に幸せです。10年前はとにかく緊張していたけど、あの時とは比べものにならないくらいたくさんのことを感じることができるようになりました。
大変な時期は続くけど、当たり前と思わず、幸せを噛み締めていきたいです。最高のクリスマスプレゼントになりました。
あーりん:不安な日々はまだまだあるけど、こうやって集まれるのが一番楽しいです。クリスマスって何するんだっけ?来年もまたくるじゃん?って思うようになったのは歳とったからかな?
私達と一緒に過ごすクリスマス、クリスマスといえばももクリ、と言われていたいです。平日で雨まで降らせちゃってごめんね。
詩織:ついに開催することができましたね、ももクリ。私達のライブって毎年3回大きいライブをしてきて、ももクロのライブで四季を感じてきました。でもこの1-2年間は四季を感じられませんでした。
ももクリが出来て、私達の季節が動き出しました。
10年前は10年後に同じステージに立たせてもらえるとは思っていませんでした。皆さんが立たせてくれています。またライブで一緒に季節を感じていきたいです。
夏菜子:いろいろなことがあった2年間、いつもモノノフさんが一緒にいてパワーをくれていました。仲間がいっぱいいて心強かったです。
モノノフさんとなら出来る、という勝手な信頼感を持っています。
みんな大変な中でも、みんなと一緒なら光がさしていると思います。この先どうなるか分からないけど、みんなで楽しいことを探していけたらと思います。
この2年を経て、こうして元気で会えて嬉しいです。またこうやって会えるよう、気をつけて過ごしていきましょう。
久しぶりにれにちゃんのライブ終わりたくないやだやだ、が発動。これも大箱に帰ってきた証。
みんなでZで締めて、メンバーは最初に登場した時のPOP UPで退場。
EDビデオのBGMはアメージンググレイス。無性に泣けた。
終演時間22:00。
終わってみればがっつり3時間。
あー大箱に帰ってきた!という充実感と、帰ってこれてありがとうという感謝と、まだ帰ってこれない人、もう帰ってこれない人への思い。
いろんな気持ちを携えて、それでも前に進んでいけることの幸せは何者にも代え難いのです。
メンバーがモノノフに寄せてくれている絶大な信頼感を改めて声にして伝えられると、身の引き締まる思いです。メンバーの気持ちにしっかり応えられるよう精進していかなければ。
ひとまず、こうしてまた会えたことに、会える時間が持てたことに、ありがとう。
今回のグッズのマフラータオルがポケット付きで、ペンライト突っ込んで点灯すると味わいある感じになります。洗濯すると毛羽立つから注意が必要ですけど。