あいのりきっぷで浪江へ行こう(2021/12/11 LINE CUBE SHIBUYA)
12月11日、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で浪江女子発組合の単独公演が開催されました。
公演タイトルは「2021年JA浪江 組合総会 あいのりきっぷ」。
この文字列だけ見ると、アイドルの公演とはちょっと思えない感じです。JAの総会的な何かにしか見えないですね。
東京での総会を経て、みんなで浪江へあいのりして行きましょう、という意図とのことです。
JA浪江としては初の本格的なホール開催です。昨年10月のTACHIKAWA STAGE GARDENはコロナの合間を縫っての試運転的な開催。今年9月の明治座は都民限定だったため、やっと限定枠なしで開催できることになります。
今回は事前の告知で新曲と新衣装の披露を公言していました。来年2月23日に発売が決定したJA浪江のファーストアルバム「花咲む(はなえむ)」に収録予定の楽曲は目下絶賛レコーディング中とのことで、その中からの新曲初披露です。
こちらでも紹介した通り、JA浪江の楽曲はいずれも浪江町にちなんだエピソードを盛り込んだ歌詞になっているので、新曲もおそらくその路線を踏襲すると思われます。
お馴染みピンク色の衣装をなんと2年間使い続けてきたため、遂に新衣装の投入と相成りました。
楽曲だけでなく衣装にも相当のこだわりを持って製作している佐々木彩夏PPPのこと、出来栄えに期待が高まるばかりです。
それにしても11月からのPPPのスケジュールは尋常ではなく、AYAKARNIVAL、もリフ、ももクリと大きなライブを立て続けに回しながらこの公演です。さらに驚くべきことに、LINE CUBEの前日には朝の生ワイド番組にゲスト出演していました。
一体どうやったらこれだけの現場を並行して回せるのか。体力的にちょっと心配になるレベルです。
今更ながらLINEのネーミングライツ効果はてきめん。やっぱり名前って大切だなあと。
じつは渋谷公会堂時代からこのホールには縁がなくて、初めて中に入ったのでした。客席の動線がとても機能的なところなど、さすが最新の設計で建てたハコは違います。
ペンライト、ストラップ、ブレスレット、お皿とお箸、タンブラーはメンバープロデュースの商品です。
新商品は1会計1点の制限でしたが、すんなり回せたのでほしい分を全部購入できました。PayPayで決済したら「ももいろクローバーZ」と出ました。なるほど。
グッズの隣で道の駅なみえの出張販売が行われていました。大堀相馬焼のお皿セットや「うまくて生姜ねぇ」に心動かされながら眺めていると、町役場の大柿さんが店頭に。そう言えば大柿さんとお話しするのはこれが初めてでしたが、画面で拝見しているのと同じフランクな方でした。
道の駅で酒蔵を構える鈴木酒造店謹製の甘酒。
JA浪江オリジナルラベルが嬉しいです。お正月にいただきます。
会場で予約購入すると特典で貰える明治座のランチェキは、ゆづ、播磨、全員でした。
16:00開場。
ステージはシンプルながら、かなり大きめのビジョンが陣取ります。
客入れのBGMは各グループの楽曲をシャッフルでした。ももクロからは笑一笑、サンタさん、Holidayなど。アメフラからはSENSITIVE、DROP DROP、DISCO-TRAINなど。明治座では各グループの曲を本編で披露する構成でしたが、今回は客入れでアピールする感じですね。
座席はももクリと同様グループディスタンスです。ざっと2,000人キャパの7割ぐらいは埋まったように見えました。
\あーりん今日もかわいいよ!/の声はここでも鳴り響きます。あーりんの現場であのペンライトはもはや必須アイテムかと。
17:00、オンタイムで暗転してovertureが流れ、まずはいつもの衣装でメンバー登場。なみえのわのピアノイントロが鳴り響きます。
なみえのわ、あるけあるけの2曲を披露して一旦退場。ビデオが始まります。
季節はクリスマスということで、
「あなたはどんな夢を見ていますか」
「彼女たちはどんな夢を見ていたのでしょう」
「あの頃どんな夢を見ていましたか?」
というメッセージが流れます。このメッセージが後々に重要な伏線になります。
クリスマスメドレーのコーナー。まずは高井千帆さんと鈴木萌花さんで「きよしこの夜」、続いて市川優月さんと小島はなさん、内藤るなさんと佐々木彩夏PPPで「ジングルベル」。最後、播磨かなさんと愛来さんの曲目は失念。。ど定番ながらガチのアイドルさんがクリスマスコスをキメると破壊力抜群です。これはなかなかすごい。
ここからソロコーナー。メンバーが自分の歌いたい曲をセレクトして歌うという趣旨です。
最初は愛来さんのWhite Light(安室奈美恵さん)。物心つくかつかないかの頃、お母さんがこの曲にハマってて家の中でずっと聴かされててすっかり覚えたという思い出の曲だそうです。失礼ながらこの曲は知らなかったのですが、完全に愛来ワールドにしていたのは本当に凄かった。
続いてるんぱんのぼくはくま(宇多田ヒカルさん)。幼稚園の頃初めて人前で歌った曲とのこと。クマのコスプレがハマっててあざとくてかわいい。るんぱん、ほんとにずるい。
次はもえちんのギター弾き語りでHappiness(Aiさん)。ギター1本でこのステージに立つ度胸のよさにはびっくりしました。もはやソロアーティストの風格すら漂い始めていますね。
プレゼントの箱が載せられた台車が登場し、PPPが箱を開けると中からチロちゃんに扮したるんぱんが登場。クマの次は犬。るんぱんの小動物感ほんとにヤバいです。PPPによると「るんぱんを箱の中から出すという演出だけやりたかった。なのでそこが終わったらあとはどうでも良いかなと。あ、チロちゃんはクリスマスに貰ったぬいぐるみだから、箱の中からチロちゃんが出てくるってのは合ってるね」とのこと。
PPPとるんぱんのユニット(名前がよく分からない)でほれ、あいべ。せっかくかわいい曲なのになかなか演らないので覚えられないのです。アルバムには入れてくださいお願いします。
PPPがそのまま残って、ヘッドセットでLOVE涙色(松浦亜弥さん)。るんぱんとのデュオの時ヘッドセットをつけながらハンドマイクで歌ってたので何故?と思ったらちゃんと理由がありました。子供の頃サンタさんから(敢えて「サンタさんから」と言うのがPPPらしい)おもちゃのカラオケセットをもらって、この曲を歌いまくってたということです。カラオケのマイクがヘッドセットだったので、今回はそれを再現したとのこと。
トナカイコス?の播磨が頭にPPPのイチゴの飾りをつけて登場。PPPともえちんをバックにHappy Sweet Birthdayの替え歌。敬愛する佐々木彩夏さんの曲を本人の前で歌いたいという夢を叶えられました!と清々しく語っていましたが、本人をバックダンサーにさせて、更にそれに付き合わされたもえちんの立場は?というオチ。なかなか周到なコントです。
次はゆづがちぃちゃん、はなちゃん、播磨を従えてのベリメリ・クリスマス(3Bjr)。メンバーが持っていた長いスティック型ペンライトは、長すぎるので3Bの現場以外で使えない特殊なペンライトだそうです。言われてから初めて、あっそう言えば3Bでめっちゃ長いペンライト出してたっけと思い出したのですが、これ持ってる人!?と聞くとまあまあ手が挙がっていました。ずっと追いかけてる方々には堪らない演出だったのではないでしょうか。
ゆづは「3Bの頃、この曲は5秒しかマイクを触れなかった。こんなに気持ちよく歌ってるのかということがやっと分かった」と笑いながらさらっと言ってましたが、さらっと言えるぐらい歳と経験を重ねてきたんだねと、当時を知らないながらほろっとくるものがありました。
次はちぃちゃんが1人で登場。アドレナリンが一気に出ることでお馴染みのイントロ、労働讃歌です。1人で労働とは凄いチャレンジ!と思ってたら途中からPPPが加わります。殆どちぃちゃんが1人で歌い、PPPはサビだけ参加。
歌唱中全く思い出せなかったんですが、これは2014桃神祭でちぃちゃんがPPPと共演した時の完全再現だったのでした。途中サングラスを掛け合う演出も当時の完全コピー。なんということでしょう、こうやって過去を回収していくスタイルですか。
このコーナーのトリははなちゃん。鋼の意思です。JA浪江の旗をしつらえて、PPPを除く全メンバーとともに圧巻のパフォーマンスでした。はなちゃんと鋼の親和性がこんなに高いとは思ってませんでした。ももクロさん最近やらないから、はなちゃんの持ち歌にさせて貰ってもいいんじゃない?
鋼の1番終わりで座ってる組合員へ「みんな立って!」と煽るはなちゃん。アメフラでは見慣れたはなちゃんの煽り光景ですが、JA浪江でやるのはなかなか度胸が試されます。はなちゃんの堂々たる煽りに改めて感心しました。
鋼の意思は国立競技場で3Bjrのメンバーが初めてももクロさんと共演した時の思い出の曲でした。これも言われるまで全く思い出せなくて本当に申し訳ない。
しかし「ももクロと初めて共演したのは国立競技場」というとてつもない語感の強さ。JA浪江メンバーは全員国立競技場の舞台に立ってるというのも凄いことです。
個人パートはベリメリ→労働讃歌→鋼の意思、と遡ってルーツを辿るというなかなかの演出でした。みんな、あの頃があって今ここにいる。冒頭のビデオで問いかけていた「あの頃の夢」の答え。過去は全部繋がっているという大切なことをちゃんと伝えてくれました。
ここまでですでに全体の半分ぐらい終わってるのですが、やっとごあいさつ。
鋼で使った旗はそのままステージ奥に飾られたまま。「これは新曲のフラグです、旗だけに」
と煙に巻いてメンバーは一旦退場。JA浪江のこれまでをふり返るビデオで一旦繋ぎます。
ここでお待ちかねの新衣装!!
なみえのわの歌詞、「空と海の青さ」に通じる青ベースで、メンバー別のグラデーションがリボンの差し色で取り入れられています。リボンには名前が刺繍されているのもJA浪江らしさですね。
最初に衣装を作る時にも青系の衣装は候補に上がったそうですが、コスモスのピンク色をイメージカラーとして作成し、今回はいよいよ青色での新衣装となったそう。
「みんな水色は着慣れてるじゃん?」とPPP。そうだ、水色といえば3B。だから違和感ないんだと改めて気づきます。こういう細かいところをちゃんと拾って伝えていくのが佐々木彩夏さんならではです。
新曲、それぞれのハタ。相馬野馬追をモチーフにした、JA浪江史上最も速い曲(だと思います)。はなちゃんが要所をカッコよく締めています。
鋼の旗の伏線はここできれいに回収。
「走れ!」というフレーズがサビで多用されているので、おっJA浪江も走れソングか!?とタイトル発表前にちょっとだけ思いました。
新曲はもう一曲あります、と聞いて沸く組合員。なんと自己紹介ソングとのこと。
「ももクロも3Bも自己紹介ソングあるけど、ももクロのはオラついた曲で、3Bはめっちゃ長くて7分?なので。どういう自己紹介ソングにしたらいいか色々考えて、いい曲ができたと思います」と紹介して、桜梅桃李夢物語(おうばいとうりゆめものがたり)。桜梅桃李は「みんなそれぞれの個性を磨いていこう」という意味だそうで、PPPの言う通りJA浪江らしい自己紹介ソングです。
ミライイロの花、またキミと。と続き、いよいよ本編も終わりに。あと演ってないのは、、
PPPが最後の曲に込めた想いを語ります。この活動を通じて、この曲のような気持ちになれれば、と。
「あの日途切れてしまったレールの向こう側/置いてきた思い出に会いに行こう」
それは震災で途切れてしまった浪江への鉄路であり、この2年間で途切れてしまった様々なつながりでもあります。またみんなで会いに行こう、という強い決意を感じました。
つながる、ウンメイで本編ラスト。
ちぃちゃんのソロがこの曲の大半を支えているのですが、安定感が日に日に増していてとても嬉しいです。
もう全曲演ってしまったのでアンコールどうするのか、、と思っていたところ、また新たな取り組みを見せてくれます。
アンコールの衣装は今回の新グッズ、トレーナーとジャケットを全員が別々のアレンジで着こなして登場します。
初めて聴く曲。浪江を歌った切なくも力強い歌詞。手話を交えた振付。これは…
PPPから、浪江出身のシンガーソングライター牛来美佳さんの『いつかまた、浪江の空を』という曲のカバーであることが明かされます。
あの日とその後を実際に経験してきた方の言葉は重くて、現実を否応なしに思い返すことになりますが、それを踏まえてここで活動していくことが大切なのでしょう。
JA浪江はセルフカバーを除くとこれまではオリジナル曲にこだわっているように思っていましたが、こうして浪江に縁のあるアーティストさんとの繋がりをもっていくことも、「なみえのわ」を広げていくことになると思います。
ここで告知が盛りだくさん。
まずは来年、と前置きして、1/30に浪江で定期大会の告知。前回に続いて制限なしでやりたいとのこと。
続く2月は仙台で単独ライブ。2/20に仙台PITで「あいのりきっぷ 花咲む」と題しての公演です。時期的にちょうどアルバムのリリイベにもなりますが、ここで全曲お披露目とかやるのかしら。
以前から「春ごろ浪江で何かやりたいと大柿さんと協議中」と言っていたイベントが3月に実現できそうです。3/20に「浪江しらうお祭り」と題して浪江町のどこかで行うとのこと。2年前にお披露目した時のイベント会場、隣に立派な体育館があるけどあそこでしょうか。さすがに3月の屋外はまだ寒いから…
これだけでも嬉しいのですが、さらに「今年もまだあります」。なんと大晦日のももいろ歌合戦に浪江女子発組合の出演が決まったとのお知らせ。そろそろお呼ばれしないかしら、と思ってましたがまさか実現すると思ってませんでした。
今年中に日本武道館に行くという宣言は一旦来年に繰り延べしたのですが、単独公演ではないながらも公約が実現できた形になりました。おめでとう、そしてありがとうございます。
最後にもう一度、なみえのわ。
これは明治座でもやった演出ですが、最後にリラックスしたメンバーがなみえのわで大団円を迎えるのはとても良い光景です。
明治座での実験的な舞台を経て、これでJA浪江の公演のフォーマットが何となく出来たのかも知れません。もちろん次回もこのフォーマットを踏襲するかどうかは全くわかりませんが、少なくとも引き出しがどんどん多くなっているのは確かで、PPPの手腕を改めて見直しているところです。
次は大晦日、武道館でお会いしましょう。
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