離職の理由たち
前回の記事では、離職率を数字で出してみたら、結構な数値でビビったという話をしました。
そうしたら、いちど、きちんと、退職理由を見てみたくなりました。私は人事担当でもなく、本人と会話できたのはごく一部なので、推測ではありますが。
当事者としてだと、つい近くしか見なくなってしまうので、離れて俯瞰する作業でもあります。
A. 半年未満
入社早々スピードとコミュニケーションの仕方が要求水準に満たず 1名
業務内容が違いすぎて 1名
マイクロマネジメントに耐えきれず 1名
B. 1年未満
心身不調で休職、復職できず 2名
リーダーとしての言動不適格と責められて 1名
部下とうまくやっていくことができず 1名
C. 2年未満
社員の扱いに不信感かつ仕事内容が限定され成長感がなくなった 2名
D. それ以上
上司に嫌気がさして 2名
上司から責められ辞めます→どうぞ 1名
まず、A。
これは、正しくない人を、バスに乗せたのでしょうか?
「カルチャーがフィットせず」。
その一言で片付けてしまうのは簡単。だが、それで終わっては思考停止。
こういったケースが複数回出てきた時点で、素直な人なら、バスに乗せるクライテリアをはっきりしておくべきでは?と考える。
見ていると、その方のプロフェッションとは別の部分の、基本的なコミュニケーションスタイルでケチをつけられるケースが多い。譲れない何かがあるならば、明文化し、採用過程で見抜くべき。
特にプロフェッショナルとして期待されて入社した人が、本業で力を発揮する前に辞めていくのは、本当に勿体無いし、こちらも時間と労力が無駄でしかない。
B。
最初はアジャストしようと頑張ったものの、頻度やねちっこさ、激しさに耐えきれなくなって心と体が悲鳴をあげるケース。縁を切って、元気になってほしい。
言動不適格の人。これは一見、本人の問題に見える。
が、最初からそうだったのか、途中からそうなったのかで話が変わる。
どんな人も最初はやる気に満ち溢れて入ってくる。そんな中で「あれ?この会社大丈夫?」と思うことが増えていく。そして、社長とぶつかり、いやになってそれを周りに伝え出す。
部下とうまくやっていくことができずに。これは、まあ、しょうがない。
Cを飛ばしてD。
この異常なコミュニケーションスタイルを、あきらめの境地に到達して日々乗り越えてきた者たち。だけれども、不満が積もり積もって、辞める。やっぱり乗り越えられていない。
また、会社として最終的に決断したことについて、責められ、キレて辞める。これも同じ。ガス抜きが全然できず、不満が最後に爆発するケース。
C。
この異常なコミュニケーションスタイルを、独自の鈍感力や、独自の「出来るだけ関わらない」という回避力で切り抜けてきた者たち。
こういった人たちは大事に、うまく使ったほうが良い。
そこで、残念な打ち手として、業務領域を制限し出す。得意なところにその人の力を集中させたいのだろうが、取り上げられた人たちは新しいチャレンジがなくなり、ここにいても何も得ることがないと思い、辞めていく。実に、もったいない。
つまり
採用の時点で、譲れないポイントをを見極められていない
独自の考えについていけない人が出てくる、サポーティブでないから続ける気力がわかない
ヒトのポテンシャルを信じて任せることができず、モチベーションが下がる
それが積み重なって、愛想をつかされる。こういう構図。
・新しいメンバーに対し、サポーティブであること
・ポテンシャルを信じてモチベーションを上げること
・従業員を守る姿勢があること
……そんなに、難しいことですかね??