「素股って妊娠しますか?」セイシル議論における個人的見解
こんにちは。片桐まめこと申します。
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セイシルというティーン向けの性のモヤモヤお役立ちサイトが先日以下のような記事を出しました。
https://seicil.com/qa70
「素股で妊娠しますか?」というシンプルな問い。
これに対しSWASHの要氏が「より安全な素股」として図解で詳しく掲載し、さらにセックスワーカー向けのサイトのリンクを貼ったことがどうしても許せない方を何人か見かけました。要は中高生というまだいざというときの責任も取れない人にそんなことを教える必要はない、というもの。
これについて要氏はこうコメントしています。(長いのでツイートのリンクを貼るに留めます。)
要氏の主張には全面同意であり、ぶっちゃけこれを貼るだけで言いたいことは終わりといえば終わりなのですが、noteを書くからにはもう少し自分の言葉で書きます。
中学生に素股を教えていいものか
結論から言いますと「はい」です。というか、わざわざ教えないという選択肢がありません。
誤解しないでいただきたいのですが、私は中高生の性行為には否定的なスタンスです。それは多くの方が懸念している通り、いざという時に自力で責任を取るのが極めて困難なことがほとんどだからです。性行為は本来新たな命を生み出す為の行為であり、妊娠の可能性はゼロにはなりません。というか、避妊する方が自然の摂理に逆らっているとも言えるでしょう。セイシルのサイトでも色々なページで「性行為に絶対安全はない」と繰り返し書いています。
なので、性行為に全く興味もない子に無理やりセックスプレイの話をするのであればそれは私は反対です。まだ寝てる子を起こすな、という意味でも。
ですが今回はセイシルのターゲットである当事者から少なくない数の「素股で妊娠するのか」という質問が寄せられているとある通り、それなりに多くの中高生が素股に興味関心を持っていることが分かります。寝た子を起こすな理論で言えばもう起きてます。お目目ぱっちり。ただでさえ反抗期な中学生、しかももう素股に興味を持つくらいには性の知識がある子に対して「中学生が知らなくていい!性行為なんてするもんじゃない!」と突っぱねたって「は?うっざ」となるだけでロクな結果にはならないでしょう。親の目を掻い潜っていけないことをした経験もある方は多いのではないでしょうか。
親がダメと言ってはい分かったで済むならこんなに楽なことはありません。この世から思春期の子を持つ親の悩みのほとんどは消え失せるでしょう。
しかし実際問題そうではありません。下記の理由から私は要氏の回答を支持します。
・誰にでも知る権利はある
ここでいう知る権利とは法律の話とは少し違いますので法律上の定義とはズレます。要は「人の知的好奇心を止めたり禁止する権利はない」という話。
別に今回中高生が知りたがっていることは知ったところで犯罪になりません。あって困るわけではない知識です。それを「お前は知る必要ない」と阻害するのは親であっても許されないと思います。
また、女がそんなご奉仕を覚えるな、相手が素股を要求してきたら断ればいいんだというご意見も拝見しましたが求めるのがいつだって男性とは限りません。女性がしたい場合も、性行為の予定がなくても知識として知りたい人もいます。
ちなみに「知識がありすぎて失敗したらどうするんだ」と仰る方もいました。Twitterにも書きましたがどんなに避妊してても妊娠のリスクはゼロにならないという基本的な知識が抜け落ちていたならそれは知識不足のせいで失敗してます。その理屈は成り立っていません。
・知識は身を助ける
聞き齧りで「素股なら挿入より妊娠の可能性低いらしい」とだけ聞いたカップルが全く効果的でない方法で手探りで素股をした場合、もしくは検索したらヒットしたAVの真似をした場合どうなるでしょう。
そっちの方がリスク高いですよね。
もし、相手が(男女どちらでも)安全だからと間違った素股を求めてきた場合、正しい知識がなければ断ることも正しい方法に導くこともできません。「相手が知ってるなら相手のリードに身を任せればいっか」と場の雰囲気に流されリスクの高い方法の性行為をするのは目に見えてます。
また、十分な知識があれば「難しそうだからやめておこう」という判断もまた可能です。
性行為の現場に親は同席しません。相手を助けるのも自分を助けるのも知識です。
知識に罪はありません。大切なのはそれをどう扱うかです。
・挿入できないカップルほど知っておいた方がいい
中高生で妊娠し子育てするのも、中絶を選択するのもどちらも険しい道です。できれば妊娠はしたくない人が多いと思います。
なら挿入を伴わずお互いに気持ちよくなれる方法があるならそっちの方がよくないですか?
また、様々な事情から挿入を伴う性行為ができないカップルも存在します。相手のことは好き、性行為はしたい、でも挿入はできない。そういう人たちを助けるためにも専門職の人による情報はあって困ることはありません。
要氏もツイートしていましたが中学生に性行為は早いだの色々と言いたいことはありますよそれは。大人ですから。ですが上から押さえつけたっていい結果は生まれません。性行為における最悪の結果は心や体に一生消えない傷を残します。誰もそんなことは望んでいません。
ならば、ベターな選択肢を用意する、いざという時に相談してもらえる信頼できる大人や場所になっておく。セーフティネットを作ることも大事ではないでしょうか。
セイシルは親ではない
様々な背景、事情がある人が見るサイトであるセイシルのQ&Aでは当然ですが個別のケースにまで対応はできません。サイトなんかに任せておけない、いざという時に責任を取るのは親なのだという意見はその通りです。
なら親がすべきことは上から押さえつけ情報を遮断したり質問に誠実に答えずはぐらかすことではなく、いざという時に相談してもらえる信頼関係を築くことではありませんか。
相手は一人の人間です。子供の思想や行動、収集する情報まで全て制御するのは絶対に不可能です。
なので制御するのではなく、少しでも幸せになれる方にそっと導くこと、いざという時に頼れる人であること。そちらの方がよっぽど現実的で、最悪な結果を避けられる確率も上がると私は思います。
以下の投げ銭エリアはいつもと違ってちょっと結構砕けた口調での愚痴を書いています。個人的なお気持ちですので読まなくても全く支障はありません。ただのおまけです。
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