AIとTRPGで遊ぶことはできるのか？　その①

　昨今のAIの活躍は目覚ましく、様々な分野でAIを活用した創作活動が行われています。小説のアイデアをもらったり、絵を描いてもらったり、これまで人間がひとりではつまずいてしまっていた部分にAIは手をさしのべ助けに入ってくれているのを日々のTwitter生活で感じる。

TRPGの分野でもAIの利用が進み、PLがキャラクターのイラストをAI生成したり、GMがシナリオフックを提示してもらったりする事例が増えてきている。未来のような出来事が令和の現在（イマ）まさに起こっているのだ。

よくTRPGルールブックに関するジョークとして「一緒に遊ぶプレイヤーやゲームマスターは付属しません」という定型が使われるように、本来であればTRPGは１人では遊ぶことができない。
（もちろんソロプレイ向けのゲームブック・サプリメントなどがあれば話は違う）

かつてTRPGは一緒に遊んでくれる友人がいなければプレイすることができないと思われていた……
だが今は違う！（ｷﾞｭｯ
AI技術の発展によりTRPGをひとりでも遊ぶ方法が確立されたのだ！

人類は本当にAIとTRPGを遊ぶことはできるのか？
本記事では、それを試してみたいと思う。

使用するAI

もっとも広く知られる対話形式のAIとしてChatGPTを用いる。

使用するルールブック

今回はChatGPTが2021年９月までの情報を基に会話できることから、『ソード・ワールド2.5 基本ルールブックⅠ』を用いる。

ChatGPTとの会話サンプル

青猫「今日は私と一緒に『ソード・ワールド2.5』というTRPGを遊んでもらいます。 あなたはGM(ゲームマスター)とPL(プレイヤー)のどちらをしたいですか？」

ChatGPT「私はどちらの役割も果たすことができますが、TRPGのGM(ゲームマスター)役を担当することができます。GMは物語の進行や世界の設定、非プレイヤーキャラクターの演出などを担当します。私がGMとして参加する場合、物語を盛り上げるためのイベントや挑戦を用意したり、プレイヤーキャラクターの行動やダイスロールの判定を行います。どの役割にするかを選んでいただければ、お手伝いします。」

青猫「それでは私は「人間の戦士」の役をしたいと思います。」

ChatGPT「素晴らしいです！あなたが「人間の戦士」としてプレイすることになりますね。戦士は力強い戦闘力と堅牢な防御力を持つキャラクターです。武器や防具を駆使して戦い、仲間たちを守ることができます。」

ChatGPT「ソード・ワールド2.5では、セッションの進行やダイスロールはGMが担当しますが、あなたのキャラクターの行動や選択は自由です。また、キャラクターの成長やストーリーへの関与も重要です。冒険の中で様々な選択をすることで、独自のストーリーを作り上げていきましょう。」

ChatGPT「ゲームを始める前に、キャラクターシートやバックストーリーの作成、能力値の設定などが必要です。必要な情報を教えていただければ、キャラクターの作成をお手伝いします。また、プレイスタイルや期待する要素などもお知らせいただければ、より楽しいセッションを提供できるかと思います。」

…もしかして思った以上にスムーズに遊べる？

なかなか良い滑り出しだ。
この調子でキャラクター作成を実際にやってみよう。

青猫「それではキャラクターシートを作るために、2レベルから15レベルのうち、どのレベルのキャラクターを作ればいいか教えてください。」

ChatGPT「ソード・ワールド2.5では、キャラクターの初期レベルは1レベルからスタートすることが一般的です。キャラクターは冒険を通じて経験値を得て成長し、レベルアップしていきます。したがって、最初に作成するキャラクターは1レベルで作成することをおすすめします。」

ChatGPT「1レベルから始めることで、キャラクターの成長をプレイヤー自身が経験することができます。冒険を通じてキャラクターを発展させ、能力やスキルを獲得していく様子を楽しむことができます。」

わざわざSW2.5の一般的な初期作成レベルである「２レベルから」と指定したのに、このGMは１レベルのキャラクターを作ることを要求してきた。
GMが言うことなので従順なPLとしてChatGPTの指示に従おう。
初期作成用では通常、２レベルのキャラクターを作るのに十分な経験点が与えられているため、１レベルのキャラクターを作ると経験点が余りそうだ。

青猫「では１レベルのキャラクターを作成することにします。 経験点が余りそうなので「人間の戦士」でなく魔法戦士のキャラクターを作っても構いませんか？」

ChatGPT「もちろん、1レベルの魔法戦士のキャラクターを作成することは可能です。魔法戦士は、戦士の力強い戦闘スキルと魔法の使用ができる特殊な能力を持つキャラクターです。戦闘において物理攻撃と魔法攻撃を組み合わせることで、多彩な戦術を展開することができます。」

ChatGPT「魔法戦士のキャラクターを作成するためには、以下の情報が必要です：

1. キャラクターの名前：キャラクターの名前を決めてください。

2. 能力値の割り振り：ソード・ワールド2.5では、能力値として「力」「敏捷」「生命力」「知力」「感知」「精神力」の6つがあります。これらの能力値を割り振る方法を教えてください。たとえば、ある能力値に重点を置いたり、バランスの取れた能力値配分にするなど、ご希望があれば教えてください。

3. 職業スキルの選択：魔法戦士には独自の職業スキルがあります。具体的にどの職業スキルを選択するか、もしくは一般的な魔法戦士の能力や戦術に基づいてアドバイスを求めることもできます。

上記の情報を教えていただければ、魔法戦士のキャラクター作成をお手伝いします。」

ソード・ワールド2.5における６つの能力値はルールブックでは「筋力」「敏捷度」「生命力」「知力」「精神力」と「器用度」であるとされるが、GMの言うことは時にルールブックよりも正しいものである。
今回のセッションでは器用度の代わりに感知なるものを使うらしい。
職業スキルの選択と言うのは聞きなれない言い方だが魔法戦士の魔法系技能にどの職業技能を選択するかという問いだと考えてよいだろう。

青猫「キャラクターの名前の案を出してもらえますか？（通常、ソード・ワールド2.5では西洋風のカタカナの名前が使われます）」

ChatGPT「もちろんです！以下にいくつかの魔法戦士のキャラクター名の案をご提案します（西洋風のカタカナ名です）：

1. レオナート・アイヴァー

2. セリス・アルカナ

3. ヴィクトリア・ストームレイジ

4. ダミアン・ナイトブレイド

5. イザベル・シルバーレイン

6. アルトリア・フロストハート

7. ヴァレリア・シャドウウィンド

8. ルーカス・オブスティナート

9. エレナ・エンシャントウィスパー

10. ガブリエル・マーブルスカイ

これらは参考として挙げたものであり、もちろん自由に変更や組み合わせを行っていただいて構いません。キャラクター名は、あなたの魔法戦士の個性やイメージに合ったものを選んでください。」

青猫「６番が良いですね。私の使う魔法戦士のキャラクターの名前は「アルトリア・フロストハート」にしようと思います。」

ChatGPT「素晴らしい選択です！キャラクター名として「アルトリア・フロストハート」は魔法戦士のイメージにぴったりです。この名前は、力強さと氷の魔法による冷たい力を連想させます。冒険の中でキャラクターが成長していく様子を楽しんでください。」

ChatGPT「次に、能力値の割り振りや職業スキルの選択に進んでいきましょう。以下の情報を教えていただけますか？

1. 能力値の割り振り：ソード・ワールド2.5の能力値は「力」「敏捷」「生命力」「知力」「感知」「精神力」の6つです。各能力値に割り振るポイントを教えてください。たとえば、力や知力に重点を置くなど、キャラクターの特徴に合わせてどのように割り振りたいか教えてください。

2. 職業スキルの選択：魔法戦士には独自の職業スキルがあります。ソード・ワールド2.5のルールブックに基づいて、どの職業スキルを選択するか教えてください。もしくは、魔法戦士の特徴や戦術に基づいてアドバイスを求めることもできます。」

青猫「能力値の割り振りは魔法戦士らしく「力」と「知力」それから「精神力」が高くなるようにしたいですね。 職業スキルの選択は名前のように氷の妖精魔法が使えるように「フェアリーテイマー」にしようと思います。」

ChatGPT「了解しました。キャラクター「アルトリア・フロストハート」の能力値の割り振りは、「力」と「知力」、そして「精神力」が高くなるようにすることにしましょう。

以下のような能力値の割り振りを提案します（合計ポイントはソード・ワールド2.5のルールに基づいておおよそです）：

• 力：12

• 敏捷：8

• 生命力：10

• 知力：12

• 感知：8

• 精神力：12　
  この割り振りによって、「アルトリア・フロストハート」は力強い物理攻撃力と豊富な知識、そして強力な精神力を持つキャラクターとなります。」

たしかに力や知力、精神力が高くなっているが人間の能力値平均が14であることを考えるとかなり器用貧乏なキャラクターに見えるがもしかしてこれは実能力値でなくA-F値なのではないだろうか？

ChatGPT「「フェアリーテイマー」という職業スキルの選択も素晴らしいです。これにより、氷の妖精魔法に関連する特殊な能力やスキルを使うことができます。氷の魔法を駆使しながら戦闘や探索を進めていくことができるでしょう。

この設定で進めてもよろしいですか？また、他に必要な情報や要望があれば教えてください。」

能力値がA-F値だとするとこのキャラクターは器用貧乏でなく強いキャラクターかもしれない。ためしにA-F値に合算される心技体の値を決め忘れていることを指摘してみよう。

青猫「待ってください！　「心」「技」「体」の値がまだ決まっていません。それぞれの値がどのくらいありますか？」

ChatGPT「申し訳ありません、心技体の値を見落としてしまいました。ソード・ワールド2.5では、心技体という追加の能力値もあります。
心：10

• 技：10

• 体：10

これによって、アルトリア・フロストハートさんの心技体はバランスの取れた値となります。」

やはり心技体値が抜けていた。人間の冒険者の心技体は２～１２の間で変動するのでオール１０というのは平均よりずっと強い！

ChatGPT「他にもキャラクター作成に関する要望や質問があればお知らせください。お手伝いいたします！」

青猫「ありがとう。これでアルトリアのキャラクターシートが完成しました。さっそく冒険に出かけましょう！」

ChatGPT「素晴らしい！アルトリア・フロストハートのキャラクターシートが完成しましたね。冒険の世界に旅立つ準備が整いました。

ソード・ワールド2.5の冒険は、さまざまなモンスターや謎に満ちたダンジョン、魔法や戦闘の試練が待っています。GMとして、アルトリアたちの冒険を進行し、ストーリーを展開していきます。

さあ、勇敢な魔法戦士として、アルトリア・フロストハートと共に冒険の世界へと飛び込みましょう！何か質問や困ったことがあればいつでもお知らせください。楽しい冒険をお約束します！」

AIとTRPGで遊ぶことはできるのか？

冒頭の問いに戻ろう。
AIとTRPGを遊ぶことはできるのか？
どうやらキャラクター作成までは付き合ってもらえることが分かった。
今後はこの「アルトリア・フロストハート」を使ってChatGPTとのセッションに挑んでみようと思う。
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