料理が嫌いだと思ってたんだけど、違った
つい先日、会社を辞めた。
私にとってはこの退職は放棄でも諦めでもなく、卒業である。
やり切った感。その言葉がぴったりな気がする。
まだまだ勉強することがあるだろうが。まだまだこれからなのに。もったいない。
そんなことを言われたけれど、もはや私はその仕事に費やす時間がもったいない、と思うようになってしまった。
わたしがしたかった経験や感じたかった思いは、もう十分受け取った。これ以上やるのは惰性だ。と感じてしまった日から、だんだんと気持ちが固まっていった。
私の人生を、別のことに捧げてみたい。勉強したいことがたくさんある。作りたい作品がある。書きたい文章がある。行きたいところがある。
私は退職してから、私を試す3か月を過ごすことに決めた。
3か月間は自分のやりたいことに捧げ、どの程度結果を残せるかでその先を決める。やったことのない仕事に挑戦する。わくわくするほうへ行ってみる。
勝算なんて全く無いのだけど。でも、やってみないと気が済まないのよね、あなたは。私の中で私が笑う。
目が見える、体力がある、足がある、手がある。それは当たり前のことじゃない。こんなに恵まれた今の状況で、やりたいことをやらない理由が見つからなかった。
だから私は、卒業した。
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卒業して、気づいたことがある。
私は長年、料理に苦手意識があった。自分の料理があんまりおいしいと思わないし、働いて帰って来てから作るのなんてまっぴらごめん!と思い、休みに一週間分のおかずを作り置きしたりした。作り置きするのにも3時間くらいかかったりして、買い出し含めると半日かかる。さらにうんざりする。のループだった。
でも、最近料理をしても苦ではない自分に気づいた。しかも出来立ての料理は、作り置きより確実に美味しい。今日作った豚の生姜焼きなんて、明日も食べたいくらい美味しかった。
そうか、私は料理が嫌いだったんじゃなくて、料理をする余裕が無い状況が嫌いだったんだ。苦手意識はあるから、いろんなレシピを見て作ったりするものの、余裕が無いと下ごしらえとか最後の仕上げをおろそかにすることが多かった。今日の生姜焼きはしっかり下ごしらえをして、レシピに忠実に作ったから美味しかったんだろうなぁ。
シンクにも使った鍋を長いこと放置していたが、そうすると次の料理を作る気も失せてしまう。でも今はすぐに洗うことができる体力がある。
これは私にとって、仕事を辞めてみないと見えなかった世界。自分の可能性に気づいた瞬間。
この先3か月、こんな風に可能性の種を見つけたいんだ。
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