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落ち着いて行動することは節約につながるか


朝起きて、私は鏡の中の自分の顔を見て、びっくりしてしまいました。

鏡の中の私の顔、その中でも下唇が赤く腫れていて、さらにその下唇の真ん中あたりは、内出血しているような状態だったのです。まるで殴られたようなその顔を見て、何が起こったのかとしばらく何も言えずに立っていました。

さて、やっと少し気持ちが落ち着いてきて、殴られた覚えはないので、何が起こっているのかを考えはじめました。
アレルギー? それもいつもと違うものを食べた記憶がないですし、なにより下唇だけが腫れてるということはアレルギーも考えにくいです。

そしてハッと気づいたのが自分で自分の下唇を寝ている間に噛みしめていたようだ、ということ。
そっと下唇を噛んでみると、なるほど、内出血のあたりにちょうど真ん中の歯があたります。私はもともと寝ている時の噛み締めがあるので、下の歯にマウスピースを付けて寝ています。それが今回は歯と歯の間に唇を挟んでしまったようなのです。それにしても、まさか自分で自分のことをそこまで噛んでしまうなんて。幸い、今はまだマスクをつけていることがほとんどです。これならなんとかやり過ごせそうだとホッとしました。
そうこうしているうちに、唇の腫れは出勤する頃にはだいぶおさまってきました。
1日をほとんどマスクをして、なんとか周りに気づかれず、もしくは気づいても何も言わずにいてくれたのか、やり過ごすことができました。

その2日後には、友達と会うことになっていました。腫れはすっかり引いたのですが、内出血の色はまだ少し残っています。でも、これくらいならリップを塗れば、ごまかせられそうです。

ところが、出かける時間ギリギリになってしまった私はあわてて玄関を出ながら、「リップは車の中で塗ろう」と思ったのです。そして車に乗ってしばらくすると、化粧ポーチを忘れてきたことに気がつきました。
さすがにこのままでは友達に唇の内出血がばれるだろうと思い、私はコンビニでリップを買っていくことにしたのです。
それほど時間もなかったので、とりあえず失敗がなさそうな色を選び、すぐに車の中で塗ってみると、内出血はかなりわかりにくくなったので、ホッと一安心して友達との待ち合わせ場所へ急ぎました。
おかげで友達に唇のことを気づかれることなく、楽しく過ごすことができました。

そんな事情で、私はすでに持っているものをもう一つ購入したわけです。
今回購入したリップは、化粧ポーチとは別のいつも持ち歩くポーチのほうに入れておくことにしました。これなら、化粧ポーチを忘れても必ずひとつはリップを使うことができます。

私は最近、モノとの付き合い方、向き合い方についてよく考えるようになっていました。
自分では管理しきれないほどのモノを持っているな、と感じていたからです。モノはどんどん増えていきます。ですが、かわいいからと買ってみたものの、結局ほとんど使えずにあるモノ、あまり袖を通すことなく季節が終わっていった洋服、何個もあるバッグ。ふと自分の部屋を見渡して持っているモノを確認すると、同じようなものがいくつもあったりもします。

これからは買い物をする時は自分との対話が必要だと考えたのです。
本当に必要なのか、同じようなモノは持っていないか、しまうところはあるか。そうやってきちんと選んで買うか買わないかを選んでいこうと思っていました。
そうやって少しづつモノを減らして、自分に必要なモノを厳選して暮らしたい、と強く思うようになっていたのです。

そこで今回のことがあった、ということです。
今回のこの買い物は、ある意味必要なモノではあったのですが、はたして無駄遣いではなかったと言い切れるものでしょうか。

必要だから購入した。でも、もう自分で持っているもので、本来は買わなくてよかった。

そう考えると、やはり無駄な買い物だったかと反省してしまいます。

そんなにおおげさなことではありませんが、「チリも積もれば」という言葉もあります。モノとの付き合い方や節約ということを考えるならば、こういう小さなことも気にしたほうがいいのかもしれません。

今回の無駄遣いの原因は、私が待ち合わせの時間ギリギリになってしまうことで、慌てて家を出ることになったからです。そうやって慌てていなければ、持ち物を確認して、化粧ポーチがバッグに入っていないことに気づいていたかもしれません。そうすれば、もうひとつのリップを買う必要もなかったでしょう。

みなさんも意外とありませんか? あわてていて忘れ物をして、仕方なく家にはあるのだけれど、買わなくはいけなくなったり、急いで買い物をしていて、もう買ってあるものをもう一度買ってしまったり。

そう考えると、もしかしたら「落ち着いて行動する」ということは、節約につながるのかもしれないですね。


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