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休み時間の過ごし方

友だちが中休みに、まめちゃんの教室にやってきて、

「まめちゃん!昼休みにキャスターボード貸してあげるよ!」と言ってくれた。

これまで、人工呼吸器and車椅子ユーザーのまめちゃんはいつも、友だち達がそれに座って足を動かしてスーーッと目の前をすごい速さで通過しているのを見ているだけだった。


いざ昼休みになると、先生たちは「時間があんまりないから辞めておこうかって話になりました」と。

(きっと、まめちゃんみたいな子がやるのは初めてのことだからなんだろうな…)

まめちゃんに気持ちを聞くと、苦々しい顔をしながら「あきらめた」と言う。

まめちゃんはアクティブガールだから、好きなはず。身体の問題で"できない"ということもない。工夫すればできるはず。
やる前から、大人が諦めちゃダメなんだ。


そういう時のために!!
私は付き添いをしているので、サポートすることに。
(「まめちゃんはできないよ」と言われて、本人はやりたくても諦めざるを得なかったり、先生たちは、まめちゃんにもやらせてあげたくても、思い切った事ができないということを防ぐため)

当の友だちは、自らがキャスターボードを貸すと提案した約束をすっかり忘れていたようで(笑)


「まめちゃん、私、約束忘れてキーボードしてたよ〜!はい!これどうぞ!使ってね」って慌てて持ってきてくれた。


そしてそのまま、見守りに付いてきていた。


1人で座位はとれなくても、まめちゃんの後ろに私が座ってそのまま人間壁になれば大丈夫!

一緒に座って、キャスターボートの動かし方の見本をやってみせると、
まめちゃんの足が動きだした!!
やっぱり!やりたかったんだ。

まめちゃんが足を動かしても、母の体重の分だけ重たくなるので進みずらくなるのが課題。

今日のところは、私の足のサポート多めで、スイスイ進んで遊んだ。まめちゃんも笑顔で嬉しそう。

諦めずにやってみてよかったね。


先生たちや看護師さんからは、次々アイデアが出てきて、今度はまめちゃんひとりでもキャスターボードでスイスイ進めるようになるかも?とワクワクが広がってきた。


こどもはこどもの中で育つ。

支援学校は、子ども同士の関わりよりも、大人との関わりが多いことを理由に、選ばれない事がある。

それを否定は出来ないけど…
支援学校にも、こうやって子ども同士のやり取りが日常的にある。

今回のキャスターボードは、お友だちが"貸してあげるよ"と言ってくれなかったら、きっと経験するきっかけを得られなかったことは確実。

キャスターボード中は、スイッチとタブレットを使えなかったので、「まめちゃんの声が聞こえなくなっちゃったよ!」と心配もしてくれる素直な子どもたちの反応にもほろっとする。


支援学校にも、子ども同士の遊びや会話から、盛り上がる遊びやコミュニケーションもちゃんとある。授業も同様に。

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