えっ!モネの睡蓮にカエル
「13歳からのアート思考」(著者:末永幸歩さん)の中で紹介されていたエピソードです。とても面白かったのでシエアします。
モネの「睡蓮」の中にカエルが見えますか?
クロード・モネのかの有名な「睡蓮」の中にカエルが。
あわててカエルを探した方ごめんなさい。
結論:カエルはどこにも描かれていません。
ではなぜそんな問いかけをしたのか、その理由が感慨深いんです。
もちろん、カエルは描かれていない。
どこにいるの??と学芸員が聞くと、
著者は言います。
私個人の経験ですが、美術館で鑑賞する時、いつもとまどう感じがありました。「どう鑑賞したらいいのだろう」
ピカソ、マチス等、有名であればあるほど見慣れた絵画を前にしてどう向き合えばいいのか。
本物を前にすればなんらかの感動が沸き起こるかと思いきや、大人になりすぎて感性が曇っているのか??なぜか、解説文を読むことに一生懸命になって、肝心の絵と向き合ってないような。
でもせっかく交通費、時間、チケット代を支払ってきたのだから、筆致や、どんな画材で描いたのかなどマジマジと見て一つでも何か得ようと頑張っては見るもののなにか解せない気持ちで帰路についていました。
アート鑑賞ってなに?
おすすめのアート鑑賞の2つの方法
著者が考える2つの「アート作品の見方」にアート鑑賞はなんだろうという答えを見つけました。
方法は以下の2つです。
背景とのやりとり
作品とのやりとり
背景とのやりとり
背景とのやりとりというのは、どういうことかと言いますと「作者の考え」「作者の歩んできた人生」「歴史的なもの」「美術史における意義」「評論家による評価、分析」など作品を通じながら事実的な背景のことと理解しました。
まさに解説文や、前知識として仕入れてきた情報などを合わせもって理解する感じ。でも、忘れてならないのはあくまで「やりとり」が重要です。
作者がこんな時代に生きてこんな人生を送ってこんな考えを持っていたからこういう作品が生まれたんだなぁという作品の奥から投げかけられてくる「問い」「想い」に触れるということ。
私がよくやっているのはこちらです。ざっくりとその画家の人生や生き方、のこした言葉などの情報、解説文を読んで作品を見ることが多いです。それもひとつの作品の見方です。
作品とのやりとり
これは今まで私としてはしてこなかった鑑賞の仕方だなと思いました。
わかりやすい例が本の中で紹介されていました。
「窓を見て」というと窓の景色をみてしまわないでしょうか。
窓のガラスそのものを見るということはあまりない。
「窓」そのものを自分の感性で受け取る、それが作品とのやりとりです。
そこには窓の奥にある風景はシャットダウン。作品そのものに対して自分なりの考え、答えを見つけるということです。
もうちょっと具体的に言うと「アーティストと作品」「作品と鑑賞者」とぷっつり分けます。
「作品とのやりとり」とはアーティストの意図したことなどを全く考慮せず、「素」の気持ちで作品そのものと向き合う方法です。
モネの睡蓮にカエルがもぐっているのを見た4歳の男の子のように。
既成概念、全くなしで作品と自分とのやりとりのみ。
面白そうです。
作品のタイトルや解説文に正解を求めるのではなく、目の前の作品とのやり取りの中で沸き起こった自分の感覚を楽しんでみるっていいですよね。
さいごに
本の内容は「アート思考」の3つの要素について(表現の花、興味のタネ、探究の根)についてや、アート思考の考え方についてわかりやすく書かれています。
楽しいワークを交えながら「なるほど」と思うことがたくさんありどんどん読み進めていけました。
今回の記事では割愛していますが、小さい頃は絵を描くのが好きだったのに中学の教科では嫌いな科目上位になる理由も納得。私自身も絵を描くことは好きだったのに美術の時間はキライでした。
世界が目まぐるしく変動する時代、変化の幅も方向も速さもバラバラで先の見通しがききづらい中、生きていくには「自分なりの答え」をしっかりつくる能力が必要なんだとわかりました。「13歳からの」とのタイトルがついていますが何歳からでも大人の私たちも読むべき本です。
おまけ〜
現在大阪で開かれている「モネ 連作の情景」
大阪中之島美術館 5階展示室
2024.02.10 – 2024.05.06
ぜひ、あなたなりの発見をしてみて下さい。
https://nakka-art.jp/exhibition-post/monet-2023/