ラテンの宴 20240413 neo-chill (寝落ちる)
今回のテーマは「Neo-Chill(ネオチル)」、寝る+落ちる、で寝落ちる=ネオチル.
横浜は関内、吉田町の新進の音楽スポット「Listen」にて実施した
「ラテンの宴(エン)」の音楽紹介コーナーのテキストです。
今回のテーマは「Neo-Chill(ネオチル)」、寝る+落ちる、で寝落ちる=ネオチル。単にアンビエントの音源を紹介してもつまらんので「音を体験してもらう」「何かを考えてもらう」といった方向を意識しての紹介を。
【1】Nuno Canavarro Plux Quba (Música Para 70 Serpentes)
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ジム・オルークの再発レーベル「moikai」から再発され、
世界的知名度を得た電子音楽/音響系の大傑作の一枚。
無垢で陽性、かつ作為が一切感じられない稀有な作品。
天才かキ○ガイのなせる業。
ポップソングを運んでいるラジオの電波君が、天気が良いからと
丘の上で膝を抱えて一休み、みたいなイノセントすぎる音。
音のでるオモチャ、接触不良ノイズ、音声(?)の変調…
作品の情報おろか曲名すら書いてない(名前考えるの飽きちゃった?)
音の質感のみで”ほんわか優しい”という個性を強烈に主張するとこは
レイ・ハラカミを引き合いに出してもよいんじゃないかと思う。
【2】Harold Budd「The Serpent (In Quicksilver)」
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A1「Afar」
スチール・ギターとピアノのみで紡がれる、タガのはずれた乾いた時間
目的地もハッキリしない、経路にドラマも必要としない、そんな音
ジャケットの写真の通りの、まさにこの雰囲気そのまんまの音。
回転数は45回転。 つまり作り手側は高音質での再生を志向している。
爆音で再生する。意図を汲んで。(または勝手に誤解して)
真綿で首を絞められるかの如し。柔和な音のボリュームによる殺傷力。
メディア再生の一番の面白さ「再生ボリュームの自由性」を味わえる。
つまり、知覚できない小さなボリュームでパンクを聞く事と、
知覚したくない大きなボリュームでアンビエントを聞く事は
等しいレベルで反骨な態度である。
【3】Mama!Milk / Parade
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生駒祐子(アコーディオン)、清水恒輔(コントラバス)のユニット
作品ごとに多くのゲストミュージシャンを迎えている。
日本国内よりも海外の方が知名度が高く評価されていると思う。
本作は2010年に作成されたアンサンブルでの作品
クラッシック、フォーク、ワールドミュージック、と色々な形容詞を
つけたくなるが、やはり「mama!milkの音」というのが一番的確かと。
今回聞いてもらうのはレコードのみに収められたボーナストラック
元・立誠小学校(京都市内に現存する最古の鉄筋コンクリート造校舎)
のライブ。演奏後、自然に沸き起こる拍手の正直さったら!
【4】Blossom Dearie – Blossom Dearie Sings, Volume I
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ジャズ界一キュートなブロッサム・ディアリー。
(異論は認めない。異論があるなら出ていけー!)
若き日の作品も大変キュートであるが、50直前にして
自身のレーベル、ダッフォディールから出した一枚。
どの曲に針を下ろしても癒されるのだが、
エレピの弾き語りで奏でられるこの曲、
「I Like You, You're Nice」と彼女の歌を聴くと
「後2週間くらいは生きてやってもイイかな」と思う。
【5】「Steve Reich – Music For 18 Musicians」
⇒ 【6】「坂本慎太郎 まともがわからないl」
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DJでのミニマルミュージック適用の実例①
ミニマル・ミュージックの代表的な作曲家の1人である
スティーブ・ライヒ。テープループの僅かなズレから
着想を得た作品やアフリカ音楽から影響を受けた作品などは
今現在クリエイター(特にクラブミュージックや音響派)に
絶大な影響を与えていると思う。
「18人の音楽家のための音楽」の細分化された反復パターンと
ゆらゆら帝国、坂本慎太郎の「まともがわかない」のイントロ
ループ感に近似性を感じてミックスしたまんぼばか。
このミックスを発見したとき脳味噌に汗をかくくらいに興奮!
(そもそもこの2枚がミキサー前にいて手に届くところに
存在していたというカオス過ぎる我が家のモノの配置が
異常すぎるのでは? 整理整頓しようぜ!)
【7】「Terry Riley – A Rainbow In Curved Air」
⇒ 【8】Eumir Deodato – Deodato 2
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DJでのミニマルミュージック適用の実例②
こちらもミニマル・ミュージックを代表する作曲家、
テリー・ライリー。 インド音楽から大きな影響を受け、
またテープループや電気楽器を駆使し、瞑想的(ドラッギー)
な音を特徴とする。リアルタイムでもロック方面に相当な
影響を与えている事から、サブカルチャー方面が好む何かを
持っているのだろう
「Poppy Nogood and Phantom Band」
ドローン(引き伸ばされた音)と単純なフレーズの、
僅かずつ変化してゆく繰り返し。
ルールなく挿入される、ハプニングのようなフレーズ。
ドラマを必要としない空間に「これでもか!」の
判りやすいドラマを差し込むDJ Mix。
選曲での「緊張・不安」→「解消」。DJ記号化のヒント。
以上