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ミランダ・カーも実践!ヴィム・ホフ呼吸法って何?


こんにちは。栄養学 × ヨガ で人生を豊かに

広島ヨガインストラクターの美月です。

VOGUEの動画を見ていたら

ミランダ・カーがコロナ禍のセルフアで

「ヴィム・ホフ呼吸法」を紹介していました。

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最新の健康情報に、誰よりも敏感なのがセレブだと私は思っています。

ミランダ・カーは結婚式の日でも

朝ヨガをするほどヨガ好きとして知られていますが

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彼女を魅了した、ヴィム・ホフ呼吸法も

ヨガと深いつながりがあります。

ヴィム・ホフ呼吸法とは?

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ヴィム・ホフはアイスマンと異名を持つ鉄人

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パンツ1枚でキリマンジャロを登頂したり
極寒の北極圏内をマラソンしたり
氷水に笑顔で1時間52分42秒も浸かる!
数々のギネス記録を所持🧊⛄️

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アムステル大学の研究によると
ヴィムには並外れた、褐色脂肪細胞の活性化が認められたようです。

そして彼が実践する、寒冷刺激・筋トレ・呼吸法・瞑想法を
トップアスリートやセレブ達が積極的に取り入れ始めました。

「自律神経は操れる」という発見

自律神経は、従来操れないものとされてきた。
例えば、右手の人差し指で鼻をかくことはできるけれども、右腕に注射された細菌をはねのけることはできない。
ところが2011年、ラドバウドド大学医療センターにて、 ヴィムに対し、毒物であるエンドトキシンを注射したところ、呼吸法を行うことによってアドレナリンレベルが向上し、炎症反応が現れなかったそうです。

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エンドトキシン:ある種の細菌の細胞壁にある強い毒素。これらを注射されると。熱や震え、頭痛といったインフルエンザのような症状を示す。

2013年に、被験者24人に対して追試がなされました。

呼吸法を行った12人が。ヴィムと同じようにエンドトキシンに対して炎症反応が現れず、対照群の呼吸法を実践しなかった12人の大多数は熱を出したそうです。

すなわち、呼吸法を実践した男性たちは、自律神経とエンドトキシンへの免疫反応を意識的にコントロールできることが判明したのです。
バンジージャンプを行った人と同等か、それ以上にアドレナリン値が高まり。さらに抗炎症のIL-10タンパク質も増加。
一方で炎症性タンパク質の IL- 6, IL-8, TNF-α の分泌が抑制されたそうです。

これらの現象の背景には、炎症性タンパク質を制御する遺伝子「CREB」が多くなっているという事が関連しています。

炎症性タンパク質の IL- 6, IL-8, TNF-α は「NF-kB」というDNA転写因子の支配下にあり、それを抑制するのが「CREB」DNA転写因子。

「CREB」は瞑想をする人に多く、「NF-kB」を下げるばかりでなく、細胞の寿命を決定するテロメアを保護し寿命を延ばす作用があるそうです。

ヴィムホフ呼吸法も瞑想の一種ということで、同じ効果があると考えて良いそうです。

詳しいメカニズムは書かれていませんが、要約します。

ヴィム・ホフ呼吸法をおこなうと

①アドレナリンレベルUP
②体のPHを上げる(アルカライズ)

上記二つの作用により、ストレスや痛みを感じる作用が減るそうです。

②のPHをあげるについては次の章で詳しく触れます。


体が酸性に傾くと痛みや寒さを感じやすくなる

この本を読んで、私も初めて知ったのですが
痛みを感じるシステムとして「酸感受性(ASIC)」というキーワードがあります。ASICの役割は細胞外のpHの低下を検知し、神経細胞の反応やシグナルを引き起こすことだそうで、ASICが1つだと小さな痛み。3つ集まり複合体となると大きな痛みとなるそうです。

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それが、興味深い事に、体内が酸性に傾いていると、イオンチャネルを活性化して、この痛みが増してしまう。

ヴィム・ホフ呼吸法は体のPHを7.7までに下げる効果(通常PH7.4)があり、強烈な痛みのストレスを低減させることが可能との事。

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身体を酸性からアルカライズすることで、感じている痛みを半減できるかもしれないのはすごい事ですよね。アルカライズといえば、野菜を食べたり青汁を飲むイメージでしたが、それが呼吸によって成し遂げられるのは、初耳でした。

高血圧や慢性疲労を抱えている人は呼吸数が多く、「酸素:二酸化炭素比」が崩れているのだそうです。過剰な二酸化炭素は害ですが、適度な二酸化炭素は必要です。身体をアルカリ性に保ち、血管を広げる効果があります。
たった一分、ゆっくりと呼吸をするだけで、これを改善させることができます。(次章以降で紹介してゆきます)

一方で、この仕組みは、やり過ぎると「過呼吸症候群」と同じ症状を起こしてしまうので、間違った呼吸法を行わないように注意しましょう。

過換気症候群
不安や極度の緊張などで何度も息を激しく吸ったり吐いたりして過呼吸の状態となり体内にある二酸化炭素が放出されて、炭酸ガス濃度が低くなることで本来は中性であるはずの血液が過度のアルカリ性に偏り、身体にさまざまな症状が現れる。

血中の理想的な「酸素:二酸化炭素比」は「3:2」と言われています。


心拍の「揺らぎ」を正常化させる1分間呼吸法

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https://www.garmin.co.jp/minisite/garmin-technology/health-science/


心臓の鼓動は、メトロノームのように常に一定のリズムを保っているわけではないことをご存知でしょうか?
心拍変動 (HRV)は、心臓の 1 拍ごとの拍動の長さの変化のことでことです。心拍の揺らぎとも表現されます。
交感神経系が優位な時は心拍数が増加し、副交感神経系が優位な時は心拍数が低くなるのは有名ですが、心拍変動(HRV)が低いということは、体にストレスがかかっていて、心拍変動(HRV)の値が高いほど、ストレスレベルが低下、また、ストレスの多い状況に耐えられるようになっていることを示しています。
健康的な心拍は、安静時に息を吐く時よりも、吸う時のほうが速い状態にあると言われています。鬱やストレス、がんを患う人や終末期の人は例外なく心拍変動が低いそうです。
スマートウォッチなどで、最近ストレスレベルが測定できるようになっていますが、それはこの心拍変動(HRV)を測定し算出されています。

<例 1分間に60の心拍数の人>

A)ドックン  1秒 ドックン 1秒  ドックン 1秒

B)ドックン  1秒 ドックン 0.5秒  ドックン 0.8 秒 ドックン1.5秒

Bの方がストレスが低く、耐えられる

興味深い事に、ヴィム・ホフ呼吸法で1分間ゆったりと呼吸をするだけで、誰でもBに近づけることができます。

ヴィム・ホフ呼吸法のやり方

書籍とウェブサイトでは異なるやり方が紹介されているので。
それぞれ紹介します。

やり方1(初心者向け)

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呼吸
リラックスし座った状態もしくは、寝た状態からスタート
鼻から大きく息を吸い、ゆっくり軽く息を吐き出します
(一番心地よいと感じる速さとリズムでOK)
これを30回繰り返します

止息
30回目、息を完全に吐き切ってから
大きく深く息を吸って、ゆっくりと息を吐いて
あごを引いて止める

もう一度息を吸う必要が感じるまで待つ

うずきやめまい、疲れを感じたらそこで息を吸う

やり方2(慣れてきた人向け)

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呼吸
リラックスし座った状態もしくは、寝た状態からスタート
鼻から大きく息を吸い、ゆっくり軽く息を吐き出します。
(吸うと吐くで2対1の割合。お腹と胸に交互に波のように使う)
これを30回繰り返します

止息1
30回目、息を完全に吐き切ってから
とても大きく深く息を吸って、軽く吐き(肺の空気を1/4程残す)
そこから1分間止息
(なれたら1分30秒も可)
止息中には体全体に酸素が行き渡るイメージ
もしかしたら顔や手がしびれることがありますが、なんの異常もありません
(苦しくなったら早めに息を吸ってもOK)

止息2
苦しくなったところで息を大きく吸い込んで15秒止め
吸い込んだ新鮮な空気を穏やかに胸の周りと肩に移動させ
ゆっくり息を吐く

※上記の呼吸法メソッドを3回繰り返します

ヴィム・ホフ呼吸法後に組み合わせる冷水シャワー

いきなり冷水シャワーはきついですよね。
呼吸法を組み合わせて少しずつ、寒冷刺激に慣れていきます。

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①いつもと、同じように温水のシャワーを浴びる。水がまだ温かいうちに1を始める。ゆっくりと息を吸ってはく

②呼吸法を何度か繰り返してからシャワーを冷水にする静かな呼吸を保とう。そのまま冷水シャワーを1分間浴びる。これを1週間毎日続ける

③2周目に入ったら冷水シャワーを2分間に伸ばす

④3周目にはいったら、3分間に伸ばす

⑤4周目には最初の温かいシャワーを省略し、冷水シャワーを5分浴びる

合わせて週に1度手足を氷水につけるのも良いそうです。
氷水に手をつけてに2分間我慢し、次に足も同じように2分間漬けるそうです。そしてアイスマンの本領!寒い戸外で泳ぐのもオススメなのだそうです。

なぜ冷水シャワーと組み合わせるのか?

ヴィム・ホフメソッドは
ヴィム・ホフ呼吸法&冷水シャワーとのセットとなっています。

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アスリートが氷風呂に入ることは有名ですね。
これは老廃物を身体から除去する速度を上げる作用があります。

氷風呂に入ると血管が収縮し。氷風呂から出ると拡張し、入浴前より血流が活発になります。血流が活発になることで、素早く代謝物が流れていきます。そして激しい運動は、筋肉の微細な損傷を引き起こしていますが、氷風呂は、その修復を早めて体を強くする超回復にも役立ちます。

温水と冷水に交互に使える効果の研究では、翌日までしっかりと残るはずの筋肉のこわばりが軽減されたという結果が出ています。

ブリークリー博士が。 17本の論文を検証したところ。
①冷水浴をする
②温水浴をする
③何もしない
④ 15分間楽なペースで走るなどの体を動かしながらの回復

①の冷水浴をしたアスリートの方が、24時間後の筋肉の痛みが少なかったそうです。

すなわち風呂に入る必要はありませんが。ヴィム・ホフメソッドでは、呼吸法の後に、呼吸法をしながらの冷水シャワーを推奨しています。

褐色脂肪細胞は増やせる

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ホップマンほかの調査(2010)によれば、氷に埋まっているときのヴィムの代謝は300%まで向上しているそうです。

脂肪は白色脂肪と褐色脂肪の2つに分けることができます。
白色脂肪は主にエネルギーを蓄える貯蔵スペース。
そして皮膚のすぐ下にあって、体の断熱材として機能するのが皮下脂肪。臓器を保護し、正しい位置からずれないように保つのが内臓脂肪。
褐色脂肪の主な機能は、脂肪酸やブドウ糖を燃焼させて身体を温めることにあります。白色脂肪と比較すると多量のミトコンドリアを含むため、色が茶色がかって見えます。そして、このミトコンドリアが直接的にエネルギーを解放して熱を生み出すのです。
赤ちゃんは褐色脂肪細胞をたくさん持ち、低温の環境でも体がすぐに暖かくなりますが、9か月もするとその大半がなくなってしまいます。
そして、成人の体に残るのはわずか40から50g、中年以降はさらに減るとも言われています。
2011年のマルケン・リヒテンベルトの研究によると、低温によって褐色脂肪細胞が活性化されることが判明しました。

11度の室内でヴィムの体が生産する熱量は、35%(20度前後の室内より)アップしました。もう少し室温を下げると熱量は50%増えましたが。同じ環境下で若い成人の体で生産される熱量は20%程度だったそうです。
氷水では300%と、暖房機のつまみを最大3倍にまであげるヴィムは褐色脂肪細胞を自在に操っていると言えます。

更に、オランダ血栓症基金による調査では、毎日冷水シャワーを浴びる人は白血球が多いそうです。免疫効果が活性化することで、白血球がさらに育成されるからなのだそうです。
プールに通う子供は風邪をひかないと言いますが、ウイルスを退治してくれる白血球が増えているからと納得できます。(昨今の温水プールでは効果が半減するのかもしれませんね)

ヴィム・ホフ呼吸法の源流は、チベットのツンモという瞑想技術にあるそうです。インドの密教に端を発したもので、密教は紀元4世紀頃に発祥したとされています。ツンモでは呼吸に視覚イメージを組み合わせます。
深く息を吸い、ゆっくりと吐く。呼吸を繰り返す際に、炎を思い浮かべます。シンガポール国立大学の研究者たちによるとツンモ瞑想技法の実験では、尼僧たちは外気温-25℃の中で体温を38.3度まで上げられたそうです。

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ヴィム・ホフ呼吸法の特徴「止息」

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ヴィム・ホフ呼吸法の息を止めることにはどのようなメカニズムがあるのでしょうか?
息を深く吸って、ゆっくり吐くことを繰り返すと、肺の中での空気交換が進むため、体内から大量の二酸化炭素を排出することになります。
そうすると、血中の二酸化炭素が下がって血管が収縮します(血圧が高くなる)。交感神経は優位になります。
その状態で息を吐いて息を止めると、酸素ばかりが消費されていきます。
すると今度は体内の二酸化炭素濃度が高くなり、血管が弛緩(血圧が低くなる)。副交感神経が優位になります。
この崩れたバランスを戻そうとして、細胞内のミトコンドリアに、より多くのの酸素を供給する現象を引き起こします。

ミトコンドリア内に酸素が多いほど。大量のエネルギー(ATP)を生み出すことができます。その結果、脳にある松果体にも影響を及ぼします。松果体はメラトニンというホルモンを育成します。メラトニンは一般に体内時計と呼ばれ、睡眠と目覚めのリズムの維持、自律神経の働き、そして睡眠中の体の修復などといった重要な役割を果たします。
すなわち私たちはヴィム・ホフメソッドの呼吸法を通じて。ミトコンドリアがパワフルになり、より多くの ATPが松果体で発生するため、体がさらに多くののメラトニンを生産することができる。
その結果、時差ボケや、睡眠障害、抑うつなどにも非常に効果があるという仮説を立てているそうです。

ヴィム・ホフメソッドに出てくる食事法

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ヴィムはほとんどの物を食べないそうです。朝食はめったに撮らないし、昼食は食べない。夕方にだけ食べるか食べたい物を食べたい量だけ食べるそうです。ヴィム・ホフメソッドを実践する多くの人が、自然に食事法を変えていくそうですが、ヴィムは積極的に進めていないそうです。

ヴィムの弟子、ジャック・エグバートが見つけた「断食5食事法」はヴィムの食べ方によく似ているとの事で取り上げられていました。

断食後、食事方は元軍医のバート・フェリングによって提唱されたそうです。大型哺乳動物は一日に一回しか食べないことが多いということに、ヒントを得て。1日5時間だけ食べる方法を1か月チャレンジしました。
太りすぎていた体がみるみる減量し、血圧が下がり、歯茎の腫れも引いたそうです。カロリー摂取量を制限してはいないそうですが。すぐに食べる量が自然に減るそうです。だからこそ、栄養価の高い食べ物を中心に摂ることが大切で。ばっかり食べではなくて、多様性を持つことを勧めているそうです。

流行りの16時間断食と似ていますね。1日5時間なので19時間断食。
フェリングが実践時には17時~22時の間で食事時間を設定したようですが、体内時計の観点から、個人的には朝食をとることをお勧めします。
16時間断食でも、女性の場合は12~14時間断食に減じて良いので

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12時間断食の場合 8時~20時
14時間断食の場合 8時~18時
16時間断食の場合 8時~16時
19時間断食の場合 8時~13時

12時間断食ならば、楽勝な気がしませんか?

ヴィム・ホフ呼吸法についてもっと知りたい方は

本を手に取ってみてください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

NAMASTE

Let’s enjoy moment (^^)/

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「 ヨガ × 予防栄養学 美しくなる人を増やす 美月 」

Twitter: https://twitter.com/hiroshimayoga

Note:https://note.com/mamayoga

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