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今日のありがとう

こんにちは、たまごごはんです!

夜の静けさが訪れる頃、寝室の薄暗い明かりの下でサンボは布団にくるまり、ふわっとした笑顔で「今日も楽しかったね」と言いました。

「楽しかったね」と言える夜が訪れるたびに、私はほっとします。朝から忙しい日々、学校や宿題、家事や仕事に追われて、つい「次はこれ」「早くしなさい」と言ってしまうことがある。それでも、こうして一日の終わりに息子が笑顔で「楽しかった」と言ってくれるのは、母としての救いでした。

「今日はね、サンボが『ありがとう』って言ってくれたのがうれしかったな」と、私は優しく声をかけました。

その言葉にサンボは少し照れくさそうに目を閉じながら、「だって、ママが抱っこしてくれたのがうれしかったんだもん」と小さな声で言いました。その瞬間、胸の奥がじんと熱くなり、なんだか泣きたくなるほどの幸福感が私を包みました。

昼間のことを思い返しました。サンボが公園で転んで泣きそうになったとき、何も考えずに手を取って「大丈夫だよ」と膝をさすり、そのまま抱きしめた瞬間がありました。「痛いの痛いの飛んでけ」と軽く冗談を言ったら、サンボは泣き顔のまま笑って「ありがとう」と言ったのです。たったそれだけのやり取りなのに、彼にとっては特別な瞬間だったのかもしれません。

子育ては、どうしても反省が先立つものです。もっと優しくすればよかった、あのとき叱らずに励ましてあげればよかった――そんな後悔ばかりが頭をよぎる。それでも、子どもはこんな小さな「ありがとう」や「楽しかったね」の一言で、親の心を救ってくれるのです。

私はサンボの髪をそっと撫でながら、「ママもね、今日サンボがいてくれて本当に幸せだよ。ありがとうね」とつぶやきました。

その言葉に返事をするでもなく、サンボは安心したように息を整えて眠りに落ちました。寝息のリズムが心地よい音楽のように聞こえ、私は胸の奥に残ったあたたかさを感じながら、サンボの隣でそっと目を閉じました。

「ありがとう」を言える日々がある幸せ
この「ありがとう」がある限り、私は明日も頑張れる――そう思いました。忙しい日常の中で、ふと立ち止まって「今日も楽しかったね」と言い合える瞬間をこれからも大切にしたいと強く思うのです。

母と子、親と子どもの間にある「ありがとう」の言葉。その一言は、何よりも特別な絆を感じさせる魔法の言葉かもしれません。そして、それを交わすたびに、私たちはお互いに愛を確認しているのです。

まとめ
このエピソードから得られるのは、親子の何気ない日常こそが一生の宝物になるということ。忙しい毎日でも、少し立ち止まって「ありがとう」を伝えることが、親子の絆をより深めるきっかけになります。

心が震えるような感動は、大げさな特別な出来事から生まれるわけではありません。小さな出来事の積み重ねが、後に振り返ったときかけがえのない思い出となるのです。

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