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忘れられない一日

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1歳になった直後のこと。
末っ子が階段から落ちて、生えたての下前歯を4本、歯槽骨折。


我が子の歯の根っこを見たことがある人は、どのぐらい居るのでしょうか...。


あの日から5年。


今日、初めて乳歯が抜けました。
あの時、なんとかギリギリ持ち堪えた入歯が。



この一本目の生え替わりは、
ただのおめでとうじゃない。


あの時、全身麻酔でオペするか
それともボンドでの固定に留めておくか。

結局、「4人のフラフラの酔っ払いに肩を組ませるように、ボンドで固定する」との決断を下してくれた院長(元理事長)のおかげで、今があります。



「但し、次ぶつけたらどうなるかはわからない。
そもそも、このまま固定できたとしても、神経が無事かもわからないし、永久歯が無事かも生えてみないとわからない。乳歯自体、生え替わりの時期よりもっと手前で抜けてしまうかもしれない。」



そんなことを言われたあの日。



不運にもコロナ大流行の始まりで、5歳と3歳の上の子と四六時中一緒にいることとなった時期。

伝い歩きで動き回る子どもを前に必死で転ばぬように見守り続け、ほんとに生きた心地がしなかった。


あの日、真剣に真剣に息子の事を想い、考えてくれた小児歯科の先生方と、本人の備え持ったエネルギーにより、今日まで持ち堪えてくれた乳歯です。



今日の診察台は、あの時と同じ一番奥の8番ベッド。


1歳だった我が子を前に、夫婦で涙目になりながら先生と話したあの場所で、ニコニコ口を開ける我が息子を見てまた泣けてきました。




帰り際、よかったねと抱擁してくれた理事長先生。



あぁ、こうゆう人でありたい。
目の前の人と真剣に向き合い、
未来の幸せを願い、
一緒に成長や進歩を喜べる人でありたい。



そう、心から思いました。



あの悪夢の日のことが
ずっと心に引っかかっていて、


ちゃんと乳歯は保たれてるけど、
まだ下にある永久歯がどうなっているのかは
生えてこないとわからないと言われたこともあり、


歯医者さんに行く度に「どうですか?」
と聞き続けていたのですが、今日見えてきた永久歯を見る限りは大丈夫そうと言われ、心底ホッとしました。



〝階段からの転落は親の不注意〟

そう誰かが言っていたのがずっとずっと心にのこっていて。

わかっていたのに、一瞬の気の緩みから起きた事故で。


本当にあの日のあの瞬間を思い出すと心がギューーーっとなり、申し訳なさでいっぱいになる日々でした。



でも、今日という日があの日の悪夢とセットになって、これからは少し思い起こしても大丈夫な想い出に変わった気がします。




子育てしていると、色んなことがある。

本当に色んなことがおきる。

自分のこと以上に辛くなる出来事も数知れずある。


親なのに、
大人なのに、
沢山沢山失敗して、後悔する。



だから、今日も一日元気でいてくれて、
無事に寝顔を見られていることは、
とっても幸せなことだなぁと思います。



そんな忘れられない一日の
覚え書き。




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