股関節の違和感
今日は股関節のお話。
股関節の違和感を訴えられるママもよく来られます。
先日いらした方は、股関節に加えて腰や膝にも痛みが出てきて気になるとのこと。
「昔整体で、股関節の開きが悪いと指摘されたことがある」
とのことでした。
姿勢評価をすると、すぐに気づくことが。
それはX脚です。
O脚は膝と膝が離れている状態。
それに対してX脚とは膝と膝がくっつくように近く、太ももから足部にかけてがXになっている状態を言います。
X脚の場合、腰部が反っていることが多いです。
このママもそうでした。
ベッド上でうつ伏せになって頂き、股関節の前捻角というものを調べる簡易的な評価を行ったところ、どちらも標準よりも前方へのねじれが強いことが見て取れました。
つまり、元々生まれ持った骨格的な形状(もしくは、幼少期の習慣により形成されたもの)として骨頭のねじれが標準よりも大きいことを示します。
股関節は、骨盤側にあるカップに、大腿骨側にあるボールがはまるようにして構成されています。
そのボールがカップにしっかりはまるように、ボールの下部分(頸部)がねじれているのですが、生まれつきそのねじれが大きかったり、逆に小さかったりしている方もいます。
骨盤のカップ自体が浅い方に多いようです。(臼蓋形成不全)
でも、そういった形態であっても股関節を安定させるためには、無意識のうちになんとか対応しようとします。
その際、腰を反ったり丸めたりして骨盤を傾斜させることで対応しているのです。
ということは・・・
今回のママもおそらく、こういった理由から腰を反ることで対応しており、痛いからといって、あちこちの筋肉を闇雲にほぐしても、改善しないということです。
X脚があるからといって、膝を真っ直ぐにしようとしても、それは根本的な解決にはなりません。
なぜなら、生まれ持った骨、骨格の構造に対して適応させるために取ってきた彼女なりの戦略だからです。
では30年近くその戦略を取って問題なく過ごせていたのに、なぜここにきて痛くなったのか。
それを考えなければいけないと思っています。
現在産後9ヶ月。
お子さんはぐんと体重が増えました。
絶賛ハイハイ期。
床での生活に付き合って、立ったり座ったり。
そういった背景を想像しながら、どこにアプローチするのが重要かを見つけていくようにしています。
どこを緩め、どこを鍛えるべきなのか。
どういった動作で育児をしているのか。
むずかしいことを書きましたが、つまり言いたいことは
生まれ持った骨格は人それぞれ。
それに対して、無意識のうちに対応している。
ということ。
時には歪みだったり、左右差だったりというのは、その方の生まれ持った骨格や過去の既往歴における対応策として取っている戦略である場合があるのです。
それら歪みを完全に治そうとすることで、別な不調が出ることも多々あります。
歪みをもとに痛みや不快感がある場合は、もちろん改善を求めていくのは必要なことです。
でも、そうでない場合は、見かけ上の問題に囚われすぎず、きちんと専門家の評価を受けた上で、それがどこまで問題なのか、自分に取って必要なことはなんなのかを見極めることが大切です♪