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映画は将来なくなるのか?〜サマーフィルムにのって

夏休みバンザーイ!!!

いくつになっても、夏休みが楽しみなのは変わらない。

しかし今年の夏休みもどこか遠くに出かけられるような状況ではない。それでも日常ではない非日常へ、せっかくの夏休みだから行きたいと思う。

そんな時こそ「映画」だ。映画はたった数時間だけど、非日常の世界へ連れて行ってくれる。常にスマホで現実世界と繋がってしまうこの時代に、別の世界に没入できる2時間は貴重である。

そんな夏休み満喫のために見に行った映画が『サマーフィルムにのって』だ。

高校3年生で時代劇大好き少女のハダシは映画部に所属しているが、
映画部は「キラキラ恋愛映画至上主義」のため、撮りたい映画が撮れずくすぶっていた。友人のブルーハワイ、ビート板からは「それでも時代劇撮ったらいいじゃん」と言われるも、イメージにピッタリの主役がいないから、となかなか映画を撮らずにいた。

そんなある日、彼女の前に現れた凛太郎は、まさに主役にぴったりな好青年。すぐさま仲間を集め、映画撮影に向けて走りだし「打倒ラブコメ!」を掲げ文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。しかし凛太郎には誰にも言えない秘密があって・・・。

というような、夏の匂いが立ち込める青春ど真ん中の映画だ。観終わったあとに、期待通りの爽やかな夏を感じられる作品だった。

この映画で一つ勉強になったことがある。
(ここからネタバレがあります)


あらすじで書いたように、主人公のハダシは自分たちが撮った映画をゲリラ上映して「キラキラ恋愛映画至上主義」の映画をぶっ潰そうとする。

しかしそのことが話の流れからキラキラ恋愛映画至上主義チームにバレてしまい、すんなり文化祭での「2本上映」が決まるのである。

この展開を観た時に、「こんな青春もあるのか!」と驚いた。

途中まで「意見が分かれたら、勝負して決める」という青春部活映画っぽい展開を期待していた。『ピンポン』や『ちはやふる』みたいな。

しかしそうではなくて「皆んな一緒に頑張る」という考え方もあるのだ。

その感覚になれる人がいるのはおそらく、自分の好きなものがはっきりしていて、大勢と一緒になることが少なくなったからだと思う。

分かりやすく言うと、以前は「スポーツチーム何が好き?」というと「巨人」か「阪神」だったものが、今の時代は「鹿島アントラーズ」「アルバルク東京」「サントリーサンゴリアス」・・・とバラバラ過ぎるので、「じゃあ皆んなで応援しよう」という発想になりやすいのだと思う。


とはいえ、「好みがバラバラになりすぎること」は映画にとって良いことなのだろうか。

どんどん自分が好きなジャンルや作品が細分化されていって、一つ一つは自分の好みだったとしても、その映画は儲かるのだろうか。細分化すればするほど、観てくれる人も絞られて、興行収入が伸び悩むのではないだろうか。そうなったら、鑑賞料金を10倍とかに上げないといけないかもしれない。

もし将来、映画がなくなる可能性があるなら、例えば「2時間が長いから観られなくなる」という話ではなくて、
オートクチュールの服のように高級品になりすぎて縮小していく・・・ということになるのではないか。

そうならないように、好きそうな映画は今から劇場に足を運んで、お金を落としていきたいな、と思った。

たくさん映画を見る夏休みにするゾ!と思った矢先、胃腸炎になってしまい休みの後半をベッドの上で過ごしてしまった。

やはり現実世界には勝てないのか・・・。


文:真央
編集:円

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