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変える/変えない問題を解決するたった一つの方法

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。

今回のテーマは「#ヘアースタイル」です。

変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。

変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。

そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

この文章は『ラインホールド・ニーバーの祈りの言葉』(大木英夫 訳)というらしい。「言い得て妙だな」と心に留めておいた言葉が「#ヘアースタイル」について書こうとした時に蘇った。

学生の頃から髪型が、ほぼほぼ変わっていない。これまで色々な美容室に行ってきたのだが、長さだけ伝えて「お任せで」と言うと、いつも同じ髪型になるのである。(今の美容師さんとは長くて5〜6年は切ってもらっている)

特にヘアースタイルを変えたい願望はないものの、歳を重ねれば重ねるほど、変えられなくなっていく。

ヘアースタイルだけではない。慣れ親しんだ街から知らない街に引っ越すとか、新しいお店を開拓するだとか、別業種へ転職するだとか。歳を重ねれば重ねるほど、変えられないことが増えている。

先述の『祈りの言葉』になぞらえるならば、大人になるにつれて勇気を失って、冷静さを身に着けているのかもしれない。
しかし勇気と冷静さを兼ね備えることは出来ないものだろうか。

そんな悩みの答えとして『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』を紹介したい。

殺し屋女子2人組のモラトリアムな日常とハードなアクションのギャップで人気を集める、阪元裕吾監督による青春アクションエンタテインメント「ベイビーわるきゅーれ」の第3弾。前作で殺し屋業界に名をとどろかせた主人公の2人が、最強の敵と対峙する姿を描く。

映画.comより

20歳になったばかりで、ゆるくルームシェアをしながら生きている二人だが、やっている仕事は殺し屋。常に死と隣り合わせで、文字通り身を削って生活をしている。

彼女たちに「変えるだけの勇気」があるかと言われればそうではなく、変わらなければ死ぬ時には変わる。(ただし嫌なことはしない。)
「受けいれるだけの冷静さ」があるかと言うとそういうわけではなく、受け入れなければ死ぬ時には受け入れる。(ただし嫌なことは受け入れない。)

彼女らに「識別する知恵」はなく、変える変えないの判別は「大好きな相棒がどう思うか」という、その一点だけである。
しかしこのおかげで、勇気も冷静さも手に入れようとしなくとも、人生の荒波を超えていっている。

この価値観は2人が特別なわけではなく、令和的な価値観なのだろうなと思った。
映画の中で平成的な価値観代表として前田敦子が上司役として登場する。彼女は「仕事にプライドとかないわけ?」と彼女たちに発破をかける。
「仕事にはプライド」というような内発的動機で行動する前田敦子と、好きだという衝動で行動する彼女たち。
これからの時代は後者が変わる理由としてスタンダードになるのではないだろうか。

そういうわけで、今日も私はヘアースタイルを変える/変えないを気にせず、好きな帽子を被るのである。

執筆:真央
編集:otaki
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