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恋愛映画が苦手なアナタにこそ薦めたい『友だちのパパが好き』
恋愛映画は好きだろうか?
この世には数え切れないほどの恋愛映画が存在し、胸キュン系からセツナイ系まで、その内容によって細かく分類されている。
さらにアクション映画やホラー映画であっても必ずと言って良いほど恋愛要素は存在し、それらも含めるすると星の数ほど恋愛映画が存在する。
だから今回の日刊かきあつめのテーマ「恋愛」は、どの映画を題材にしようかとても迷った。
サマーとの500日についても良いし、認知症の彼女に物語を読むのも、大女優と本屋の青年の恋も良い。君の膵臓を食べても、グランドキャニオンで愛を叫んでも、50回ファーストキスしても良い。
しかし世の中には恋愛映画が苦手な人もいるだろう。
気持ちはわかる。なぜなら筆者も前は恋愛映画が苦手だったから。
「恋愛なんて人それぞれだし、なぜ知らん人の恋愛を見て盛り上がるのか分からん」そう思って、恋愛映画を避けていた。
そんな時にたまたま観た恋愛映画が『友だちのパパが好き』である。
(※filmarks.comより)
あらすじはキャッチーなタイトルの通りで、次の春から大学進学が決まった女子高生・妙子(岸井ゆきの)の友だちであるマヤ(安藤輪子)が、妙子のパパ・恭介(吹越満)のことを本気で好きになるお話。
ありえそうで、ありえない、でもやっぱりありえるんじゃないか?という設定、そして登場人物たちの関係性が、人それぞれであるはずの恋愛に潜む「共通点」を教えてくれる。
ネタバレをしながら彼らの関係性を紹介しよう。
(ネタバレが嫌な方は映画を見て、その後に読むと共感できるかも!)
まず妙子の両親、つまりパパとその妻・ミドリ(石橋けい)は、妙子の大学進学を機に離婚を考えていた。理由は恭介の不倫。ハヅキ(平岩紙)という愛人がいたのだった。しかも実は妊娠している。(恭介も知らなかった)
そのドロドロな家庭状況に入り込んできたのが妙子の友人・マヤである。マヤには元々別のおじさん彼氏がいたが、妙子の家でパパに会ってから一目惚れをする。
両親の離婚騒動で家族に嫌気がさした妙子は思わず「あんな、父親くれてやるよ」とマヤに言ってしまったことで、娘に後押しされたと勘違いしたマヤは隠すことなくパパに猛烈アピールをかける。その結果パパとマヤは、娘、妻、愛人の3人に隠れてどんどん親密になっていく。
そして物語の終盤。マヤの元カレおじさんが逆上して、パパを包丁で刺してしまう。
そこに駆け付けたマヤは意識朦朧とするパパを見て発狂し、パパに刺さっていた包丁を手に取り、驚きの行動に出る―。
恋愛なんて人それぞれだ。しかしその中に必ず何かしらの「狂気」が潜んでいる。恋愛をしている二人は熱く、周囲の人たちは冷ややか。最後の病院のシーンが、恋愛とは何かを端的に表している。
恋愛映画が苦手だという人もその恋愛に潜む狂気に注目しながら観ると、また違った面白さがある。
まずは『友だちのパパが好き』からご覧になってはいかがだろう。
”恋に狂うとは、ことばが重複している。恋とはすでに狂気なのだ。”
ドイツ詩人 ハインリヒ・ハイネ
編集:アカ ヨシロウ
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