会わなくても済むこの時代に
今年1年を振り返るとトピックは山のようにある。その中でも一番大きいのは「大学院に入学した」ことだ。
さすがに大学院に通いだすと生活がガラリと変わった。とりわけ、仕事をする時間が短くなったことと、明け方まで酒を飲むことが減ったので、身体的に健康になった(と思う)。
今年から大学院に行くことにして良かった。昨年まではコロナの影響もありオンラインでの授業が多かったらしい。もちろん、そのおかげで今もオンラインで授業を受けることもできるのだが、やはり直接会って授業を受ける方が圧倒的に良い。
自粛が解禁されて、ようやく平穏な暮らしが戻りつつある2023年。とはいえ、以前と同じような状況に戻っているとも思わない。
会えない間に、会わなくても良いことは会わない、と出来るようになった。顔だけではなく、心にもマスクをしている人が多くなった。見えていなから複雑性は増していき、複雑さに耐えきれなくなったコトから、分断が起きているのではないか。
会わなくても成立する世の中で、もう一度ちゃんと会おう。『愛にイナズマ』はそんな映画だと思う。
ストーリーはもちろん、豪華俳優陣の小気味良い掛け合いと、時代のブラックユーモアが沢山あって面白い。
この映画の石井裕也監督のコメントがまた良い。
家族と会う。友人と会う。新しい人たちと会う。会わなくても済むことが多いこの時代にあえて会うことは、その人の本質を引き出して、さらには自分の本音も引き出してくれる。どれだけ情報技術が発達しても、そのことだけは変わらないのではないだろうか。
自分にとっての今年の漢字は「会」。ようやく色々な人たちに気兼ねなく会えるようになった。来年はどんな人たちに「会」えるだろうか。
それでは今夜も忘年「会」に行ってきます。
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