センター試験に失敗してから私大に切り替えて合格した僕が、試験までの2週間にやったこと
「あ、ダメだわ・・・」
急に頭の中が真っ白になった。目から入ってくる情報を脳が全く受けつけない。さっきまで読めていた文字が理解できなくなった。思考停止とはこのことを言うのだろう。
2010年1月。当時高校3年生だった僕は某国立大学を目指して必死に勉強していた。高校3年生の秋ごろからは出席日数が卒業に足りているとわかり、学校に行くのを止めて朝から晩まで予備校に通っていた。
あんなにストイックに勉強していたのは、後にも先にも人生でこの時だけだ。(ただ、その国立大学に行きたかった理由は「家から近かった」からだけど。)
詳細の説明は省くが、目指していた国立大学はセンター試験の5教科6科目で、平均85%以上出来ていれば合格することができる。
数学と英語が苦手だったので、勉強時間の大半は費やした。他の大学は一切見ずに「センター試験で5教科6科目85%以上」だけを目指して勉強した。
センター試験が終わり自己採点をしたところ、平均75%。自己採点とはいえ、これはどうひっくり返っても合格には遠く及ばない。
終わった。
「センター試験で5教科6科目85%以上」だけを目指していた僕の大学受験は、あっけなく終了したのだ。
一通り落ち込んだところで、「浪人はどのように勉強を進めたら良いか」を相談するために塾の先生のもとへ行った。しかし見事に言いくるめられ、私大も受験することになった。
この時すでに1月下旬。私大入試が始まる2月上旬まで2週間を切っていた。それまで一切、私大の入試対策をしてこなかったため、他の受験生が1年かけている対策を、たった2週間で全てやる必要があった。
そしてこの2週間にしたことが、のちに塾内で語られる(?)「奇跡の逆転合格」を起こすのであった。
2週間でしたこと
・志望校を絞る
他の大学を一切見ていなかったので、まずは大学を決めるところから始まった。塾の先生と相談をして、GMARCH(学習院大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)に絞ることにした。
もともと国立大学では経営学部を目指していたので、同じような学部を探す。ただそれまで全く考えていなかった大学なのでよく分からず、結果的に入試問題で決めることになった。
私立文系の受験科目は英国社の3科目が多い。その中でも英語は他に教科に比べて配点比重が高い場合が多く、私立文系にとって英語が最重要科目になる。
しかし僕の場合は恐ろしく英語が苦手だったので、なるべく英語の比重が少ない大学を選ぶしかなかった。(英語の偏差値は40代だった。それでよく国立目指したな、と今でも思う。)
・苦手科目が足をひっぱらない方法を探す
その結果、学習院大学、明治大学、中央大学の3つに絞られた。
学習院大学は英国社の比重が1:1:1で、明治大学、中央大学は英語試験に自由論述がある、という理由で選んだ。
なぜ英語が苦手なのに自由論述を選んだかというと、知っている英語を正しく書ければ大きな失点にならないからだ。そして、この2校の問題は比較的簡単だった。
この2週間の英語対策は、同じ偏差値帯の赤本(大学ごとに過去問をまとめた本)を集めて論述問題を解くことに集中した。「知っている英語だけで、正しい文章を書く」は、これまでの暗記ばかりの受験勉強とは違って楽しかった。
(解いた問題を全て採点してくれた先生には今でも感謝しています。)
・得意科目は大学のクセを研究する
さて国語と社会はというと、国語はそこそこ、社会(世界史)は得意だったので、赤本に載っている試験をすべて解いた。
受験しない学部の試験も解くことで、その大学の出題傾向がわかった。(入試問題は全学部分を、特定の大学教授が作っているので出題傾向が偏る、らしい)
大学ごとに傾向を紙にまとめていき、出やすい語句、聞かれやすい問い、引用されやすい文献の傾向を覚える。最後には問題用紙だけで何大学かわかるまでになった。
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やったことは、正直めちゃめちゃオーソドックスだ。ただ2週間はこれだけに集中した。
もともとMARCH合格圏の学力があったわけではない。塾の先生にも「もう少し学力が下の大学を受験した方が良いのでは?」とも言われた。
しかし入試を受けると移動などで半日以上を潰してしまうし、いわゆる「滑り止め校」を受けてしまうと、そこに合格したら妥協してしまうと思った。
結果、見事に戦略勝ちをし、中央大学に現役で合格した。
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これはただの一例に過ぎないし、誰にでも当てはまることではない。
それでも言えることは「最後まで何が起こるかわからないが、やったから何か起きた」ということ。それは受験だけでなく、あらゆることに言える。
これからセンター試験の人も、センター試験が終わった人も。
諦めるのはまだ早いぞ!
編集:アカ ヨシロウ