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ラーメン屋で祈る

息子が部活の大会を終えた。

ガチガチに緊張してピリピリし、親も遠ざけ、迎えた本番。

本番当日の朝になって応援を拒否された夫と私は、手持無沙汰で、ラーメンなど食べに行った。

休みまで取って、応援に行く気満々だった夫は、ラーメン屋でヤケ食い。

私は、息子がうまくやれているか気になって、あまり食べられず…。


子どもが本気の戦いに挑むとき、親の応援を拒否することがある。

親とすれば、悲しい。

でも、かつての自分もそうだった。

目の前のことに精一杯で、親の気持ちを汲んでやる余裕のなかった、高校生の自分を思い出す。

だから、息子だって、それでいいのだ。

まだ高校生だもの。

親が行かない方が頑張れるなら、それはそれで良し。

どうか力を発揮できますようにと祈るのは、ラーメン屋でだってできる。


ラーメン屋で祈ったことは内緒だけれど、その祈りが通じたのか、息子達は勝った。

帰ってきた息子には、クタクタな疲労感の中に、いつもの笑顔が戻っていた。

我が息子ながら、なかなかに魅力的な、いい顏をしていた。


これから次の大会まで、また部活部活の日々が再開である。

しんどいけれど、次の大会へ進めることになってホッとしたので、がんばれるそうだ。

母は、ホッとしたので、味のわからなかったあのラーメンを、もう1度食べ直しに行く。





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Maman
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