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最後のレッスン

5月の末日。今日をもって師匠の元から独り立ちすることになっている。最後のレッスンを受けた。馬の扱いに慣れるまで(おそらく師匠の想定では数週間)のはずだったが、私の乗馬があまりにも危なっかしいので、結局4ヶ月超に渡りレッスンをしてくださった。言葉に表せないほどに感謝している。

レッスンの内容はいつも通り。様々な歩様の移行と停止、巻乗りや手前の転換、今日は駈歩でも少しスピードをはやめて乗った。できないことはいっぱいあるが、あとは自分でこれまで師匠に教わってきたことを自分の体に染み込ませる地道な努力をして行くことになる。師匠からはなんかおかしい、できていないと思ったら、そのまま続けずに、一度きちんと乗れる常歩に落として、1つ1つ積み上げて行くように。そして何より楽しむことです! とアドバイスを受けた。

何も知らずに...

何も知らない愛馬はいつものようにゆったりと馬房で過ごしていた。これまでも馬装をしながら、もうすぐ別の牧場に行くと話していたが、わかるはずないよね。青草、美味しいね。

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移動

そして出発。今回の乗車時間は10分もない。スタッフの方が馬運車を借りて、運転してくれた。

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私も後からついて行く。

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放牧

到着するなり放牧地に一度放したのだが、隣の1歳牝馬たちが野次馬で集まってきたからたまらない。これまで見たこともないほどに興奮し、泡を吹くほどだったので、牧場の方の判断で馬房に入れることになった。今日の放牧は一瞬で終了。

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嘶き続ける

馬房の中では全集中の呼吸をしては、嘶き、ぐるぐると回り、ここはどこ? 安全なのか、誰か答えてくれーと言わんばかりにまた嘶く。不安で早くなっいる鼓動が聞こえてくるようだった。

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今日からここが家なんだよ、となだめてみても、私の声は安心をもたらすどころか、聞こえてないかも。それでもしつこく話しかけて、愛馬自ら、落ち着き始めたのを確認して家路についた。

明日からどんな珍道中が始まるのだろうか。浦河での新たな章の始まりだ。

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