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嵐が丘

今朝、カーテンを開けると霧に包まれ、「ヒースクリフ」と聞こえてきそうだなと思った。

何十年も耳に残っている

映画「嵐が丘」(1939年制作のもの)をおそらく小学生の時に観て、怖くて訳がわからなかった映画として妙に記憶に残っており、特に霧の中で「ヒースクリフ」と恋人を呼ぶ声が耳に残っている。

Wuthering Heights

小説「嵐が丘」は世界の3大悲劇として知られているそうだが、原題が「Wuthering Heights」。Wutheringは風がビュービューと吹くことを表す単語で、これを「嵐が丘」と訳したのは名訳と言われている。日本語の響きもすごく良いと思う。

Wuthering Wind

今いる家は丘の中腹くらいにあり、海からの風をまともに受けるので、まさにwuthering windが吹きすさぶ。だから「ヒースクリフ」を思い出したのだと思う。

観直し

どんなストーリーだったかは覚えていなかったので、気になって、映画を再度観てみたら、霧の中ではなく、雪の降る、まさにビュービューと風の吹く夜に「ヒースクリフ」と亡くなった恋人キャシーが呼ぶ場面が最初の方に出てくる。白黒の映画で、しょっぱなから怖かったのだな、きっと。

階級差

時代設定は1801年で、当時、屋敷のお嬢様と馬丁が恋に落ちるなど許されない、常軌を逸している、というところが全くわからなかったのだと思う。階級の違いは、現代に生きる日本人の私にはよくわからないが、先日紹介した「フランバース屋敷の人びと」も馬丁とフランバースの後継者の女性が結婚するのだが、周囲の人びとに受け入れられず(イギリス版村八分的な感じだ)、結婚したけどうまくいかない様子が書かれていた。今なら、なんとなく理解できるが、小学生の時にはさっぱりわからなかった。

名作

しかも愛しているのに、口汚く罵ったり、復讐をしたりと、その辺もわからなかったのだろう。今回、映画を観て、ようやく理解できたし、映画はコンパクトにまとめてあって、白黒(カラーの映画が出始めていたのに、白黒を選んだようで、アカデミー賞の撮影賞を受賞している)映画で、全体にトーンが暗い(悲劇ですから)とはいえ、最後まで惹きつける、今見ても良い映画だと思う。馬に乗っている姿も見られるというおまけ付き。

浦河嵐が丘近辺

タンポポが綺麗だ。こういう一面タンポポが咲くような空き地って東京にはないなと思った。

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元浦川では釣りをしている人がいた。この眺め。なんかいいなぁ。

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浦河版嵐が丘は今日も穏やかです。

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