道明寺と長命寺のような関係
昨日の「行き当たりばっ旅」の続きを書こうかと思ったが、今日は桃の節句、ひな祭り。
ということで、桜餅を目の前に思ったことを。
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なぜか最近、ひな祭りに合わせて大々的に売られている桜餅。
端午の節句、こどもの日に柏餅を食べるから、それに合わせてこの時期旬の桜餅をひな祭りに食べるようになってきた説とか。
桃の節句、桃色、ピンク、桜色、桜餅、という連想ゲーム的に買う人が増えた説とか。
他にも諸説あるようだけれど、まぁ正直、理由はどうだっていいのだ。
だって私は桜餅が大好きだから、食べられる口実があれば、なんだっていいのだ。
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私は関西出身で、桜餅と言えば、もちろん「道明寺」な人間だ。
小学校時代、そして一人暮らしで働いていた数年、関東に住んでいたのにも関わらず、関東風の桜餅のことを全く認識していなかった、筋金入りの「道明寺派」である。
小学生時代は、母が、関東にいても道明寺を買ってきていたのだろうし、社会人になってからは、私自身、関東風の桜餅をお店で見かけていたとしても、私の中でそれが桜餅だと繋がっていなかったのかもしれない。
だって、私のそれまでの「桜餅」は、100%「道明寺」だったのだから。
しかし、旦那さんは関東人である。
もちろん桜餅と言えば関東風を思い浮かべる。
その二人の間に生まれた娘はと言うと…
「両方とも好き!」らしい。
(どちらか選ばないといけないなら、道明寺派、とのことらしいが(笑))
結婚してから、私は初めて、両方の桜餅を買った。
そして、お互い好きなほうを1つ食べるのではなくて、半分ずつに分けて、それぞれの味を楽しんだ。
旦那さんは「道明寺」を食べたことはあるようだったが、私はそのとき初めて、関東風の「長命寺」桜餅を食べた。
うん。
これはこれで美味しい。
道明寺のおはぎ感とは違う、全く別の和菓子感なんだけれども、餡と桜の葉の塩漬けの味や、桜をイメージした色味、という共通点もある。
これも桜餅なんだなぁ。面白いなぁ。
そう感じた。
違うところもあるけれど、同じところもある。
春らしさをまとい、春を提供してくれることに変わりはない。
ふと、
私と旦那さんも、同じなのかもな。
と思った。
育った土地、場所、環境、習慣。
違うところがあるのに、すごい似ている!と思えるところもある。
似ていると思う部分があるのに、考え方の基本や、ときに価値観さえも、全く違ったりすることもある。
でも、だからと言って、それがどうだというのだ。
桜餅がどちらでも、どんな理由でも食べたら美味しいと感じられたのと同じで、どんな二人でも、どんな価値観や考え方でも、それが二人のためにあるものなら、過程はなんだっていいのではないか。
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今年、私は、トングでプラパックに好きな種類を好きな数だけ詰められる桜餅を買った。
道明寺と長命寺の桜餅が、それぞれの桶に、たくさんひしめき合って並んでいた。
道明寺を三つ。
長命寺を三つ。
家族みんなが、両方の桜餅を存分に楽しめるように買った。
道明寺と長命寺。
全く違うようで、似ているようなものが、パックに収まってスンと並んでいた。
うん、桜餅家族。
私たち家族も、そんな関係で、これからもそれぞれの良さを出しつつ、引き立てつつ、暮らしていくのかな。
そんなことを思った。