お金持ちになりたければ、先に与えることを身につけなさい
前回、「タルムード」がユダヤ人の知恵をぎゅっと集めた大切な書物であること。
この教えによって育ってきたユダヤ人が、どの民族よりも成功者が圧倒的に多いということ。
そんなお話をしたよね。
そんなユダヤ人の知恵を学んで、君たちもかしこく・豊かで・幸せな人生を送れるよう、今日からタルムードの中のお話をママと一緒に読んでみましょう。
物語を通して、なにが大切なことなのかを一緒に考えるのよ。
タルムードはただの読み聞かせの物語ではなく、自分の意見を考えて相手と話し合う、「議論」がそのポイントでもあるわ。
考えることで、君の生きる力になるの。
今日は、「魔法のザクロ」というお話ね。
さぁ、しっかり君の頭をフル回転させ、想像し、考えるのよ。
「魔法のザクロ」のあらすじ
あるところに3人の兄弟がいました。
そして3人は世界各地に旅に出て「10年後に宝物を一つ持って集まろう。」と約束をしました。
それから約束の日、3人はそれぞれの宝物をもってあつまりました。
長男:世界中が見渡せる魔法のグラス
次男:空飛ぶ魔法の絨毯
三男:不思議なザクロの実
(1つ収穫したら木が消え、二度と収穫できない貴重なザクロ)
長男の魔法のグラスを覗いていると、ある国の病気で苦しむお姫様を見つけました。
次男の魔法の絨毯を使って、3人はお姫様の元へかけつけます。
三男が貴重なザクロの実を半分お姫様に食べさせると、お姫様はたちまち元気になりました。
喜んだお姫様の父王は、3人のうちでお姫様が選んだ1人と結婚させてくれるというのです。
さて、お姫様はこの3人のうちだれを選んだのでしょうか?
「魔法のザクロ」に学ぶ、成功をつかむ人とは
君がお姫様なら、3人のうち、誰と結婚しようと思うかしら?
お姫様は、長男にこう聞きました。
「あなたは、その貴重なグラスで病気の私を見つけてくださいました。そのグラスは、今でも元のままですか?」
長男は答えました。
「はい、まったく元のままです。この通り、使えます!」
次に、お姫様は次男にこう尋ねました。
「あなたは、魔法の絨毯で私のところに駆けつけてくれました。その絨毯は、今でも空を飛べますか?」
次男は答えました。
「はい、まったく元のままです。このとおり空を飛べます!」
最後に、お姫様は三男に尋ねました。
「あなたは、私にザクロの実を食べさせて病気を治してくれました。そのザクロの実は、今でも元のままですか?」
「いえ、お姫様に半分差し上げましたので、今は半分しか残っておりません。」
そこで、お姫様は言いました。
「私は、この三男と結婚します。彼は、私のために大切なザクロを半分失ったのですから」
これがお話の結末よ。
お姫様との結婚という大きな成功を手にした三男。
このお話では「犠牲なくして、成功なし(ノーペイン・ノーゲイン)」という大切な原則を伝えているわ。
相手に先に得をさせると得られるもの
「ノーペイン・ノーゲイン」というのは、「失ったものの大きさと成功は比例する」という原則のことよ。
何の犠牲も払わずに成功できた人は、いまだかつて一人もいないわ。
三男が何の見返りもなくお姫様にザクロを半分差し出したように
「捨てるのが“絶対に”先」ということが絶対の絶対に原則なの。
「結婚してくれるなら、ザクロをあげるよ」
ではないということね。
貰ってから捨てるという順番は100%成立しないわ。
だけどみんな、そんなふうにやりがちね。
これを差し出したら別のものが得られる確証を持ってから捨てようとする。
そんなのずるいわ。
「結婚してくれるなら、いばらの森を危険を冒して助けに行くよ」
なんて言うせこい王子様、オーロラ姫も願い下げよね!
でも君たちはやってない?
「ゲームさせてくれるなら、もっとお手伝いします」
「弟がこれをしてくれるなら、僕はこれをします」
「お小遣いくれるなら、もっと勉強をします」
あれれれれ?心当たりしかないでしょ?
これではノーペイン・ノーゲインではないわ。
「魔法のザクロ」のポイントは、三男が「何の見返りもないのに、“自分が世界で一番不思議だと思う大切なもの”を差し出した」ところよ。
・得るために捨てる
・お姫様を見返りにザクロを差し出す
という発想ではなかったわね。
世の中で経済的に成功している人は「魔法のザクロ」の三男のように
何を得られるか「保証がない」状態で、自分の「信念」に基づいて、犠牲を払っているわ。
決して、お姫様に交渉したりしないの。
リスクをとって、先に差し出したからこそ得られるものが大きくなるわ。
ビジネスでの成功は必ずそうね。
先に相手を得させてあげるからこそ、次に君にもたらされる得が大きくなる。
最初から自分の利益だけを考えて、リスクを取ろうとしないところに成功などありえないわ。
だって、誰も得しないのに、君と一緒に何かをしたいと思ってくれるなんてことあり得ないのだもの。
君といると得をすると思われるように、まずは自分が損をしても相手に得させること。
それが、ノーペインノーゲインね。
大事なのは、そのぺインとなる”痛み・犠牲”を差し出す事柄や相手に対して、君が信念を持っているかということ。
誰かにやらされたり催促されたりしても、意味がなくうばわれることになるわ。
ペインだけでもダメということね。
大きな成功を手にするために、信念に基づいたペインよ!
その意味では、適正なリスクをとるための学びを得られるタルムード「難破船の3人の乗客」というお話もおすすめよ。
それはまた次回のお楽しみにしましょうか。
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