アトピー性皮膚炎の新しい内服薬
アトピー性皮膚炎の治療薬、オルミエントという内服薬についてお話します。
お子さんには処方できない薬なので、ご了承ください。大人の治療の記事ばかりになりすみません。
2020年12月からアトピー性皮膚炎に対して処方が可能になった内服薬で、12年ぶりのアトピー領域に対する内服薬になり、皮膚科医にとっても待望の新薬となります。
JAK阻害薬という、2017年に関節リウマチの患者さんに処方できるようになった薬で、国内での使用経験も多いため、安全性についても確認されています。
前提として、18歳以上のステロイド外用治療を行っても改善がない方に使用する内服薬なります。
1日1回、服薬時間は特に決まりなく内服できます。効果がでるのが早いのが特徴で、内服翌日にはかゆみが止まったという患者さんが多く、即効性があります。逆に1週間ほどで効果の感じられない方は効きにくい方かもしれません。1日分が1500円(3割負担の方)の内服薬ですので、1か月分で、45000円程度になります。かなり高価な薬なので、まず1、2週間ほど内服してみて、効果がでるかどうか確認してから長期処方してもらうといいと思います。
高額療養費制度をうまく利用すれば、もう少し安く処方を受けることができます。1か月の医療費がある一定額(年収によって異なります)を超えた場合に、その超えた額が支給される制度ですので、3か月分まとめて処方を受けることにより、高額療養費の適応になったりします。この額については収入や年齢によって変わるので、詳しくはオルミエント患者さんサポートプログラム、というLINEや電話で相談ができるサポート窓口を利用されるとよいと思います。
4mgと2mgがあり、4mgで開始し、改善がみられたら、2mgに減量することが可能です。2mgだと薬代も半額になります。
投与開始前には採血、レントゲンなど事前に調べておかなければならないことが多く、受診してすぐに処方ができる薬ではありませんので、担当の先生とよく相談し、準備して処方して頂いてください。