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絵本からやさしさが溢れ出す

小学6年生の頃、母からプレゼントされた絵本があります。

金子みすゞさんの『ほしとたんぽぽ』

それを見て子どもの私は、表紙の淋しげな女の子の絵が不思議だったのを今でも覚えています。

この絵本は私が、大学進学で一人暮らしをする時にも、就職してからも、結婚する時にもずっと近くに置いていました。

子どもの私が初めて読んだ時に衝撃を受けた詩が


「つもった ゆき」

うえの ゆき

さむかろな。

つめたい つきが さしていて。


したの ゆき

おもかろな。

なんびゃくにんも のせていて。


なかの ゆき

さみしかろな。

そらも じべたも みえないで。


この詩を子どもの私が読んだ時に、「この作者は何て優しい人だろう」「雪の気持ちが考えられるなんてすごい」「しかもただの雪じゃなくて、上と下と真ん中と、それぞれ想いが違うんだ!」「私もこんな風にいろんな人の気持ちが分かる大人になりたいなぁ」と心躍り感動した感覚。

大学生の私が読んだ時、今の私が読んだ時、この感覚はどんどん変わり

「こんな大人になれているのかなぁ」と考えてみる。

変わらないのは、この絵本を眺めるといつも、大切な何かが身体に染みていくような、暖かい空気に包まれて心も温かく。。。じんわり。


人や状況や世の中を、ただ『良い』『悪い』と決めつけず、その人やその状況の奥にある何かに、想いを馳せる。

見えなくてもあるものや、伝えられなくてもきちんとある気持ち。大切に「想いを馳せる」

母からもらった宝物。皆さんの宝物は何ですか?




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