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応援される人って

みなさんは、どんな選手を応援したいですか?
上手い選手ですか?勝てる選手ですか?
心から頑張れっ!と言える選手とは
どんな人ですか?

息子小学6年生の夏休み
強化合宿をした時のこと。
修学旅行気分で楽しく「お泊まり会」のつもりだった子ども達の期待を裏切り、「地獄」の様な練習が待ち構えていました。
朝から晩までもう一歩も脚が前へ出ない中、
1人、また1人と脱落していきます。
息子はキャプテンの意地もあり最後のダッシュまでやり切り床に倒れ込みました。
体育館にはコーチたちの拍手と「よく頑張った」の声。
子どもたちはもう声を出す気力すら残っていなかったと思います。
そんな中、体育館の隅でそっと泣いていた息子。
やり切った涙だったのか、辛かったのかわかりません。
その息子に1人のコーチが歩み寄ります。
肩を抱いて何やら話しています。
息子は涙を拭くと前を向いて
「片付けて風呂ぉ〜」と大きな声でいい
黙々とモップをかけ始めました。
体育館から宿舎への長い下り坂を「膝が笑って」1人では下っていけず全員で肩を組んで支え合いながら歩く子どもたちの背中が誇らしかったのを昨日の様に思い出されます。

あの時コーチが何と声をかけたのか後日息子聞いたところ
「苦しい顔をするな、涙を拭け。お前はキャプテンだ。
誰よりも走って、誰よりも声を出せ。人がやりたがらない掃除や準備を率先してやるんだ。そういう人をみんなは応援したくなるんだ」
と、背中を叩いたそうです。

息子が中学3年の初夏、U-17県選抜から声がかかります。国体の強化選手候補に選ばれたんです。
そのヘッドコーチがとてもバスケ以外のところを大事にする方で、「一緒に闘う仲間に敬意を持とう、バスケをさせてもらうことに感謝しよう」と良く言っていました。
使わせてもらう体育館は来た時よりきれいに、すれ違う人には気持ちよく挨拶。
プレイでは、審判に文句をいわない、コートから出たボールは走って取りにいく、ベンチはきれいに、そしてベンチも一緒に戦う。

大会や遠征で各地の名だたる強豪校と接する機会がありましたが、荷物はぐちゃぐちゃ、自分たちの出番以外は携帯でゲーム。
挨拶どころか、他のチームの悪口をいう、そんな学校も少なくなかったのも事実。

私は思うんです。
例えば
道に落ちているゴミを拾うとか
食事の時「いただきます」や「ご馳走様」がちゃんと言えるとか
目をみて挨拶ができるとか
人に親切にできるとか
そういう当たり前のことができる自分を好きでいられるとか
一見、競技には関係ないことを真剣に取り組める。
応援される人とは誰よりも努力し、
誰よりも感謝し
誰よりも謙虚な「人間力」の持ち主なのではないかと。
「できる人」じゃなくて「できたひと」

息子にはそういう人に
バスケを通してなってほしい、そう願ってやまないのです。


バスケを引退した後の人生のほうが長いのだから。


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