「幻想と怪奇」ショートショートコンテスト、からの。
2024年。第二回「幻想と怪奇」ショートショートコンテストが開催され、「あいのこ」で優秀賞をいただいた(ありがとうございます)。誌面への掲載に重ね、続けて、登壇の機会をいただいたので(ありがとうございます)、そのときの気持ちみたいなものを、忘れないうちに書いておく。
●SFファン交流会(6月22日(土)SFファン交流会)
●ホラーカンファレンス(7月14日(日)惑星と口笛ブックス)
ご依頼には正直おどろいたし「なぜわたしに」が最初にきた。その実、ずいぶん迷ったが、こんなにありがたいお話はなかろう、とどちらも参加させてもらうことにした。結論から申し上げれば、この選択は大優勝。いずれも、すこぶるたのしく、あたらしい扉のパンと開くような心地よさがあった。
とはいえ、SFにしても、ホラーにしても自分はまったく詳しくなく、己などより適した方も、お出になりたい方も、ほかにあるだろうに……とおもいながらの、おそるおそるの参加であった。根が真面目なもので。いや、もう、なんか、やみくもにさまざまを調べはじめたりもして、どつぼ。調べれば調べるほど知らないことしかないと気づくし、知らないことはどんどん出てくるし、登壇者のお名前を見返すたびにのけぞりそうになるし。で、日常業務が切迫する中、まったくちがうベクトルの、どえらい圧を勝手に感じておったのだが、怖れは、杞憂でしかなかった。いや、とはいえ、なんかもう「とはいえ」の連続であったが、せっかく呼んでもらえたのだから、とか、虚勢を張ろうとすると、たぶんだめ。とはいえ、わかっていても、期待に応えなければモードが入る。とはいえ、がちがちのまま当日を迎えれば、登壇者、参加者のあたたかさに迎え入れていただき、また場を設けてくださった方々の、ご親切やおおらかさに助けてもらい、なんというか、まじで「人間こわくない」気分に辿り着いた。「幻想と怪奇」「ホラー小説」といった、好きなものを軸に集まる、語らう場、互いに耳を傾け合う場にどっぷり浸ることができ、大変たのしかった。ご専門家の話はやっぱり面白いし、志のある創作者の意気には、心ゆさぶられた。
メモの作り方も、いちいち、真面目である。
登壇をきっかけに、自作に向き合い、掘り下げることができたのはありがたかったし、あわせて、何より、憧れの先生方、すばらしいつくり手の方々にお会いできたことは、この上ない幸福だった。もっと長く言葉を交わしてみたい、とも思ったし、読みたいものも爆増した。重ねて、これまでマルカフェでもささやかなイベントを催してきたのだけれど、こんな風に親切にできていただろうか、とか、来てくださる方々への感謝は忘れないようにせねば、とか、朗読イベントやっぱりいいよな、とか。運営の心得についても再考したり、またあたらしいことをはじめたい、と思ったりもした。ので、一緒にやりたい人、マルカフェでもやってみたい人ありましたら、お気軽に。
しらない世界は面白いし、誰かの大切にしている世界は、とてもうつくしい。
このたび、お声掛けくださった、幻想と怪奇編集室 牧原 勝志さん、惑星と口笛ブックス 西崎憲さん、またSFファン交流会運営のみなさま、ご一緒させていただいた登壇者のみなさま、参加者のみなさまに深くお礼を申し上げます。