「ビールのまち」札幌は、姉妹都市もビールのまち!
札幌の Beer+MaltWhisky バー「Maltheads」(モルトヘッズ)です。
札幌は「ビールのまち」
当店のある札幌は「ビールのまち」です。筆者が勝手に言っているのではなく、札幌市自身が公式に名乗っております。
https://www.sapporo.travel/beer-city_2013/
1972年の同じ年にドイツのミュンヘンとオリンピックを開催した縁からミュンヘンと姉妹都市となりました。それが活動の礎になっています。逆に言えば、取り上げられているのはミュンヘンだけです。
札幌は「世界のビールの首都」ポートランドとも姉妹都市である
ところで、札幌市の姉妹都市は5つあります。
■アメリカ・ポートランド市(1959年11月提携)
■ドイツ・ミュンヘン市(1972年8月提携)
■中国・瀋陽市(1980年11月提携)
■ロシア・ノボシビルスク市(1990年6月提携)
■韓国・大田広域市(2010年10月提携)
https://www.city.sapporo.jp/kokusai/sistercity/
「世界のビールの首都」や「ビアヴァーナ」とも言われる、かのアメリカ・オレゴン州ポートランド市とも姉妹都市です。むしろ、ミュンヘンよりも歴史があります。
アメリカには東海岸メーン州にもポートランドがあります。というか、オレゴン州の方の地名のルーツはそちらの街です(コイントスで決めたのだとか)。メーン州ポートランドもクラフトビールがたくさんあります。が、日本にはほとんど来てないので、日本で「ポートランド」と言えばオレゴン州の方を指します。
1950年代に「姉妹都市提携ブーム」が巻き起こったそうで、札幌=ポートランドは全国で10番目(意外と早い)の提携だったそうです。
そのポートランドに、ファントムブルワリー「シマイ・トシ」ができました。そこの「ユズ」がこのたび輸入されました。(醸造はゾイグルハウス)
ブルワリーの命名は、日本食の大好きなブルワーが「札幌がポートランドの姉妹都市であることを知っていた」からだそうです。
オ州酒ブログより
これには当店にとって一つの大きな感慨があります。太平洋を越えて、同じ思いを持つ人の存在を知ることができたからです。これは本当にうれしいです。
でも札幌の人はまだあまり知らない
当店は2013年の開店から「札幌を日本のビールの首都に!」というスローガンを掲げてきました。ポートランドが姉妹都市である、ということもその理由の一つです。
https://maltheads.net/photo/album/217058
札幌の囲み内「北海道はビール醸造所数が日本一」は当時のデータです。2018年以降は東京都・神奈川県に抜かれています。静岡県とどっちが多いかな? これもいつか書きます。
札幌に移住して間もなくから、そういうことにもともと興味があったので、ポートランド市が姉妹都市であることは知っていました。しかし、そこがビールのまちであることを知ったのは2012年ごろ(開店前年)だったと思います。
ガチのアメリカビアギークは「ふ。遅いね」と思うのかもしれません。
しかし、あとでも書くように、たった数年前でもビール自体はほとんど輸入がなかったのです。(そもそもポートランドに初めてブルワリーができたのは、姉妹都市提携よりも後、1980年代になってからです)
ミュンヘンが姉妹都市であることは、「札幌ドイツ村」(大通ビアガーデン)や「ミュンヘンクリスマス市」のおかげである程度市民にも知られていました。しかしポートランドに関しては、2013年ごろはビール好きでさえ「へ―そうなの?」という感じでした。
そこで「札幌を日本のビールの首都に!」というスローガンを考え、両都市のビールを入荷して紹介することにしました。
そのときは、ミュンヘンのビールを揃える方が遥かに簡単でした。ポートランドのビールは、「ブリッジポート」「ヘアオブザドッグ」「デシューツ」「ローグ(厳密には隣のニューポート市)」の4社くらいでしたでしょうか。
インポーター(ビアセラーサッポロはまだ存在せず、もちろんえぞビール)に「とにかくポートランドのビールがあったら入れて!」と必死にお願いしたのを覚えています。
今でも「姉妹都市ポートランドが世界有数のビールの街」であることは、札幌市民の大半は知らないと思います。
しかし、ビール好きの市民に限れば、ある程度は浸透したのかもしれません。そして、太平洋を越えた向こう側にも。
もちろん「ワシが広めた」わけではありませんが(笑)、同じ思いを持つ方が少しずつ広がっていることが素直に嬉しいです。
あとは、冒頭の「ビールのまち さっぽろ」に返りますが、そもそも札幌市にもっときちんと認識してもらわないと。ミュンヘンだけじゃないんですよ!
ミュンヘンにもクラフトビールは(もちろん!)ちゃんとあります。お祭りで大ジョッキでガバガバ飲む、だけがミュンヘンじゃないのです。
瀋陽・ノヴォシビルスク・大田も「ビールのまち」!
他の姉妹都市についてはどうなのでしょう。
実はなんと、他の街も錚々たるビールのまちなのです! これは札幌のビアギークでもあまり知らないことかもしれません。
瀋陽は、中国最大の雪花ビールの発祥地です。なにこれ、できすぎ!
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%AA%E8%8A%B1%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AB
中国は今、世界最大のビール生産・消費国です(アメリカではないのです)。その中国で最大のビールメーカーの発祥地ということになります。
言わずもがなですが、札幌はサッポロビールの発祥地です。
https://www.sapporobeer.jp/brewery/sapporokaitakushi/
ノヴォシビルスクには、ロシア最大のビールメーカー「バルティカ」の工場があります。バルティカ、ポーターが美味しいですよ。
https://nipponkaigi.net/wiki/Baltika_Breweries
札幌市内には「日本最大のビールメーカー」アサヒビールの北海道工場があります。すごいぞ、この姉妹都市関係!
https://www.asahibeer.co.jp/brewery/hokkaido/
大田(テジョン)にはクラフトビールのフェスがあります。この規模は「サッポロ・クラフトビアフォレスト」どころではない(笑・筆者は実行委員です)。これだけの規模のフェスをやってるということは、クラフトビールが浸透していることの裏付けです。ブルーパブもビアバーも相当充実していることでしょう。
https://www.trippose.com/festival/daejeon-craft-beer-music-festival
ここまできたら、札幌市をコアとした「ビールのまち連合」のようなものを作ってもいいかもしれませんね。こういう貴重なポジションって、得ようと思ってもなかなか得られるものではありません。
少なくとも「ミュンヘンだけ」「サッポロビールだけ」ってのは、早くなんとかしてください、札幌市御中。もったいなさすぎます。
重要な蛇足:札幌市は日本初となるはずだった画期的な「ビール乾杯条例」を突っぱねた「前科」があります。せっかくあの4社が足並みを揃えたというのに、ホントなにやってんだか。と市税を払っている立場から吐き捨てます。