#004 アルバイトを募集しています。
現在、池袋ジェイズ・バーではアルバイトを募集しています。
時給:1,050円
出勤日:水・木曜日(他に週1,2日可能な方優遇)
出勤時間:12時から17時まで(5時間/日)
内容について、もう少し丁寧に説明したいと思います。
簡単に言うなら、昼間の手薄な時間に働いてくれる方を募集しています。もうひとつ条件を追加するなら「ウイスキーに興味がある人」。
もちろん、豊富な経験や知識など必要ありません。
①蒸留所の名前を3つ以上知っている。
②ウイスキーをストレートで飲んで「美味しい!」と思ったことがある。
③ウイスキーについて、誰かと気軽にお喋りできるようになりたいと思っている。
以上、3つの質問にすべて「Yes」と答えられるならあなたも有資格者です。
今回はアルバイトの募集ですが、長く働く気持ちのある方を募集します。未経験でも構いません。飲食業でのキャリア形成を望むなら、その始まりとして最適な職場だと思います。
現状のジェイズ・バーは僕と二人のスタッフでシフトを回してますが、二人のスタッフの平均年齢は20代後半。もしもあなたが「初めてのバーでの仕事」であるなら、二人の先輩は強い味方になるでしょう。
今回、水・木曜日に働いてくれる方を募集するのは、ジェイズ・バーのスタッフの一人、きょーこちゃんがお休みをいただく日だからです。
週に2日で5時間づつ、という勤務時間は短いと思うかもしれません。でも、あなたの成長に合わせて勤務時間を長くすることは不可能ではありません。
まずは僕(蓮村)と二人で働いてもらうことになります。即戦力として「今すぐ売上を上げてもらうこと」を僕はまったく期待していません。当然ですが、あなたより優秀なバーテンダーはいくらでもいるでしょう。
あえて言うなら、僕が望むのはあなたが未経験であること。経験者であることは問題ありませんが、経験者であることで優遇されることもありません。
大切にして欲しいのは、ウイスキーに詳しくなることより、お客さんに関心を寄せること。初めて出会う人ばかりでしょうから、警戒心を抱くのは不思議なことではありませんが、お客さんを怖がらないこと。
お客さんが店に入って来たら「いらっしゃいませ」と言って、一旦落ち着いて考えて下さい。「この人は何をしにここへ来たのだろう?」と。その答えを形にして提供するのがサービスなのです。
そのサービスに価値は生まれ、その対価として僕らはお金をいただいています。それは、30年以上もこの仕事を続けて来た僕が今でもやっていること。
お客さんはみんな、目的を持って店にやって来ます。確かに、牛丼が食べたくてやって来る人はいないし、カラオケを歌いたい人も来ないし、当然だけれど、僕らには肩こりは治せない。
だから結局のところ、似たような目的を持ってジェイズ・バーに来るけれど、それらのひとつひとつは、ちょっとづつ違う。その「ちょっとづつの違い」に注目できない人に良いサービスは提供できない。
僕はそう考えています。
僕の考え方を理解できない人はいるだろうし、納得できない人もいるでしょう。だけど、「反論するなら対案を出せ」というのが僕のやり方なので、あなたに対案が生まれることは素晴らしいことでもあります。
あなたにやりたいこと(つまり対案)が生まれたら、その結果、僕らは袂を分つことになるかもしれませんが、そのこと自体は不幸ではありません。ジェイズ・バーでのあなたのキャリアが価値のあるものであることを願うばかりです。
僕は「人が働く」ということを次のように考えています。
作業 < 仕事 < 商売 < 経済
どんな人もその始まりは、目の前の作業から。自分の役割を理解し、全体がどのように機能しているかを理解できるようになることが仕事。ヒト・モノ・カネ、そのリソースの配分を考えながら利益を上げられるようになることが商売。
作業というのはとても具体的なことです。仕事 → 商売 → 経済とより大枠で物事を考えられるようになることは抽象的なことです。ひとつの視点・切り口に執着せず、軽やかに抽象度を上げて考えられるようになることもまた成長。
されど、「神は細部に宿る」。
僕の好きな言葉です。
ですから、世の中の経済状況や動きやその流れ、自分たちの商売が全体の中でどのような存在なのか、どのように社会貢献できているかを考え続けていくことは大切と考えます。
さて、あなたのジェイズ・バーでの第一歩は「作業」から始まります。それはとても具体的なことですが、やがてあなたが、立派な仕事人、商売人になってくれることを僕は望みます。
そして、繰り返しになりますが、あなたの中で対案が生まれ、それがジェイズ・バーにいてはできないことであるなら、僕とあなたの師弟関係はそのままに、僕はあなたを祝福して送り出したいと思うのです。
ちょっと長くなりましたが、僕はそんな人と一緒に働きたいと考えています。
さて、最後にひと言だけ。
僕は「褒めて育てる」という人材育成法を採用しません。もちろん、賞賛に値することは褒め称えることもあります。だけど、「褒めないと育たない人」というのはしばしば、褒めてくれる人の精神的奴隷になってしまいます。
池袋ジェイズ・バーは命令通りに動く奴隷の労働力を必要としていません。目の前の具体的な作業から始まり、将来、自分の頭で抽象度高く考え意思決定ができるような人に育てるのが僕の仕事です。
毎日の営業は「ライブ」のようなもの。同じ演者が集まっても、舞台や小道具やゲストの違いで、その中身は同じものになりません。その空間と時間の中を軽やかに振る舞えるようになることがあなたの当面の目標です。
バーテンダーの仕事は体力勝負な側面もありますから、人として「丈夫」であることは実はとても大切です。だけど、もちろん女の子でも構いません。体力より「丈夫」であることが重要です。
もうひとつ(笑)。
「今を生きる」という態度はとても大切ですが、それだけだと「場当たり的」になってしまうこともあります。そうならないために必要なことが「目標」なのだと思います。
あなたの目標が飲食業にあるなら、あなたの「今」のために、池袋ジェイズ・バーで働くこともひとつの選択肢にしていただけたらと思います。
「募集期間はいつまでですか?」と聞かれれば「良い人に出会うまで」と答えます。気長に考えないといけない大切なことって時々あります。
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