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愛と青春の風切羽

 黄緑色だからきみちゃんなのだが、きみちゃんのカラーが何という名なのか、今もってはっきりとは分からない。
 コザクラインコのノーマルカラーは、赤と緑のクリスマスカラー、もしくはスイカカラーであるが、きみちゃんはそれより全体的に明るい色合いで、黄色要素の多いタイガーチェリーよりはノーマル寄り。つまりところ、「黄緑」なのだ。

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 タイガーチェリーを始めとする色変わり種は、風切羽が白っぽい子が多いのだが、きみちゃんの風切羽は濃緑色なので、この点においてノーマルに近いと言える。
 しかしきみちゃん、4歳を目前にした昨秋、一本だけ白い風切羽が生えて来たことから、かいぬしが騒然となる。

 どこのどんな羽が何色であろうと、きみちゃんの可愛いさはいささかも損なわれることはないが、突然の白い風切羽の出現は、驚きしかなかった。
 しかし、なぜ急に…今まで一本もなかった白い羽が、なぜ今になって突然現れたのか…

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 実はきみちゃん、どうやら気になる男子がいるようで…何度か直接会っているのだが、肝心の彼の方がシャイな子なので、なかなかきみちゃんの誘いに応じてくれず、一緒に遊ぶところまでは進んでいないのである。
 この彼が、とても綺麗な白い風切羽を持っており、きみちゃん、一本だけ彼とオソロにしたのではないか、という甘酸っぱい説が、かいぬしの中で最有力である。

 先日、ついにその白い羽が換羽で抜けてしまい、果たして後からは何色の羽が生えて来るのだろうかとワクワクしながら見守っていたところ、見事に再び白い羽が生えて来た。
 実は、最初に白い羽が生えてから抜けるまで、当の彼と会う機会がなかった為、彼にまだ「オソロ」を見せていないのだ。
 そしてきみちゃん、いつかまた会える日に備えてか、またも白い風切羽を…

 現在、コロナウイルス対策の為、きみちゃんと彼の逢瀬の舞台となるバードランが閉鎖中の為、まだ会うことは出来ないが、また会えるようになる日まで、きみちゃんの白い風切羽を、甘酸っぱい思いで見守ろうと思う。

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