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ツンデレ抱っこちゃん

 きみちゃんはツンデレである。甘えん坊さんなくせに、そうおいそれと甘やかさせてはくれない。

 よそのおうちの子のように、あからさまにカキカキをおねだりしたり、お手々ベッドで爆睡、ということは滅多にない。しかしそれでもきみちゃんは甘えん坊さんである。
 それがよく分かるのが、発情期が終わった後の、いわゆる「ちょっと面倒くさい彼女」の状態の時だ。

 構って欲しい時、きみちゃんは、ケージ内に斜めに掛けているハシゴを器用に落としてしまう。
 ハシゴはケージの上の方にあるので、下に落ちるとなかなか派手な音がする。きみちゃんはハシゴの上端のフックを上から外すと、急ぎ下に降りて来て、ケージの扉の前に待機する。

 ハシゴを落とすのは慣れたもので、一発で落とすことも出来るし、何度かわざと大きな音を立ててやり直し、かいぬしの気を引いてから落とすこともある。
 いずれも、最終的には急いで降りて来て、扉の前に待機する。

 ここでかいぬし、デレデレしながら「なんだよもぅー」等と言いつつ、ハシゴを拾う為にケージの扉を開け、手を入れてハシゴを元通りに掛け直し…待機していたきみちゃんが、するりと手の中に収まって来るので、自然と抱っこすることになる。

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 かいぬしの手に収まりがいいように、くるりと向きを変え、背中から掌にすっぽりと吸い込まれるように抱っこされたきみちゃんは、しばらくお手々ベッドを楽しみ、カキカキさせてくれたりなどする。
 そのうち、お水を飲んだりご飯を食べたりする為に手から降りてくれることもあるが、いつまでも降りてくれないこともあるので、なかなか厄介な甘えん坊さんなのだ。

 この、抱っこされる体勢で手の中に吸い込まれていくきみちゃんがたまらなく可愛いので、何度でもお付き合いしてしまう。

 ね、可愛い甘えん坊さんでしょ?

 

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