李在明市長のスピード財政改革



地方自治体の財政運営とその重要性

地方自治体の財政運営は、地域社会の発展にとって非常に重要です。特に財政危機に直面した場合、その対応が自治体の未来を左右します。

韓国の京畿道城南市は、李在明(イジェミョン)氏が2010年7月1日の市長就任後の12日に、突如モラトリアム宣言をしました。市は7,285億ウォンに達する膨大な債務を抱え、市の財政は危機的な状況に追い込まれていました。
しかしその後、城南市は驚異的なスピードで財政改革を進め、わずか3年6ヶ月という短期間でその膨大な債務を完済するという前例のない成果を上げました。この成功の背後には、効率的な財政運営と李在明市長の強力なリーダーシップがありました。
本書では、李在明市長がどのようにして城南市の財政危機を乗り越え、モラトリアムを脱したのかを詳しく解説します。具体的な改革のプロセスを通じて、地方自治体が財政健全化を達成するための貴重な教訓を探ります。

京畿道城南市の債務7,285億ウォンを3年6ヶ月で解消

当時、京畿道城南市長だった李在明氏は、2014年1月27日の記者会見で、城南市が2010年7月にモラトリアム(債務不履行)を宣言した際の債務7,285億ウォンを、2013年末までに全て返済したことを発表しました。
李在明氏は、事業投資の優先順位調整や予算削減などを行い、厳格な財政運営を通じて、わずか3年6ヶ月で債務を完全に解消したと述べました。この期間中、城南市は効率的な資産管理と徹底した予算管理により、財政危機を乗り越えることができました。

城南市の債務状況

李在明市長が就任する前、表面的には城南市に大きな債務があるようには見えませんでしたが、実際にはかなりの負債が隠れていました。李市長が財政状態を徹底的に調査した結果、その隠れた債務が明らかとなり、モラトリアムを宣言せざるを得なくなったのです。
当時、城南市の債務の主な原因は、豪華な庁舎建設費用、不必要な道路工事、非効率的な予算運営などでした。特に庁舎建設に多額の費用がかかり、その結果として財政負担が増加。予算の編成も非効率的で、無駄な支出が多く見受けられました。また、税金を支払わない滞納者が多く、税収が減少していたため、城南市は深刻な財政難に直面していました。

債務解消の為にしたこと

市有地の売却で資金を確保

城南市は、庁舎用地を含む市有地を売却して資金を調達しました。特に、区役所や公共施設用地、開発予定地などを戦略的に売却することで、大きな資金を確保しました。この売却資金は、債務の返済だけでなく、市の財政健全化にも重要な役割を果たしました。
売却された土地の一部は民間の開発業者に売却され、その後開発が進んだ結果、城南市は追加の税収も得ることができました。こうした売却によって得た資金は、城南市の債務軽減と財政回復に大きな貢献をしました。

予算削減と効率的な支出

城南市は、不必要な道路工事や大型土木事業を大幅に削減し、浪費的な予算を見直して財政を効率的に運営しました。過剰なインフラプロジェクトや重複した事業を再検討し、必要な事業に資金を集中させました。この結果、不要な行政費用の削減や、公共事業の優先順位の再調整が行われ、予算を効率的に使用しました。
削減された予算は、債務返済に充てられ、城南市の財政健全化に貢献しました。

滞納税金の徴収強化

城南市は、当時17万人に上る滞納者から税金を徴収する体制を強化し、財政の確保に大きな効果を上げました。市は150人の市民を雇用して滞納者の実態調査を行い、公務員が直接滞納者を訪問して税金を徴収するなど、従来の緩慢な徴収体制を改善しました。
経済的に困難な滞納者には債務免除措置を講じ、支払能力があるにもかかわらず税金を納めない者の名前を公表。さらに、家宅捜索チームを編成し、滞納者の財産を調査して差し押さえを行い、引っ越しをした滞納者も漏らさず追跡して徴収しました。
この強化された徴収体制によって、徴収率が大幅に向上し、その一部を債務返済に充てることができました。

結果として

李在明市長の強力な財政運営、効率的な予算運営、滞納税金徴収強化などの取り組みにより、城南市はわずか3年6ヶ月で7285億ウォンの債務を解消することができました。城南市の債務解消は、効率的な財政運営と強力な滞納徴収が組み合わさった優れた事例であり、地方自治体が財政健全化を達成するための重要な教訓を提供します。
この成功事例は、今後他の地方自治体にも大いに参考となる貴重なものとして残るでしょう。


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