@onefive - Classy Crush
「Japanese Classy Crush」をコンセプトに掲げる4人組ガールズグループ、@onefiveのメジャー1stアルバム。
OZGi
Justice Day
Mr. Gorgeous
F.A.F.O
Last Blue
ショコラブ
このままじゃ壊れそう
未来図
Chance
Like A
SAWAGE
Ring Donuts
アルバムの冒頭を飾る「OZGi」は、その名の通りお辞儀をテーマにした曲。これがめちゃくちゃカッコいい。「和」を感じさせる音色とメロディー、力強いビート、癖のあるラップが合わさって強烈な中毒性を生んでいる。「和」のテイストを取り入れた楽曲は数あれど、このようなサウンドは他に聞いたことが無い。
また、日本の文化の中でもお辞儀に着目したというのも、@onefiveらしさが感じられて良い。
アルバム1曲目にしてとんでもない曲だ。これで掴みはバッチリ。
続いて2曲目「Justice Day」。これもかなりハードな曲。TGC teenのオープニングアクトに抜擢された際に初披露された曲で、リアルタイムで配信を観ていて度肝を抜かれたのを覚えている。個人的には、MOMOちゃんの音程が乱高下するラップパートが聴きどころ。何度聴いてもヤバすぎる。
低音のしっかり出る環境で、普段よりボリューム上げめで聴くべし。
3曲目の「Mr. Gorgeous」は可愛らしい曲。「でも私、ピンクが良いな」というセリフが印象的だが、このセリフは当初入っておらず後から追加されたとのこと。曲全体としては「何色でも、あなたの色に染まれる」といった内容だが、「ピンクが良いな」という主張が入ることで雰囲気がまるで異なってくると思う。このセリフ、音源とライブでは声のトーンが違うのもポイント。
4曲目「F.A.F.O」は、m-floの☆Taku Takahashi氏が作曲。疾走感のあるリズムで、サビで皆で「F! A! F! O!」と叫べるキャッチーさもあり、ライブは盛り上がる。今後もライブの定番曲になると思う。
「Last Blue」はヒップホップ調でノリの良い曲。失恋ソングではあるが、決してネガティブではなく、悲しみを吹き飛ばすようなポジティブな曲。それでもただ明るいだけではなく、少し切なさも感じられたり。そんな感情を上手く歌声に乗せる4人の表現力の高さは流石。
続く「ショコラブ」もヒップホップ色の強い曲だが、こちらはダークな曲調。よく聞くと結構シンプルなトラックだけど、重なり合う4人の歌声が乗ることで重厚感のあるサウンドに仕上がっている。かなりビターなんだけど、その中に隠されたスウィートさが危険。好き。
ここまで@onefiveのカッコよさが感じられる曲が続いていたが、7曲目の「このままじゃ壊れそう」で雰囲気が一変する。
この曲をNO15E MAKERの大阪公演で聴いた時の衝撃はずっと忘れられない。歌詞をちゃんと読んでいくと、ただネガティブなだけの曲では無いことがわかる。しかし、最早泣き出しそうになりながら、「大丈夫 私たちなら」と自分に言い聞かせるように歌う様に、何度聴いても心を抉られる。おそらく、これが単なるフィクションでは無いというのもまた…。
この曲の作詞は、インディーズ時代のアルバム「1518」収録曲の大半で作詞を手掛けたYURAが担当。YURAさん、あなた凄いよ。
決して軽い気持ちで聴ける曲ではないし、心が弱っている時に聴いたら多分ノックアウトされる。それでもこの曲が好きだし、これからも大事に聴き続けていきたい。
そんな「このままじゃ壊れそう」に続く「未来図」は、@onefiveのメンバーもアイドル役として出演したドラマ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」の主題歌。未来へと突き進んでいく決意を力強く歌う、希望に満ち溢れた曲で、「このままじゃ壊れそう」と対になる曲とも捉えられるかもしれない。
9曲目「Chance」も、劇場版「推しが武道館いってくれたら死ぬ」の主題歌。ポップで爽やかな、元気を貰える曲。配信開始から約1年、この曲を聴いて頑張れたことが幾度となくあった。自分にとってはこれからもエネルギー源のような曲であり続けると思う。
「Like A」は可愛らしいラブソング。
柔らかくて少し繊細な音色が良い。ライブでは途中「咲かせたよ!」と客が合いの手を入れるパートがあるが、個人的には静かに音の隙間を楽しみたい派。しかし4人ともそれぞれ良い声していると思う。
11曲目の「SAWAGE」は、その名の通り皆で目一杯騒げる曲。といっても単なるパーティー的なノリで大騒ぎするのでは無い。時には悩むことや泣くこともあって、だからこそ前向きになるために「踊りはしゃごう」なんだと思う。励まされているような気持ちになれる曲。
アルバムのラストを飾る「Ring Donuts」。別れをテーマにしたエモーショナルな曲。切なくて、でも前向きなのがやはり@onefiveらしい。
アルバムの最後がこの曲って良いな。聴き終わった後しばらく余韻に浸っていたくなる。
このアルバムは傑作だ。
インディーズ時代の前作「1518」は、初々しさの残る透明感が印象的な良作だったが、メジャー1stとなる今作は、前作からの2年間で進化した今の@onefiveの魅力を凝縮した、非常に強力な一枚に仕上がっている。
一曲一曲のクオリティが高いのは言うまでもないが、アルバム全体を俯瞰してみても、カッコよさ全開で攻める前半から、「このままじゃ壊れそう」を挟んで雰囲気を変化させる後半への流れが素晴らしいと感じた。
この曲順はメンバーが考えたとのこと。彼女達は初期の頃からグッズの製作に関わったり、振り付けや歌詞の自作といった経験を積み、クリエイティブな側面も兼ね備えており、そうした強みが発揮されていると感じる。
既存のJ-POPともK-POPとも違う、@onefiveにしか成し得ない音楽。素晴らしい。絶対に多くの人の耳に届くべきアルバムである。
今回はアルバムの感想の為あえて触れていないが、ダンスも彼女達の大きな魅力の一つ。キレと美しさを兼ね備えた迫力のあるダンスと生歌による圧巻のパフォーマンスで、観る度に驚かされる。来る8~9月のライブハウスツアーにも期待したい。
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