良いと思える絵の話。

個人で感じた事の話。

この間いつもの本屋（田舎なのでここしかない）に行ってみたら、いのまたむつみ先生の画業４０周年画集が置いてあった。

数日前には無かったもの。表紙には可愛い猫ちゃんと紫の髪で黒いドレスを纏ったどこか挑発的な美女。思わず心惹かれた。お値段が高めだったが買った。良いと思ったら高くても買うのが主義。間違いなく感動を与えてくれそうと思ったから。

一ページ一ページ、噛みしめるように眺めた。いのまた先生はテイルズシリーズのイメージだったが、実はテイルズよりかなりの昔からイラストを描いておられたのだ。時代を感じる絵も結構あった。ドラクエ関連も関わってたらしい。そして女の子キャラが全員可愛い。

思い入れもあって自分はテイルズの絵が一番良いなと思った。テイルズオブベルセリアの女主人公、ベルベットの２ページに渡る大きな絵は息を吞んだ。美しく荒々しく力強いけど、奥底には悲しみも湛えた彼女。それがこの一枚で分かる説得力。

そして、表紙のメイキングも載っていた。あの美女がどうやって誕生したのか、その流れ。この美女には対になる美女もおり、こちらもふんわりした雰囲気で一昔前の少女漫画を思い出すような。もっと見たいのにこういう絵が現代には足りなく感じる。そもそもいのまた先生にしか描けないのかもしれない。それは仕方ない・・。

メイキング、ほぼアナログ。アナログ絵でしか得られないものが絶対にある。一連の流れを細かく説明してあるので嬉しい。こういうのは個人的にラフの部分が一番わくわくする。ここからどう構築されていくのかと。

ラフから線画、着色・・画像や文字で説明するのは簡単だが途方もない時間をかけて描かれたのだろう・・それが尊く感じる。

命を削って描かれる絵。あの表紙には魂がこもっている。世のクリエイターの方々にも言える事だけど。限りあるものを作品に分けてあげている。特にアナログ絵だと強く感じる。描いてる！って感じが。

話は少し変わるが「巨人の星」や「いなかっぺ大将」でお馴染みの川崎のぼる先生の絵も躍動感が凄まじい。「ひえー・・」と声が出た。今の時代見ても、未来でもきっと色あせる事が無い。

いのまた先生はこの世から去られてしまったが、作品は残り続ける。感動を与え続けて下さる。感動した人間が周りに伝える。感動が移る。その繰り返しが続くと良い。

買って良かった、触れられて光栄。素晴らしい絵を見せて下さりありがとうございました。自分もこんな素敵な経験を人に与えられるよう精進致します。

ｘで落書きを一日に一枚は上げて行こう。まずは出来る事から。

読んで下さってありがとうございました。

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