2022年有馬記念最終追い切り全頭評価

おはようございます。
いよいよ有馬記念、この時期がやってきました。
2歳G1が2週続いたので、久しぶりに勝手知ったる古馬たちの追い切りが見れますね。伝説の馬たちの追い切り映像、とても楽しみです。

特に注目すべきは凱旋門賞帰りのタイトルホルダー・ディープボンド、そして秋初戦となるエフフォーリアでしょうね。全盛期と比べてどれほど調子が良いのか、悪いのか。見極めてみせます。

追い切り評価の基準

S→絶頂期と比べて、さらに上積みがある状態。
A→絶頂期と比べて、遜色ない状態。
B→絶頂期と比べると、少し落ちている状態。
C→調子が落ちている状態。
は他の調教映像がないため縦の比較ができていません。
この最終追い切り映像だけの評価になります。

全頭評価

・アカイイト・・・A+
絶頂期:2022年エリザベス女王杯(栗東坂路良。昨年優勝時の時あったよそ見がなくなった。走りの集中力が増している。蹴り上げる力も明確に上がっている。タイムが早いのは騎手が乗っているからで気にしなくていい。)
栗東坂路良。
さすがに力強い走り。走り自体は前走時から落ちている印象はなく、むしろ前脚の可動域はやや広がっている。ずっと舌を出しながら走っているが、昨年の有馬記念の最終追いも舌を出しながら走っていたので気にしなくていい。よそ見もなく走りには集中できている。

・アリストテレス・・・B+
絶頂期:2021年有馬記念(栗東坂路良。2勝クラスと併入。歩幅は小さめでピッチが早い。肩端から前胸にかけての筋肉の筋がまっすぐで張りがいい。まっすぐ走れており前進気勢も感じる。)
栗東坂路良。
オープンクラスと併入。
相変わらず首下の筋肉の張りがいい。寄れて走ってはいないが、昨年時ほどの前進気勢は感じず。ただし、昨年時も今年も乗り役が武豊騎手だが、今年は1.8秒早い時計を記録している。

・イクイノックス・・・S
絶頂期:2022年天皇賞秋(美浦ウッドチップ良。3頭併せの中。1勝クラスに0.2秒先着、2勝クラスと併入。前脚の発達が著しい。スパート前に行きたがる感じを出している。)
美浦ウッドチップ良。
3頭併せ。内側のオープンクラス一杯に0.1秒先着。
2頭の間を走っている。直線に入ってあえて仕掛けを遅らせた感じ。内外の馬がやや抜かしたくらいのタイミングで合図を送りスパート。抜群の瞬発力を見せ2頭を置き去りにした。意欲的な追い切り。特に上腕から肩端にかけての筋肉の発達具合は目を見張るものがある。前走時から比べてもスパート前は我慢できているし、精神面の成長も見られる。格の違う仕上がり。

・イズジョーノキセキ・・・B+
絶頂期:2022年エリザベス女王杯(栗東坂路良。一杯。坂路を寄れることなく走れている。前胸部分の発達が目立つ。お釣りが残っている印象。歩幅もそこまで大きくなく向くのでは。)
栗東坂路良。
まっすぐ早いリズムで走れている。前腕が特に発達している。今回は馬なりだが、前走時と変わらないピッチで走れており好印象。全体のタイムも0.2秒しか変わらない。

・ウインマイティー・・・C
絶頂期:2022年エリザベス女王杯(栗東ポリトラック良。前脚後ろ脚の可動域が広い。早い時計が出ているがポリだし乗り役も騎手。)
栗東ポリトラック良。
前走時と比べると後ろ脚の可動域がやや狭い。何度か最終追いで使っているコースだが、有馬記念の追い切りでここは不安。なお、一週前追い切りもポリトラックだった。

・ヴェラアズール・・・B
絶頂期:2022年ジャパンカップ(栗東ウッドチップ良。コーナーでは大きく外を回している。元々反応が良かったが、助手が軽く促してからはさらにもうひと伸び。前脚付け根の筋肉が非常に発達している。集中して走れているし、仕上がりを不安視する必要はまったくない。)
栗東ウッドチップ良。
さすが馬体の出来は相変わらず良いが、直線ではよそ見する場面も。
前走時と見比べると、明らかに前脚の掻き込みが小さくなっている。中三週で緩い走り。上腕の発達具合は変わらず素晴らしいが、前走時ほどのパフォーマンスは期待できない。元の馬体が別格なだけに、この位の出来でどこまで走れるのか気になる。

・エフフォーリア・・・B
絶頂期:2021年天皇賞秋(美浦ウッドチップ稍重。3頭併せの中。内側の2勝クラスに0.4秒、外側の2勝クラスに0.1秒先着。併せ馬2頭をあえて先に行かせて直線から中を割って抜き去るという意欲的な追い切り。並ぶ間もなく交わしているが、よく見ると乗り役は合図を送っていない。馬が自発的に抜かしにかかっている。前胸部は異様なくらい盛り上がり。)
美浦ウッドチップ良。
3頭併せの中。内側オープンクラスに0.1秒先着。
コーナーを回る時、外にいる馬を気にしている。前脚の掻き込みは大きく、全盛期を感じさせる。少なくとも前走宝塚記念時よりは馬体の出来はよく映る。この馬の特徴である前胸部の発達は昨年ほどではないが見受けられる。
ただ、一番肝心なのは走り方で、確かに追い出してからの走りは力強いこの馬の走りだが、見てわかる通り乗り役が合図を送っている。合図を送ってからの反応も早いわけではないが大事なのはそこではない。絶頂期なら、合図を送らずとも離れた前の馬を抜かしにかかっていたのに、まだそれがないということである。最強だった頃と比べるとどうしても前進気勢に欠ける印象になってしまう。それでもこの馬の高い水準内での比較だし、馬体の出来はやはり見栄えるもの。前走よりは良いパフォーマンスが見込めるはず。

・ジェラルディーナ・・・A
絶頂期:2022年エリザベス女王杯(栗東ウッドチップ良。オープンクラス馬ソフトフルートの外を回して0.2秒先着。スパート時にクビが結構沈む。乗り役は促していないが、直線じわじわと抜かしている。上腕が牝馬と思えないほどゴツい。)
栗東ウッドチップ良。
オープン勝ち馬アルサトワに0.1秒先着。自身は外を回しており、コーナーではかなり外側を通している。
前走時と同じような追い切り内容。相変わらず乗り役は促さず、自力だけで併せ馬を抜いている。トビの具合も、後ろ脚の伸び縮みも変化なし。上腕がやや寂しく見えるが、日の当たり加減だろう。
前走の激走から中5週だが、調子が落ちている気配はまったくなく、好調を維持できている。強くなるメンバー内でどれだけやれるか期待。

・ジャスティンパレス・・・B
絶頂期:2022年菊花賞(栗東ウッドチップ良。強め。3頭合わせの外。内の馬なり未勝利馬と併入、中の馬なり1勝クラスにクビ差遅れ。)
栗東ウッドチップ良。強め。
3頭合わせの中。内側の馬なり未勝利馬と併入。
前走時と変わらず好調な走り。ただし、今回は3頭合わせの中で、前走時ほどロスがない。トビはそこまで大きくない。
好調なのは間違いないが、さすがにこのメンバー内では馬体も走法ももう一歩と言わざるをえない。同期のイクイノックスと比べると数段違う。

・タイトルホルダー・・・B+
絶頂期:2022年天皇賞春(美浦ウッドチップ稍重。強めに追われた2勝クラスの内側を走って併入。前脚の掻き込みが非常に大きく、一瞬本当に飛んでいる場面がある。走法で格の違いを感じる追い切り。)
美浦ウッドチップ良。
未出走馬の内側を走って併入。
絶頂期と比べると前脚の掻き込みがかなり物足りない。飛んでいない。馬体は以前からそこまで大げさに見栄えないので、気にしなくていい。
ただし、前走宝塚記念時と比べると遜色ないように思う(前走時は直線部分が併せ馬に被って見えていないが)。落ちているように見えた前走時の出来でも宝塚記念は圧勝しているし、絶頂期と比べると明らかに足らないが、勝ち負けできるレベルの出来ではある。

・ディープボンド・・・B
絶頂期:2022年宝塚記念(栗東ウッドチップ不良。歩幅が大きく、その分ピッチは遅い。走った時に上腕に筋がくっきり浮き出やすい。不良馬場もまったく苦にしていないし、乗り役が騎手とはいえ早い時計が出ている。)
栗東ウッドチップ良。
未勝利馬の内側を離して走って併入。
トビが大きく、スパート区間も歩様はゆったりめ。相変わらず雄大な走り方。上腕にくっきり筋が浮き出るところも変わらず。特段落ちている気配はないが、上昇もない。特に時計面では、前走も今回も馬なりで乗り役が騎手だが、前走の不良馬場のときの方が早い時計が出ている。

・ブレークアップ・・・B
絶頂期:2021年京都新聞杯(美浦ウッドチップ良。未勝利馬の内を走って併入。よそ見せずまっすぐ走れている。乗り役が合図を送ってからの反応はいま一歩。)
美浦ウッドチップ良。
未出走馬の外を回して併入。
昨年の京都新聞杯時と比べると見るからに馬体が成長しており、上腕の張りが良くなっている。ピッチも早く、駆け足の上昇を感じる。
ただし、比較対象は相当前の映像であり、いまいち参考にならない。本当は前走アルゼンチン共和国杯時の追い切りと比べたかったが映像なし。残念。
上記の通り、現時点で縦の比較は難しいので、横の比較をしてみる。まず駆け足の力強さはこのメンバー内でも遜色ないように感じる。時計も乗り役が助手なのにしては出ている。ただし、併せた相手は未出走馬と低レベル。攻めた追い切りとはいえない。1年前と比べたら大きく成長しているが、総合評価では一つ落とさざるをえない。

・ポタジェ・・・B
絶頂期:2022年アメリカジョッキーC(栗東ウッドチップ良。3頭併せの中。内を走った1勝クラスにクビ差遅れ、外の2勝クラスと併入。両隣の2頭を先に行かせて中を割って追走。合図を送ってからの反応はキレがあるほどではないが上々。上腕がふっくら盛り上がっている。)
栗東ウッドチップ良。一杯。
未勝利馬の内を走ってアタマ差先着。併せ相手のスパートを待ってから、合図を送っており、それも一回きり。そこからはあえて並ばせて走らせている。馬体としては絶頂期と遜色ない出来で、走法もいつも通り。あまり調教映えしづらい馬なので、このくらいの出来でも問題ない。調子が落ちているようには感じない。

・ボッケリーニ・・・C
絶頂期:2022年ジャパンカップ(栗東ウッドチップ良併せ馬。内側を走っている。途中まで、外側の併せ馬に顔を向けて走っていたが、さらに内側から恐らく別の調教中であろう馬が来ると一変。乗り役が促すこともなく、自らスパートしていった。最後は外側の馬はおろか、先に抜け出していた内側の馬にも先着。馬の負けん気の強さを感じる。狙っておこなったのかは不明だが、非常に意欲的な追い切り内容。)
栗東坂路良。
かなり下向きでフラフラと走っている。前走時はもちろんだが、最終に坂路を使っていた京都大賞典時と比べても確実に状態が悪い。
前走のキラ星のような追い切りがまぶたから離れないだけに、今回は残念。またあのレベルの追い切りを元気な姿で見せてほしい。次走に期待。

・ボルドグフーシュ・・・B+
絶頂期:2022年菊花賞(栗東坂路良。クビが高い場面が多い。前胸部がのっぺりしている。掻き込みよりも後ろ脚の蹴り上げが強い。)
栗東坂路良。
かなりクビが高いが、まっすぐ走れている。
前走時と比べると、蹴り上げがさらに強くなっている印象。クビが高いせいでやや走法がチグハグに見えるが、2着に好走している菊花賞時も同じような追い切りなので気にしなくていい。

・ラストドラフト・・・C
絶頂期:2022年アルゼンチン共和国杯(美浦ウッドチップ良。胴が太い馬で駆け足が目立ちづらいが、ピッチ早く走れている。駆け足は大きくない。)
美浦ウッドチップ良。
門別で2勝した馬の内を走って併入。
まっすぐ走って、合図を送ってからも、もうひと踏ん張りしている。それ以外の好材料は見つけにくく、前走時ほど追われてもいない。併せ相手も門別で2勝をあげて中央へ返り咲いた馬だが、前走1勝クラスも0.9秒差の3着と大敗。レベルには疑問が残る。ただし、それはそれとして、地方帰りの馬は応援したくなる。ドリームビリーバー。まだ3歳だし名前は覚えておいてもいいかも。




最終追い切りベスト5

1位:イクイノックス(S)
2位:アカイイト(A+)
3位:ジェラルディーナ(A)
4位:ボルドグフーシュ(B+)
5位:イズジョーノキセキ(B+)

以上です。

さすがに今回は見応えがありました。
グランプリレースなだけあって、それぞれの馬の水準が非常に高いです。
追い切り見ている時の気分が、歌上手い人しかいないカラオケに来た時の気分でした。伝わりますかね?これ例えが微妙ですね。

特にイクイノックス。
追い切り内容は、このメンバー内でも頭一つ抜けていました。
前走時もあれほど強かったのにさらに成長があるとは・・・。
もう逆らうことは難しいですね。半ば伝説的な存在になっている今のこの馬に、逆転できる馬はいるのでしょうか。当日がますます楽しみになりました。

有馬記念の展開予想はいつも通りyoutubeで出しますので、ぜひそちらも見てくださいね。

さて、このnoteの方はホープフルSの追い切り評価をあげたら年内最後です。実力が拮抗しやすい2歳戦、調子の善し悪しを図りたいですね。
では、またよろしくお願いします。


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