2023年大阪杯最終追い切り全頭評価
おはようございます。
また全頭評価のメモをあげていこうと思います。
今年の大阪杯はメンツが揃っていますね。一つ頭抜けている存在がおらず、混戦具合といったところ。ここはこの追い切りで調子の善し悪しを見て、取捨選択していきたいですね。
追い切り評価の基準
S→絶頂期と比べて、さらに上積みがある状態。
A→絶頂期と比べて、遜色ない状態。
B→絶頂期と比べると、少し落ちている状態。
C→調子が落ちている状態。
※は他の調教映像がないため縦の比較ができていません。
この最終追い切り映像だけの評価になります。
全頭評価
・ジェラルディーナ・・・B
絶頂期:2022年エリザベス女王杯(栗東ウッドチップ良。オープンクラス馬ソフトフルートの外を回して0.2秒先着。スパート時にクビが結構沈む。乗り役は促していないが、直線じわじわと抜かしている。上腕が牝馬と思えないほどゴツい。)
栗東ウッドチップ良。内側3勝クラス馬と併入。
絶頂期と比べると、前脚の搔き込みがやや物足りない。また、直線で併せてからの反応も悪く、一杯に追われる相手に馬なりとはいえ突き放せていない。
特に、併せ方が今までと異なっている。この馬は併せ調教でコーナーを曲がるときは常に大外を通らされているが、その際併せ相手はジェラルディーナに対しかなり内を通るのがお決まり。しかし今回は併せ相手もジェラルディーナとぴったりでコーナーを回してきた。今までの追い切りでは、外を回すロスがありながら併せ相手に差をつけて先着していたのに、今回はロスもなく併入。さらに、相手も3勝クラスで停滞している馬。今まで併せてきたソフトフルートやアルサトワと比べると格落ちなのは間違いない。
今年初戦で完璧に仕上げられているとは思えない。この状態でどこまでやれるか。
・マリアエレーナ・・・A+
絶頂期:2023年愛知杯(栗東ウッドチップ良。仕掛。馬体が細く、コーナーを回すときは頼りなさげに見える。トビは大きくバネがある感じ。直線で乗り役に促されると鋭く反応し加速している。)
栗東ウッドチップ稍重。仕掛。
直線半ばで追い出して終い早くする、絶頂期と同じような追い切り内容。促されてからの反応も良い。相変わらずバネ感がある走り。中でも後ろ脚の蹴り上げはさらに強くなっているような印象。能力を十分発揮できる仕上がり。
・モズベッロ・・・C
絶頂期:2021年大阪杯(栗東坂路良。一杯。2勝クラス馬に0.2秒先着。先行していた併せ馬を捉えて突き放している。後ろ脚の蹴り上げが強いし、坂路にしては前脚の可動域も広い。馬力の強さを感じる。)
栗東坂路良。一杯。1勝クラス馬に0.2秒先着。
頭を大きく横に振り、その後も寄れる。前半は走りに集中できていない。絶頂期と比べると前胸部の張りが明確に足りない。また後ろ脚の蹴り上げもやや弱くなっている。前脚の可動域だけは相変わらず広い。
・ノースブリッジ・・・S
絶頂期:2023年AJCC(美浦ウッドチップ稍重。未勝利馬と併入。内側を通す。直線であえて並ばせて馬の闘志を引き出すような追い切り。トビはそこまで大きくないが、蹴る力は強い。)
美浦ウッドチップ良。1勝クラス馬に0.1秒先着。
併せ方は前走時と変わらないが、内容は充実している。併せた馬が直線で追われてノースブリッジの前に出ると、乗り役が促さずとも馬が反応、自ら追い上げにかかり併せ馬に先着した。強い前進気勢を感じる意欲的な追い切り。相変わらず蹴る力が強く、跳ぶように走っているのも好印象。この馬の中で一番良いパフォーマンスを見込める仕上がり。美浦の馬だが、1週前も最終も岩田が調教をつけに来ているという点も勝負気配を感じる。
・ワンダフルタウン・・・A
絶頂期:2023年中山金杯(栗東坂路良。寄れることなくまっすぐ走れているが、顔が縦だけでなく横にもやや振れる。)
栗東坂路良。
まっすぐ走れており、顔が横に動きがちなのもいつも通り。後ろ脚の駆け足も力強く、前脚の伸びもある。馬なりで坂路終い12.4秒は自己ベストタイの記録。その自己ベスト時は2021年の青葉賞(1着)。この馬自体の実力は発揮できそう。
・ヴェルトライゼンデ・・・B+
絶頂期:2020年日本ダービー(栗東坂路併せ馬・併せてからの反応がピカイチ。かきこみが大きく、前脚の筋肉が隆起している。)
栗東坂路良。末強め。3勝クラス馬一杯と併入。
前半は隣の併せ馬を気にして斜めに走っている。ただでさえよそ見しがちな馬だが、今回は特に集中力に欠ける。まっすぐ走れていた前走時とは比ぶべくもない。ただし、乗り役が促してからの反応は良い。走り自体の質は特段落ちているようには見えないが、前走時ほどのパフォーマンスは期待できない。
・マテンロウレオ・・・B
絶頂期:2023年京都記念(栗東ウッドチップ良。上腕と大腿の筋肉が非常に大きく膨らんでいる。クビはあまり見栄えが良くなく沈みがち。)
栗東ウッドチップ良。
4コーナーを回すときにやや外を気にする仕草があり、直線に入ってからも前走時のようなスパートが見られない。前進気勢に大きく欠ける。前脚の搔き込みも小さくなっており、上腕の出来栄えも落ちる。ただし、大腿の筋肉は相変わらずで非常に力強い。
1週前で馬体は作ったので最終は騎手に任せたという調教師のコメントだが、その1週前自体の出来も前走時には見劣る。時計自体は出ているが、よそ見が多く走りへの集中力に欠ける印象。前走時ほどのパフォーマンスは見込めない。
・ラーグルフ・・・A
絶頂期:2023年中山記念(美浦ウッドチップ良。未勝利馬に先着。クビの位置はやや高め。駆け足が力強い。トビが特別大きいわけではないが、前脚の搔き込みが力強い。)
美浦ウッドチップ良。2勝クラス馬に0.1秒先着。
クビの高い走法は変わらず。前走時ふっくらしていた馬体が締まって見える。時計は出ているが、前脚の搔き込みは前走時の方が大きかった。
今回の最終、6F82.3秒という記録はこの馬で2番目に良い時計で、3番目になると83秒台まで落ちることを考えると馬なりでこの時計は好調子だと伺える。ちなみに1番時計は皐月賞のときの82.2秒でこのときも馬なり。皐月賞では後方から進め、3着ドウデュースから0.3秒差と食い下がった。今回は皐月賞以来のG1レースとなるが、この馬自身のパフォーマンスは期待できる。
・ジャックドール・・・S
絶頂期:2022年金鯱賞(栗東ウッドチップ良。一杯。2勝クラス馬一杯に0.1秒先着。馬体の完成度が高く、コーナー時も細く見えない。上腕部の発達しており、プロテクターを付けているような盛り上がりがある。ストライドも大きく、脚はよく伸縮する。また乗り役が追い出してからの反応も良く、脚よりもクビが先行しているような前進気勢のある走り方を見せた。)
栗東ウッドチップ良。一杯。3勝クラス馬一杯に0.4秒先着。
絶頂期と比べて、上腕部は相変わらずゴツい盛り上がりだが、大腿部はさらに発達が見られた。筋肉が肥大しており蹴り足も明確に強くなっている。乗り役が追い出してからの前進気勢も変わらず健在。また、併せ相手の馬をあだ追い始めていない時点ですでに抜き去っているのも好印象。これで力負けするならもう何も言い訳できないレベルの仕上がり。格が違う。
・ポタジェ・・・A
絶頂期:2022年アメリカジョッキーC(栗東ウッドチップ良。3頭併せの中。内を走った1勝クラスにクビ差遅れ、外の2勝クラスと併入。両隣の2頭を先に行かせて中を割って追走。合図を送ってからの反応はキレがあるほどではないが上々。上腕がふっくら盛り上がっている。)
栗東ウッドチップ良。末強め表記だが、そこまで強く追われる場面はなし。
単走でのびのびと走れている印象。走法が軽やかで蹴り足は健在。ストライドも小さくなっておらず、好調具合を感じる。
ほとんど馬自体の気に任せた追い切りなのにも関わらず、6F82.8秒を記録。一杯に追われた有馬記念時が6F87.1秒だったことを踏まえると、今回は以前より良い調子で行けるはず。
・スターズオンアース・・・A
絶頂期:2022年桜花賞(美浦ウッドチップ稍重。2勝クラス馬に0.2秒先着。乗り役が少し促すと併せ馬を一瞬で突き放した。高い瞬発力を持つ。脚の伸縮も良く、前脚の搔き込みもハナまで来る。)
美浦ウッドチップ良。2勝クラス馬に0.2秒先着。
まず昨年時よりも馬体が明らかに大きくなっている。前腕も太くなっており、付け根のコブも大きさを増した。前脚の搔き込みも変わらず大きいが、昔感じた身体の伸縮性は馬体の成長のせいか失われている。併せた馬を乗り役が合図を送るまでもなく抜かしているのは好印象。身体面の成長は確実に見込めるが、まったく追われていないのでやや緩い追い切り内容だった。元々、表記上は馬なりの追い切りが多い馬だが、今回は乗り役が促すシーンすら無かった。促すまでもなく楽に追い切れる相手だったという見立てと、軽度とはいえ繋靭帯炎明けの復帰戦で強い調教がされていないという見立てもできる。しかし、馬なりの調教が多く、追い切りで仕上げすぎない方針が取られているともとれるので、さすがに2つ目の見立ては不安視しすぎか。
・キラーアビリティ・・・C
絶頂期:2023年京都記念(栗東ウッドチップ良。仕掛。歩幅が大きくなく、どちらかというとピッチ寄りの走法。直線に入り促されてからは反応できている。追い切り映えしない馬。)
栗東ウッドチップ良。強め。
舌を出しながら走っている。直線強めに追われ、応えてスパートを見せているが、元々弱い、後ろ脚の蹴り上げが前走時よりも弱くなっている。前走時は終いまでしっかり追われているのに対し、今回は緩い。馬自身の前進気勢に疑問符がつく。
・ダノンザキッド・・・A
絶頂期:2021年マイルチャンピオンシップ(栗東ウッドチップ良。末強め。上腕大腿ともに発達が見られる。前脚の搔き込みも前走時よりも大きくなっており、後ろ脚の蹴り上げも強くなっている。一戦使っての成長が見られる。)
※最終追い切り日はゲート審査だったので1週前追い切りを対象にしています。
栗東ウッドチップ良。一杯。1勝クラス馬馬なりに1.2秒先着。
相変わらずゴツい馬体。搔き込みの大きさも蹴り上げの強さも絶頂期と遜色なし。追われてからはクビを上げ下げしながらよく伸びている。気持ちの強さを感じる。
・ヒシイグアス・・・B
絶頂期:2023年中山記念(美浦ウッドチップ良。3勝クラス馬と併入。外を回している。直線に入ってからうるさいところを見せ、前に行きたがっているのを抑えられている。前進気勢の強さは見られる。時計は遅く追い切り内容自体も緩いが、この馬は最終を緩くすることが多い。)
美浦ウッドチップ良。
クビに発汗あり。大して追われてないのにこの発汗量は異常を疑う。暑さに弱い馬なので不安。直線では寄れる場面があった。前脚の搔き込みは大きいが、馬体は今までと比べて細く頼りなさげな印象。緩い追い切り内容。
前走時も緩かったが、一週前は併せ馬二頭を直線で大きく突き放す強い内容だった。今回の1週前は霧でよく見えず。1勝クラス馬一杯と長い区間並んで走り併入するという内容だった。前走と比べると充実度に欠ける調教。
・ヒンドゥタイムズ・・・B+
絶頂期:2022年京都大賞典(栗東ウッドチップ良。末強め。ソフトフルート一杯に0.1秒先着。なおソフトフルートは内から追走する形だった。コーナーを曲がり切り、乗り役が促す前から馬の行く気が強い。クビをえぐるように下げながら走る。促されてからもうひと伸びを見せた。歩幅はそこまで大きくない。)
栗東ウッドチップ良。末強め。1勝クラス馬にクビ遅れ。
内側を通している。コーナーを曲がり切ると行きたがる癖を見せている。直線併せ馬が促され上がってくると、乗り役が追い出すがその区間で抜かされている。相手はソフトフルートと比べるとかなり格下。ただしそれでも終いは11.0秒と早い時計。終い11.0秒はこの馬自身の自己ベスト記録タイ。最終で記録するのは初。
1週前では3勝クラス馬を距離を離して追いかけ、直線だけで0.7秒突き放す強い内容の追い切りを行っている。乗り役の仕掛に反応もできているし、前進気勢もある。1週前にこの内容を行って、最終追い切りでも終いまで追えているのは馬の余力を感じる。
・ノースザワールド・・・B
絶頂期:2021年レパードステークス(栗東坂路良。末強め。馬場の真ん中を通って上がってきている。後ろ脚の蹴り上げはそこまで強くない。終い追われてからの反応は弱め。)
栗東坂路良。
前半はよそ見をしている。以前より後ろ脚の力がついているのが見て取れる。途中まで馬場の真ん中を通しているが、最後に左側に寄れていってしまっているのが気になる。中一週で強い追い切りができない点は考慮が必要。
最終追い切りベスト5
1位:ジャックドール(S)
2位:ノースブリッジ(S)
3位:マリアエレーナ(A+)
4位:ダノンザキッド(A)
5位:ラーグルフ(A)
以上です。
今回はとても見応えがありました。
昨年の有馬記念以来、人に見せる用のメモを書きながら追い切り評価を行いましたが、結局10時間ほどかかってしまいました。
16頭いるので、1頭の追い切り評価を付けるのに30分以上かけていることになりますね。ひぃぃ、終わらないわけですね。
昨年までどんな感じでやっていたのか、まっっったく思い出せないので、感覚を掴むまではまだ時間がかかりそうです。昨年はこの全頭評価も4時間くらいで作っていた気がするんですけど、気のせいかもしれません。人の記憶ほど頼りにならないものはないですからね。
ということで、自分の記憶力を最初から信じていない私は、このように追い切り評価をメモにしているわけですが、今回はメモに残す上で難しい馬がいましたね。スターズオンアースです。
馬体が成長しているのは間違いないし、時計も良いけど、長期休養明けにしては緩くない?というのが良い評価をつけるかどうか悩んだ点でした。
しかし結局は、馬体の完成度を優先してA評価を付けています。
そして一番驚いたのはジャックドールです。
元々、追い切り映え(そんな言葉はない)する馬で、気に入っていたのですが、今回の追い切りはさらにもうひと伸びがあって興奮しました。
すごい面白かった映画のエンドロールが流れ終わったあとに、まだCパートがあった時みたいな感じです。
この馬が当日、どこまで力を発揮できるのかは追い切りを見て楽しみになりましたね。
この大阪杯の展開予想はいつも通りyoutubeで出しますので、ぜひそちらを見てくださいね。
noteの次回は桜花賞の追い切り評価になる予定です。
では、またよろしくお願いします。
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