可愛いと言われることがこんなに辛いと知らなかった。
あぁ、可愛い
両腕がにゅっと伸びて、手のひらが私の頬を摩る。
顔が近づいて、目線はゆっくりと下がり、そのまま瞼が閉じた。
言葉の通り一瞬の出来事。
驚きや衝撃よりも、あ、そうなんだ。というのが率直な感想だった。
こんなんだったんだ。私が求めて仕方なかったものは。
汗とほんのちょっとのお酒の匂い。
あぁ、ボディソープ変えたんだ。匂い違うね。
わたしにしがみついてきたあなたから、いつもと違う匂いがする。
刹那的であっという間に消えてしまう「可愛い」を
嬉しいと思ってしまう自分が、何よりも辛い。
次の日には、「可愛い」と思ったことも、言ったこともきっと忘れてしまうんだろう。
私は全て覚えてるのに。
君に全部あげようか。
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