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【フィルムカメラ】自家現像について、どこにも書いていないこと。

まえがき

みなさん、写真撮ってますか?

写真を撮るというのは素晴らしい趣味だと思いますが、その楽しみを、更に1段も2段も上げてくれるのが「フィルムカメラ」だと思います(偏見)。
なぜフィルムカメラが良いのかについては様々ありますが、自家現像を楽しめるというのも大きな理由の1つじゃないでしょうか。

かく言う僕も、実は最近自家現像を始めたばかりなのですが、実際に経験すると本当にフィルムで写真を撮る楽しみが倍増しました。
自家現像するにあたり、ネットでたくさん情報収集をして万全の準備をして臨んだのですが、初めての現像はかなりバタバタしました。「もっとココを準備しておくべきだった…」「もう少しこういう備品があったら…」などたくさんの気付きがありました。

そこでこの記事では、(僕が調べた限り)ネットではあまり目にすることのなかった、もしくは見落としがちな点に絞って、こういう準備をしておけば良いということを紹介しようと思います。


初めての現像データから。Fujifilm X-T3でデジタルスキャン。

フィルムをリールにセットする練習は必要か

結論、僕は練習無しでしたが失敗することはありませんでした。というか、そんなに難しいとは感じませんでした。(ちなみに僕はMamiya 645 Superを使っているので、35mmフィルムではなく120フィルムです。)

ただ何の下調べもしなかったのかというとそうではありません。ネットでは練習フィルムを使って何回も練習することを推奨している記事が多い印象でしたが、人によっては下記のような下準備でも十分かと思いました。

フィルムが巻かれている仕組みを理解する

フィルムは、35mmならパトローネに、120フィルムならスプールに巻かれています。35mmは缶切りのような専用の器具で蓋を開けて引っ張り出す。
120フィルムならフィルムが紙(?)と一緒に巻かれていて、最後はシールで止めてある。

Youtubeなどで調べれば実際にフィルムの中身がどのようになっているのかを見ることができるので、フィルムのどこの部分をどうすれば良いのか「しくみ」を理解できると思います。

あとは「こうやって引っ張り出して、最後はこうする」をひたすらイメトレです(笑)。
ポイントは

  • 取り出す時はどうしたらいいのか

  • フィルムの最後の部分はどうなっているのか
    (=最後どうやってパトローネやスプールからフィルムを剥がすのか)

さえ理解しておけば問題無いかと思います。

リールの仕組みを理解する

自家現像はほとんどの人が小型の現像タンクを使うと思いますが、フィルムがリールに巻かれていく仕組みを理解しておきましょう。これは現像済みのフィルムでも練習できますので、実際にフィルムを巻きながら「こうやって巻かれていくのか」と仕組み理解しながら練習すると良いと思います。

自分用マニュアルを作る

器用な人は問題無いんでしょうか、僕は人のブログを読んでいるだけではどうも何かやらかしそうでなりませんでした。
そこで、自分用のマニュアルを作ることにしました。スマホのメモ帳でも何でも良いと思いますが、マニュアルを作っていると「あれ、ここってどうだっけ?確認確認…」と言うところが出てきます。
現像中にこれが起こると、タイミングによっては文字通り「終わり」ます。僕の場合は以下のような点がまとめておいてよかったなと思ったので参考にしてみてください。

  • どの液を何℃にしておけばいいのか

  • いつのタイミングでどの液の準備が完了していないといけないのか

  • 各液の準備にはどれくらいの時間がかかるのか

  • 撹拌のタイミング(最初の30秒間なのか60秒間なのか、何秒ごとに何回撹拌するのか、トータルので何秒なのか)
    → 特にここに関しては、現像液を入れたタイミングで「えーと、次は何秒間撹拌するんだっけな?」なんて悠長なことはしていられません。現像液を入れるところから始めの撹拌を終えてタンクを置くまでマニュアルなんて見てられませんので(ノンストップで行う必要があります)、しっかりと頭に入れておく必要があります。

あったほうがよかった備品

基本的な必要備品はどこも同じことを書いているので、そちらを見てください。僕も実際に多くのサイトで書いてある備品を用意しましたが、初回現像の後で備品を追加しました。それについて記載します。

メスカップの数と量

モノクロ現像の場合、「現像液」「停止液」「定着液」「水洗促進剤」「乾燥促進剤(? ドライウェルのこと)」の5つの液体を使います。そして現像液は水と希釈したりするのでメスカップを2つ使いました。
じゃあその数分必要なのかというと、そうではありませんでした。実際僕が用意したのは、

  • 2L x1

  • 1L x4

  • メスシリンダー x1

です。
簡単に具体例を挙げておくと、それぞれの原液作成は終わっている前提で、1Lのカップ2つを使って現像液を希釈しますが、うち1つは水なので汚れません。僕は停止液をケチって水にしているので、この時点で2つのカップを使うことになります。そして残りのカップに定着液と水洗促進剤を計ります。水洗いに10分ほどかかるので、その間に使用済みのカップ類を洗えるのでドライウェルのカップには困りません。

2Lのカップはというと、富士QW(水洗促進剤)の作成が2L単位だったので用意しました。現像液の廃液カップとして使えます。

メスシリンダーはドライウェルを測るのに必要です。(1Lの水に対して5mlとかなので)

お名前シール

百均で売っている水に強いタイプです。何に使うかと言うと、1Lのメスカップに現像液と定着液を見分けるためにシールを貼っています。なぜこのシールを貼ったかと言うと、現像液を希釈中に誤って定着液に水を入れてしまったからです。。。

匂いは違いますが、両方とも無色の液体なので今後も絶対にミスると思い「現像液用カップ」と「定着液用カップ」を作りました。

スポイト

ドライウェルを5ml測るのは至難の業です。なぜなら、滴るからです。百均のトラベルコーナーにスポイトがあったので、それを使ってメスシリンダーに移しています。

ウエス

雑巾でもいいですが、使い捨てできるのでウエスのようなものがおすすめです。いつ使うのかと言うと、備品を拭く時です。
メスカップや混ぜ棒など、使っては濯いでを結構繰り返します。綺麗に洗ってはいますが、薬品がついていたものを家のタオルで拭くのは何となく気が引けます。かといって水がついたままのメスカップや混ぜ棒をそのまま次に使うものよく無い気がします。せっかく計量してるんだから。
ということで、ウエスがあると何かと便利でした。ちょちょっと手を拭きたい時もありますし。

デジタル温度計が2つ

信用できるデジタル温度計なら1つで十分です。ただ、僕が使っているのは現像タンクやメスカップ、手袋などとセットになっていたもので、AliExpressで購入したもの…。使っていて、本当に正しい温度を指しているのだろうかと疑問に思っています。
疑問に思いつつも、今のところ失敗はしていないので大丈夫なんでしょうが、温度にシビアなカラー現像をする場合はタニタやシンワの良いやつを買おうと思っています。

まとめ

以上が、実際に自家現像を行なって発見したことです。ネットには書いていないのか見落としているのかわかりませんが、この辺知っておきたかったなぁと言うところに絞って書いてみました。

月並みな表現ですが、現像タンクから取り出したフィルムに像が見えた時は本当に顔がにやけます。嬉しいし楽しいです。

ただ写真を撮るだけならデジタルのほうが断然コスパに優れているのですが(経済的にも時間的にも)、フィルムには写真の出来以外に人を魅了することがたくさんあります。その1つが現像だと思うので、フィルム業界・文化は絶えないでほしいなと思う限りです。

自家現像の環境は整ったので、今度は暗室プリントを家でできるように機材調達をしていきたいなと思っています。

以上。

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