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ジョホールバル

間もなく今年も終了で、年が明けるとすぐに中国正月を迎えます。
中国正月前には、毎年奥さんの実家のあるジョホールバルへ「バリカンポン」(里帰り)します。
(今年の正月の記事はこちらです)
来年も、1月中旬にはジョホールバルへ里帰りをする予定です。

ジョホールバル

マレーシアの最南端にあり、シンガポールを対岸に臨むジョホールバルは、日本の方には「ジョホールバルの歓喜」で名前を覚えている方も多いでしょう。
また、「イスカンダル計画」でご存じの方もいるでしょう。
ただ、クアラルンプールなどの大都市に比べるとあまりメジャーな名前ではなく、シンガポールに観光で来て、1日足を伸ばしていく街、というイメージが強いと思います。

シンガポールへ通勤・通学

ジョホールバルとシンガポールとは、わずか1Km程度しか離れていません。
川のような「ジョホール海峡」を挟んで対面しています。
その国境に掛かっている2つの橋を渡って毎日約40万人以上もの人々が往来しており、シンガポールへの通勤通学者はもちろん、荷物を載せた多くのトラックが列をなしてシンガポールへ向かっていきます。
ジョホールバルとシンガポールとは、地理的にも経済的にも切っても切れない関係にあり、シンガポールの人々の生活と経済を支えているといっても過言ではありません。

週末の買い物やレジャーに

シンガポールの方は、週末になるとジョホールにやって来ます。
ちょっと橋を渡っただけで、同じ商品が 1/3 程度の金額で買えるからです。
価格差は商品によって異なりまが、たとえば日用品や食品は、ジョホールバルでは大幅に安くなっています。
ガソリンも、マレーシアでは政府の補助金政策があるため、価格はシンガポールの約1/3程度です。ただ、ジョホールに給油だけで入ってこないような対策は打たれています。
輸入品や高級ブランド商品は、シンガポールのほうが流通がスムーズで安い場合もあるます。
レストランでの食事は、ジョホールバルではシンガポールに比べて50~70%安いことが一般的なため、週末になると多くのシンガポールの方がファミリーでやってきて、美味しい料理を楽しんでいきます。
家賃の差は圧倒的で、ジョホールバルではシンガポールの10分の1以下という例も多く、そのためジョホールバルに家を持ち、シンガポールに出勤するシンガポールの方も増えています。

楽園がゴーストタウンに 

ジョホールバルには、「フォレストシティ」と呼ばれる、人工島での都市開発プロジェクトが進んでいます。開発を手掛けているのは、資金繰りの悪化が日本でも大きく報じられた、中国不動産開発の大手「碧桂園」です。
「フォレストシティ」は、開発当初からジョホールバルでは反対運動などがあり、物議をかもしていた大型プロジェクトですが、開発先の経営危機を受けて、その完成が危ぶまれています。
私の妻の実家がこのフォレストシティに近いため、今年の9月にも訪れましたが、中国の経済の停滞も影響していて、夜に行くと、ほとんど電灯がついていないような、まさに「ゴーストタウン」のような感じでした。

金融特区

マレーシア政府は、この人工島に、法人税率を0~5%まで抑えた金融特区を設けると先日発表しました。
現在、ジョホールバルとシンガポール間では、「ラピド・トランジット・システム(RTS)」と呼ばれる鉄道が建設中で、2026年に開通予定です。
この鉄道の開通により、国境の移動がさらにスムーズになり、両国間を行きかうビジネスや観光客の流れが増加することが見込まれており、それを加速するための金融特区の設置です。

マレーシアとシンガポールは、お互いに協力し合うことでさらなる経済発展を遂げ、そしてアジアの発展に大きく貢献するでしょう。
来年の「バリカンポン」は、少し時間を割いて、この息吹を感じてこようと思います。


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